原子力バックエンド研究
Online ISSN : 2186-7135
Print ISSN : 1884-7579
ISSN-L : 1343-4446
3 巻 , 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
研究論文
  • 伊藤 久男
    1996 年 3 巻 1 号 p. 3-13
    発行日: 1996/08/01
    公開日: 2014/10/01
    ジャーナル フリー
      JUDGE計画とはJapanese Ultradeep Drilling and Geoscientific Experimentsの略であり,陸上から海洋プレートの沈み込み帯を貫く超深度掘削を行うというものであり,深度約10km,温度~400℃の条件で,坑井掘削. 岩石・水・ガス試料の採取. 坑井を利用した各種観測を行うものである. デコルマ面での各種観測,モニターはJUDGE計画の最も重要な目的であり,計画の概要,掘削・計測の課題を議論する.
  • 穂刈 利之, 沖原 光信, 石井 卓, 小島 圭二
    1996 年 3 巻 1 号 p. 15-23
    発行日: 1996/08/01
    公開日: 2014/10/01
    ジャーナル フリー
      ベントナイト混合土の難透水性能が、ガスの透過により影響を受けるか否か、数種類の流体を用いた透水・透気試験および顕微鏡観察により検討した。本試験では、ベントナイト混合土にヘリウムガスを透過させ、その前後の透水性を測定した。その結果、ガスはベントナイト混合土中に選択的に気みちを形成すること、および再飽和時にはベントナイトは膨潤することで気みちを充填するため、透水性は変化しないことが確認できた。
  • 小崎 完, 佐藤 大樹, 藤島 敦, 佐藤 正知, 大橋 弘士
    1996 年 3 巻 1 号 p. 25-31
    発行日: 1996/08/01
    公開日: 2014/10/01
    ジャーナル フリー
      高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価を行う上で重要な、ベントナイト緩衝材中の核種移行挙動を検討するため、ベントナイトの主成分であるモンモリロナイト中のCs+イオンの見かけの拡散係数およびその拡散の活性化エネルギーを求めた。得られた拡散の活性化エネルギーは、32.9から52.9kJ mol-1であり、Cs+イオンの自由水中での拡散の活性化エネルギーより大きな値となった。また、活性化エネルギーは乾燥密度1.0、1.2 および1.4×103kg m-3のNa型モンモリロナイト試料ではほぼ一定の値を示すのに対し、乾燥密度がさらに増すとその値は増加した。これらのことは、Na型モンモリロナイト試料中のCs+イオンが自由水中とは異なった過程で拡散していることを示唆するものと考えられる。
      一方、膨潤した圧密Na型モンモリロナイト試料の底面間隔をX線回折法により求めた。その結果、拡散の活性化エネルギーが一定である乾燥密度が1.0、1.2、1.4の試料では、Na型モンモリロナイト試料の層間に3水分子層が認められた。また、活性化エネルギーの値が増加傾向を示す乾燥密度1.6および1.8の試料では層間は2水分子層になることが明らかになった。このことから、Cs+イオンのNa型モンモリロナイト試料中の移行挙動に層間距離が影響を及ぼしている可能性が考えられる。
  • 小崎 完, 河辺 英樹, 玉井 秀明, 佐藤 正知, 大橋 弘士, 高田 實彌, 森山 裕丈
    1996 年 3 巻 1 号 p. 33-40
    発行日: 1996/08/01
    公開日: 2014/10/01
    ジャーナル フリー
      地層処分の安全評価の基礎研究として、べントナイト試料乾燥中におけるべントナイト中の黄鉄鉱の酸化挙動を調べた。黄鉄鉱の定量分析、べントナイト懸濁液のpHならびに硫酸イオン濃度の測定結果から、試料乾燥中において黄鉄鉱の酸化が徐々に進行することを明らかにした。
      さらに、べントナイト中の鉄の腐食ならびに腐食生成物の移行挙動に与える黄鉄鉱の酸化の影響を評価するため、乾燥時間の異なるべントナイト試料を用いて鉄の腐食実験を行った。放射化鉄箔試料を用いた実験から得られた平均腐食速度および鉄の腐食生成物の見かけの拡散係数は、乾燥時間の増加に相当増加した。また、1,10-フェナントロリン吸光光度法によって求めた腐食生成物の酸化還元状態から、腐食生成物の移行に寄与しているのは主として2価の鉄であると推定した。ベントナイト中の鉄の腐食ならびに腐食生成物の移行挙動は、黄鉄鉱の酸化に伴うpHの低下の影響を受けているものと考えられる。
