垂直方向に開いた割れ目の位置とそこからのラドン上昇量を簡便・迅速に求める自動車用と携帯用の装置を試作して野外検討し, 次の結果を得た。
一般の活断層では延長の約30%の部分が開いた割れ目であり, 割れ目からのラドン上昇量は変動率で10%台となり, その位置は一般に割れ目水の採取適地になる確率が高い。
地震割れ目からのラドン上昇量は初期の場合, 一般の割れ目に近い値となるが, 反復地震地点では変動率で50~200%にもなる。割れ目の位置・変動率の分布やそれらの経時変化から各地層ブロックの詳細な動きを解析できる。それは農業土木事業の諸計画での事前調査に役立つ。
地熱上昇地域の変動率は30~110%であり, 変動率20%以上を指標に農業用地熱開発適地を選定できる。過剰揚湯は変動率の低下現象を指標に管理できる。
ウラン・石油・天然ガス等の鉱床探査に利用できる反面, 地下水や地熱の開発調査地域にこれら鉱床があるときは, 解析に十分な配慮が必要になる。
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