原子力バックエンド研究
Online ISSN : 2186-7135
Print ISSN : 1884-7579
ISSN-L : 1343-4446
18 巻, 2 号
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研究論文
  • 安江 健一, 田力 正好, 谷川 晋一, 須貝 俊彦, 山田 浩二, 梅田 浩司
    2011 年 18 巻 2 号 p. 51-61
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/24
    ジャーナル フリー
    高レベル放射性廃棄物の地層処分事業の概要調査において使われるであろう隆起量調査手法の1つ,河成段丘を用いて隆起量を把握する手法(TT法)の信頼性向上には,確度が高い段丘の対比・編年が必要である.本論では,段丘の分布・連続性等の地形データ,段丘堆積物の層厚・礫径および植物化石等の地質データ,火山灰層序・14C年代等の年代データを組み合わせた総合的な段丘対比・編年に関わる事例研究を鏑川と土岐川流域で実施した.その結果,離水層準の認定に有効なフラッドローム層および古気候の推定に有効な植物珪酸体の分析技術,さらには氷期における河川の掃流力の低下を示す厚い堆積物を把握する地震探査が,段丘対比・編年の高度化に大きく貢献することが確認できた.本研究では,見積もられた隆起量そのものを検証しているわけではないが,総合的な段丘対比・編年によってTT法が成立するための前提の確からしさを実証することで,隆起量評価の信頼性向上に貢献する事例を示している.
技術報告
  • 関根 一郎, 雨宮 清, 伊藤 雅和, 寺田 賢二
    2011 年 18 巻 2 号 p. 63-70
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/24
    ジャーナル フリー
    放射性廃棄物処分施設においては,緩衝材としてベントナイトの利用が検討されており,今後の放射性廃棄物処分事業を進めるにあたり,長期的に安定した供給が必要と考えられる.一方,ベントナイト需要の増大に伴い,国内産ベントナイトの供給不足,品質の変化,価格の上昇等が発生した場合には,放射性廃棄物処分事業に対して,大きな影響を及ぼすことが懸念される.本報告は,放射性廃棄物処分事業におけるベントナイトの長期的に安定した供給量を確保することを念頭に置き,海外のベントナイトの産出状況や我が国のベントナイト輸入状況を概観するとともに,我が国に地理的に近い中国のベントナイトについて調査した結果を取りまとめたものである.また,海外のベントナイトの試験方法の調査を実施したほか,中国,日本,米国産ベントナイトの物性比較を行い,ベントナイトの種類ごとの傾向を調べた.最後に,放射性廃棄物処分施設へ海外のベントナイトを利用するための今後の課題を示した.
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