磁気共鳴画像の一つであるfluid-attenuated inversion recovery‹FLAIR›は,無症候性白質病変‹white matter hyperintensity, WMH›等の脳病変の検出に用いられるが,撮像時間が長い点が課題である.そこで,高速撮像可能なmultishot echo planar imaging FLAIR‹MSEPI-FLAIR›におけるWMHの描出能を明らかにする.脳病変を疑う患者45名を前方視的に登録しFLAIRとMSEPI-FLAIRを撮像し,WMHのコントラスト比と体積を算出し比較検討した.WMHのコントラスト比はMSEPI-FLAIRにてFLAIRに比し有意な高値を示した‹p < 0.01›.MSEPI-FLAIRのWMHコントラスト比・体積はFLAIRと良好な相関を示したが‹ρ= 0.81,0.92›,有意な正の固定誤差・比例誤差を認めた‹p < 0.01›.MSEPI-FLAIRはFLAIRに比しWMHのコントラストは向上するが,体積を過大評価しうる.
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