目的:九州大学病院コンサルテーション・リエゾン部門(以下CL部門)におけるステロイド誘発性精神障害(以下ステロイド精神障害)の発症率,副腎皮質ステロイド薬(以下ステロイド)の用量と精神障害発症頻度を調査する。
方法:2008年4月〜2011年3月にCL部門に受診した1,106例の診療録を調査した。
1)ステロイド精神障害が多かった5つの診療科(以下,5科)はCL未受診者も含めステロイドの投与方法と用量を解析した。
2)5科のCL受診患者のステロイド精神障害発症と臨床的因子について多変量解析した。
結果:CL部門受診患者のステロイド精神障害は2.3%だった。5科において注射剤投与の患者は有意にステロイド投与量が多く,ステロイド精神障害の有無で受診前1カ月のステロイドの1日最大量に有意差はなかった一方,ステロイド総投与量は有意に多かった。
結論:1カ月のステロイド総投与量がステロイド精神障害の危険因子である可能性が示唆された。
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