原子力バックエンド研究
Online ISSN : 2186-7135
Print ISSN : 1884-7579
ISSN-L : 1343-4446
22 巻 , 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
研究論文
  • 山口 徹治, 島田 太郎, 石橋 純, 赤木 洋介, 黒沢 満, 松原 諒宜, 松田 祐紀, 佐藤 滋芳
    2015 年 22 巻 2 号 p. 21-28
    発行日: 2015/12/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     福島第一原発事故で汚染された土壌を穴に埋設し,清浄な土壌で覆土すれば,放射性セシウムは汚染土壌から周りの土壌や地下水にほとんど移行しないことは過去の研究から推定できる.本研究では,茨城県美浦村の1つの公園と埼玉県三郷市の2つの公園において一年にわたって核種移行試験を行って,その推定を実証した.汚染された表層土壌を集めて埋設し,散水によって放射性セシウムの移行を加速した.ボーリングコアの切断分析結果や,土壌水の分析結果からは,放射性セシウムの動きは見られなかった.また,実験室におけるカラム移行試験および収着試験によって,放射性セシウムが汚染土壌からほとんど溶出しないことや,たとえ溶出しても周囲の土壌に収着されてほとんど移行しないことを示すデータを得た.試験は1年間で終了したが,移流拡散モデルによるシミュレーション解析を100年間について行ったところ,セシウム-137はほとんど移行せずにその場で減衰することが示された.
  • 千田 太詩, 船橋 泰平, 齋藤 雄太, 新堀 雄一
    2015 年 22 巻 2 号 p. 29-36
    発行日: 2015/12/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     本研究では,放射性廃棄物処分場の高塩濃度冠水環境におけるカルシウムシリケート水和物(C-S-Hゲル)の生成および安定性について検討した.乾燥過程を経ないC-S-Hゲルを用い,NaCl濃度(0-600 mM)およびCa/Si比(0.4-1.6)をパラメータとしてC-S-Hゲル生成および安定性を調べた結果,いずれのCa/Si比においてもNaCl濃度にほとんど依存することなくC-S-Hゲルが生成することが示された.また,ラマン分光分析から,C-S-Hゲルを構成するsilicate chainの重合度はNaCl濃度に影響されず,C-S-Hゲル構造に変化は生じないことが明らかになった.これらのことは,高塩濃度環境にあっても冠水状態のC-S-Hゲルが塩水影響による変質を生じることなく安定に存在するとともに,二次鉱物としてのC-S-Hゲル生成も淡水条件と同様に生じることを意味する.
  • 竹内 竜史, 露口 耕治, 尾上 博則, 三枝 博光, 別府 伸治
    2015 年 22 巻 2 号 p. 37-52
    発行日: 2015/12/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     高レベル放射性廃棄物の地層処分では,地層処分システムの長期安全性を評価する上で,累積的・広域的な変化を引き起こす現象について考慮する必要がある.この現象の1つとして,地震に伴う地下水圧の変化が挙げられる.原子力機構が岐阜県東濃地域で実施する地下水圧の長期モニタリングでは,これまでに地震に伴う地下水圧の変化が観測されている.本稿では,地震に伴う地下水圧の変化に関する観測結果を整理すると共に,大局的な地下水流動特性に与える影響について考察を行った.その結果,地下水圧の変化が観測された地震のうち2003年十勝沖地震,2004年の紀伊半島沖の地震,2009年の駿河湾の地震に伴う地下水流動特性の変化は一時的なものであると推測された.一方で,2011年東北地方太平洋沖地震以降の地下水圧の変化については異なる傾向を示している可能性があり,今後も観測を継続する必要がある.また,地震に伴う地下水流動特性の変化を評価する上では,地下水圧の変化のみならず透水係数や動水勾配の変化にも着目することが重要であることを示した.
技術報告
feedback
Top