香川県はいわゆる瀬戸内気候に属し, 日本でも最も雨が少ない地域である。香川用水通水前には, 昭和48年の異常渇水をはじめとして, 5~6年に一度の高い頻度で干ばつが生じている。用水通水後, 讃岐本土では, 水不足の問題はきわめて少なくなった。しかしながら, その恩恵を受けていない小豆島等島しょ部では, 依然として水不足であり, その解決が望まれている。
降水量の統計的解析を試み, 渇水の構造を明らかにした。これらを水利施設の運用に参考にすれば, 有用であると考えている。香川用水通水前後における水稲の干害による被害量を比較し, 被害が著しく減少していることを示し, 用水効果の一端を明らかにした。
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