メコン川は, アジアで最大の6力国に跨る国際河川である。下流域とは, ラオスとミャンマーの国境に至る地点より下流で, その面積は約60.6万km2ある。この下流域では, 毎年洪水が発生しており, 特に1961, 78, 96年および2000年には大洪水が発生した。2000年は, 豪雨が例年より早く発生し, 自然の洪水調整が機能しなかったこと, 無秩序な都市開発が進農していること等より大被害を被った。
カンボジアで1億USドル以上, ベトナムで2.794億USドルの被害があり, ラオスおよびタイでも悲惨な被害を受けた。メコン河委員会を中心として各国が協調し, 予報や早期警報システム, 土地利用計画等の洪水対応策を検討している。
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