香川県は, 典型的な瀬戸内海式気候に属していることから, 昔から水資源に恵まれず, 先人は, 農業用水の確保, とりわけ溜池の築造には心血を注いできた。しかしながら, これら溜池は, 農業従事者の減少や高齢化に伴う維持管理の粗放化等によって, 溜池の機能喪失, 放棄の危機に直面している。一方, 農村地域の混住化や都市化の急速な進行などから「水辺空間」や「いこいの場」の整備を求める声が高まるなか, 溜池の水質改善をも含あた環境整備が喫緊の課題となってきた。
そこで, 香川県においては, 県独自に学識経験者等による委員会を設置し, 将来の溜池のあり方を展望し, 先人の苦労の結晶である溜池を健全な状態で21世紀の子々孫々に継承すべく溜池を取巻く課題の解決に鋭意取組んでいる。
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