土地改良事業計画設計基準設計「水路工」は,昭和29年12月に「土地改良事業設計基準第3部設計第5編水路工(その1)」として制定されている。その後,昭和30年代の著しく増大した水路工の実施例に関し,使用した設計数値,使用公式や設計手法を基準として統一する必要性並びに新技術の導入による追補を目的として,昭和45年11月に改定されている。その後さらに,パイプラインとトンネルの2工種について,土地改良事業の推移から緊急に整備する必要に迫られ,昭和48年3月に「水路工(その2)パイプライン」,昭和50年8月に「水路工(その3)トンネル」として,それぞれ「水路工」から独立制定された。
「水路工(その1)」は,その後の農業水利形態の複雑多様化,農業をとりまく状況の変化,新製品・新技術等の技術進歩等に伴い,(1)開水路系基準の拡充,(2)調査,設計に関する手法の見直しを改定方針として,昭和61年5月に全面改定が行われ現在に至っている。
また,この間にも技術発展や社会情勢の変化等を背景とした設計施工に関する技術が積み上げられてきており,さらに関係する各種基準等もこの間に改定されており,これらとの整合を図る必要が生じてきた。
このため,本基準を改定すべく平成7年5月に改定要望全国実態調査として意見聴取し改定方針の検討を行ったのを始まりに,平成9年3月のかんがい排水審議会への諮問,-平成11年3月の同答申を経て,最終原案が取りまとめられた。
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