目的:サージカルマスク装着下におけるフェイスシールドの装着および発声方法と,主観的評価および音圧レベルとの関連を明らかにする.
方法:都内の看護学部学生を対象に11名の看護師役に指定した文を明確音声と標準音声で発声してもらい,フェイスシールド装着時と非装着時の音声をICレコーダーで録音した.1名の患者役が看護師役の音声の聞き取りやすさを評価した.分析は,単変量解析及び音響分析ソフトPraatのLong-Term Average Spectrumを用いて音圧レベルを図示した.
結果:標準音声はフェイスシールド装着に関わらず,フェイスシールド装着時の明確音声に比べ,有意に聞き取りやすいという結果であった.0~2,000 Hzの周波数ではフェイスシールド装着時と非装着時で声の音圧レベルが同様である人の割合が多かった.
結論:音声の違いをより明らかにするため音圧レベル以外の指標も用いた調査が必要である.