目的:本研究は東海地方4 県の一般病棟で身体拘束されている患者の実態を把握し,倫理的観点を踏まえた身体拘束予防・早期解除方法を明らかにするうえでの基礎資料とすることを目的とした。
方法:対象施設は東海地方(静岡,岐阜,愛知,三重の各県)の一般病棟を有する447病院とし, 2018年3月1日12時時点で身体拘束実施中の入院患者を対象とした。患者の状態を担当する看護師に記載してもらう郵送式質問紙調査を実施した。
結果:42施設から回答を得た(回収率9.3%)。身体拘束されていた患者数は552人であった。身体拘束されていた患者のうち33.0%が,認知症,せん妄,精神疾患のいずれも診断されていなかった。患者の55.1%は入院日から調査日まで身体拘束を継続されていた。96.4%の患者の身体拘束開始を看護師が判断していた。
考察:一般病棟における身体拘束の予防や早期解除には,勤務する看護師への精神医学分野の知識提供を行う必要性が考えられた。
抄録全体を表示