原子力バックエンド研究
Online ISSN : 2186-7135
Print ISSN : 1884-7579
ISSN-L : 1343-4446
9 巻, 2 号
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研究論文
  • 津島 悟, 鈴木 篤之
    2003 年 9 巻 2 号 p. 103-108
    発行日: 2003年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     B3LYPハイブリッド密度汎関数法を用いて, ウラニルイオンといくつかのカルボン酸の相互作用について調べた. まず, ウラニルシュウ酸1:3錯体についていくつかの初期構造を考えて構造最適化計算を行った結果, エネルギー的に近い構造がいくつか安定に存在することが明らかにされた. 次に, ウラニルイオンとギ酸イオンおよび酢酸イオンとの相互作用について調べた. ウラニルイオンと両カルボン酸の相互作用は, ウラニルイオンの最低空軌道(LUMO)とカルボン酸の最高被占軌道(HOMO)の相互作用に基づくものと考えられ, その結果, ウランに対してギ酸は単座配位を, 酢酸は二座配位を取るものと考えられる.
  • 鎮守 浩史, 油井 三和
    2003 年 9 巻 2 号 p. 109-114
    発行日: 2003年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     放射性廃棄物地層処分の安全評価において, コロイドのフィルトレーション現象が与える影響を考慮する際に必要となる, コロイドの固相表面への付着の程度を表すパラメータを決定するための新たな手法を検討した.コロイドの付着現象を平行平板間流れ場の系で観察し, 得られた付着量に関する結果から, 多孔質媒体中でのコロイドの移行過程における付着係数を決定した.本手法により独立して決定された付着係数の値と, カラム実験から得た破過曲線にコロイド移行モデルでフィッティングさせるという従来の手法により決定された付着係数の値の相違は, 2倍以内程度となった.
技術報告
  • 南 了悟, 中田 哲夫, 高橋 伸行
    2003 年 9 巻 2 号 p. 115-120
    発行日: 2003年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     横型サイロ貯蔵施設は, 米国で実用化された軽水炉の使用済み燃料乾式貯蔵システムであり, 我が国の使用済み燃料中間貯蔵施設の候補概念の一つであることから, 経済性向上, 日本の安全審査指針・技術基準, 貯蔵燃料の仕様, 耐震条件等との適合性を考慮して, 我が国向けの横型サイロ貯蔵施設の開発を進めてきた.
     横型サイロ貯蔵施設の設計に当たっては, 日本の条件に適合させるため, 除熱性向上, 遮へい性能向上, 耐震性向上および貯蔵密度向上の改良を行った.また, キャニスタ内伝熱流動実験を実施し, キャニスタ内のヘリウムの自然対流が使用済み燃料の除熱に寄与し, また, キャニスタ内圧を高めることで効果が促進されることを確認した.この結果より, キャニスタにはヘリウムを充填し, 加圧することとし, 設計に反映した.
     米国での実績に加え, 本研究の成果により横型サイロ貯蔵方式の使用済み燃料貯蔵施設の日本での適合性を確認できた.
資料
  • 小佐古 敏荘, 杉浦 紳之, 山本 英明, 大越 実, 石黒 勝彦, 浜田 達二, 藤原 啓司, 岩井 敏, 伊藤 敦夫, 竹内 光男, 奥 ...
    2003 年 9 巻 2 号 p. 121-142
    発行日: 2003年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     放射線防護に関する様々な勧告を行ってきている国際放射線防護委員会(ICRP)は, 放射性廃棄物の処分についての放射線防護の考え方をPublication 46, 77, 81において体系的に示している.特にPubl.81「長寿命放射性固体廃棄物の処分に適用する放射線防護勧告」は, 放射性廃棄物処分における最近の国際的な進展に照らして, 1985年に出版されたPubl.46で示されている勧告を補完, 改訂し, さらにより明確にすることを目的として出版されたものである.現在, 我が国においては地層処分の概念や安全規制を具体化する議論が進められているところであるが, このような国際的な動向を適切に反映していくことが重要である.
     本資料では, 地層処分に対する放射線防護の考え方をより詳細かつ具体的に理解するため, Publ.81に沿って, パラグラフ間の相互関係, ICRPにおけるこれまでの検討経緯, 他のICRP出版物との関係に留意しつつ, パラグラフごとに解説を加えた.
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