原子力バックエンド研究
Online ISSN : 2186-7135
Print ISSN : 1884-7579
ISSN-L : 1343-4446
17 巻 , 2 号
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総説
研究論文
  • 花谷 育雄, 宗像 雅広, 木村 英雄, 三箇 智二
    2010 年 17 巻 2 号 p. 55-70
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価に資するため, 日本原子力研究開発機構では, 広域を対象とした長期的な地下水流動評価手法の整備を進めている. 本研究はその一環として, 将来的な寒冷気候の到来に伴った地下水流動状況を予測評価するために, 凍土が形成されていた可能性の高い北海道幌延地域を対象として, 空中写真と高精度 DEM (数値標高モデル) を使用した地形解析を行い, 最終氷期から後氷期への地下水流動の変化要因について検討した. その結果, 幌延地域では氷期に周氷河性の平滑斜面が広く発達し, 後氷期に入ると降水量の増大に伴ってこの平滑斜面が侵食され, 相対的に急傾斜の後氷期斜面が形成されたこと, およびこの後氷期の侵食作用は対象地域内で一様ではなく, 地質の違いによって明瞭な差があることがわかった. すなわち, 勇知層や更別層では平滑斜面の60%以上がすでに侵食され, 一部では谷の切り合いにより稜線高度が低下していた. 一方, 声問層や稚内層では水系密度が低く, 平滑斜面の40%未満を侵食するに留まっていた. また, 後氷期に形成された谷は, 声問層以上の比較的浅い谷と稚内層以下の比較的深い谷とに分類できることがわかった. これらに加え, 対象地域の北部と南部での河床高度の変化の違い等について検討した結果, 最終氷期から後氷期への地下水流動の変化要因として①永久凍土の消滅, ②本流河床標高の上昇, ③降水量の増加が重要であると考えられる.
  • 須山 泰宏, 田辺 博三, 江藤 次郎, 吉村 公孝
    2010 年 17 巻 2 号 p. 71-84
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     現在, 我が国では原子燃料サイクルの過程で発生する高レベル放射性廃棄物を, 数万年以上といった長期にわたり人間の生活環境から隔離するため, 地層処分が計画されている. この地層処分施設は, 操業安全性と閉鎖後安全性の両方を確保するように設計される必要があり, 閉鎖後安全性は施設が閉鎖された後に, モニタリングまたは制度的管理に依存することなく, 人工バリアおよび天然バリアによって提供されることとなる. しかしながら, 最近では閉鎖措置の一環で地下水モニタリング等も検討対象となり, さらに社会科学の観点からも閉鎖後のモニタリングに関する必要性が議論されつつある. このような状況を踏まえると, 高レベル放射性廃棄物処分の長期に亘る安全性の確保の観点から, モニタリングのあり方を検討することが重要となる.
     そこで, 本論では処分事業において重要と考えられる閉鎖時の意思決定の段階に着目し, まず, 閉鎖時の意思決定の考え方を整理したうえで, 閉鎖時の意思決定におけるモニタリングのあり方 (モニタリングの役割, モニタリング実施時の制約条件, および具体的なモニタリング計画の検討方法) について考察を試みた. このあり方は, 今後サイト調査から最終閉鎖後の各段階を対象に一貫性を持ったモニタリング計画の検討と, 社会との合意形成に向けたモニタリングに関する議論の起点になるものであると考えている.
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