  • 田中 忠夫, 長尾 誠也, 坂本 義昭, 大貫 敏彦, 倪世 偉, 妹尾 宗明
    1996 年 3 巻 1 号 p. 41-47
    発行日: 1996/08/01
    公開日: 2014/10/01
    ジャーナル フリー
      クロボク土への60Co, 85Srおよび241Amの収着実験をバッチ法で実施し、クロボク土とこれら核種間の相互作用に及ぼすフミン酸の影響について,フミン酸の分子サイズに着目して調べた。60Coの分配係数(Kd)はフミン酸の存在によってほとんど影響を受けなかったが,85SrのKdは共存するフミン酸の濃度が高くなるに従って大きくなった。一方、241Amの Kdは,クロボク土に対するフミン酸のKdと同様に,共存するフミン酸の濃度が高くなるに従って小さくなった。水溶液中で、241Amは分画分子量30,000~100,000のサイズのフミン酸と安定な結合体を選択的に形成したが,60Coおよび85Srは100,000以下のサイズのフミン酸と241Amに比べて弱く結合することが分かった。これらの結果から,フミン酸との相互作用が小さな60Coや85SrのKdは陽イオンとフミン酸結合体の両化学種の収着によって主に支配されるが,フミン酸との錯形成能が高い241AmのKdはクロボク土に対するフミン酸の収着特性に依存することが示された。
  • 山口 徹治, 中山 真一
    1996 年 3 巻 1 号 p. 49-61
    発行日: 1996/08/01
    公開日: 2014/10/01
    ジャーナル フリー
      炭酸イオン共存系におけるAm(III)の熱力学データを報告した5カ国の6研究機関による7件の研究報告をレビューし、データの妥当性を検討した。Am(III)の1炭酸錯体、AmCO3+については複数の研究グループの見解がかなりよく一致している。しかし高次の錯体については炭酸錯体だけが生成するとする説と、炭酸錯体とヒドロキソ炭酸錯体の両方が生成するとする説の二つが存在する。それぞれの原著をレビューしてこの相違を検討した結果、ある溶解度データは、炭酸錯体だけで説明しようとするとその安定度定数を不当に大きくとらなければならず、むしろヒドロキソ炭酸錯体で説明すべきであることがわかった。また炭酸錯体のみが生成していると説明された溶解度のデータから、ヒドロオキソ炭酸錯体の安定度定数の上限値を見積もったところ、既存の値と全く矛盾しないことがわかった。一方、ある溶媒抽出の研究はヒドロキソ炭酸錯体が生成する可能性の高い条件で行われたにもかかわらず、実験結果はヒドロキソ炭酸錯体を入れないモデルでよく説明できることがわかった。放射性廃棄物の地層処分の安全評価に用いる熱力学データとしては、既存の溶解度データをすべて説明できることを重視し、このレビューはヒドロキソ炭酸錯体もデータベースに取り入れることとし、SITを使ってイオン強度ゼロに外挿した安定度定数を選定した。
  • 窪田 卓見, 杤山 修, 山崎 浩道, 佐藤 信晴
    1996 年 3 巻 1 号 p. 63-70
    発行日: 1996/08/01
    公開日: 2014/10/01
    ジャーナル フリー
      フミン物質とアクチノイドとの相互作用を定量的に記述するためには、フミン物質の高分子電解質としての性質と組成不均一性が相互作用に及ぼす影響を明らかにする必要がある。これらの影響を分離して評価するために、構造が既知で、ある均一な高分子弱酸としてポリアクリル酸を選び、これとNp(V)との相互作用を溶媒抽出法により検討した。見かけの錯生成定数をポリアクリル酸の解離度により得られる解離官能基濃度を用いて定義し、いくつかのpH、イオン強度、ポリアクリル酸の平均分子量においてその値を求めたところ、得られた見かけの錯生成定数は、ポリアクリル酸の解離度とともに変化しており、この変化の仕方はポリアクリル酸のプロトンとの相互作用を表す見かけの酸解離平衡定数の変化の仕方とよく似ていることが明らかになった。
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