地理情報システム (GIS) を用いた地域診断は最近, 途上国の農村開発の分野でも使われ出しているが, その活用は調査段階に留まり, 実施段階でデータが有効に活用されることは少ない。本報では, GISを用いた集落診断調査の結果を, 集落開発事業の-環として, 農家レベルの総合開発計画で活用する具体的手法を提案する。これにより, 農家のPIF作成に対するモチベーションを高め, また, 実施に要する人的コスト, 時間を縮減するとともに, 事業のモニタリングを容易にし, さらに, 政策決定者に対し, まったく新しい開発手法のッールとして大きなインパクトを与え, それにより, 開発手法全体に対する興味を高め, 理解を容易にすることが可能となった。
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