原子力バックエンド研究
Online ISSN : 2186-7135
Print ISSN : 1884-7579
ISSN-L : 1343-4446
15 巻 , 1 号
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研究論文
  • 大和田 仁, 中西 博, 朝野 英一, 小川 秀夫, 森 大介, 平石 知仁, 渋谷 和俊
    2008 年 15 巻 1 号 p. 3-11
    発行日: 2008年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     本論文では, TRU廃棄物のうちハル・エンドピース圧縮体用キャニスタから放出されるC-14の生物圏における線量影響を低減する目的で開発中の, 長期閉じ込め型コンクリート容器の長期耐久性に関して, 主にその水浸透特性, 及び水浸透に伴って生じる化学劣化について検討した結果を示す. 長期閉じ込め型コンクリート容器は材質に高強度高緻密コンクリートを用い, その高い止水性によって水の浸透を抑制し, 長期間にわたり内包する廃棄物と地下水との接触を防止することによって放射性核種の漏出を抑制するものである. 著者らはこれまでに, 冷間静水圧法によって取得した高強度高緻密コンクリートの透水係数 (4×10-19m/sec), 及び各種コンクリートの空隙率と透水係数との関係を用いて, カルシウムの溶脱等に起因する空隙率変化を反映させた水浸透-化学劣化連成解析を実施し, 6万年間の高強度高緻密コンクリートに対する水の浸透距離を約14cmと予測した [3]. この結果は, 容器が十分な壁厚を有しており, ひび割れ等を生じていなければ, C-14の線量影響を約3桁低減できる可能性を示している. しかし, 冷間静水圧法ではコンクリートの圧縮強度を大きく上回る水圧下で生じる水の浸透を測定していること, および, 化学劣化に関して十分に水が供給された浸漬状態での各水和物の溶解度を用いて解析を行ったことから, 長期的な水浸透試験により, 解析によって得られた結果を, 処分環境における高強度高緻密コンクリートの水浸透挙動及び化学劣化の進展が上回る可能性がきわめて低いことを示すことが必要である. そこで, 著者らはより低水圧の環境 (1MPaおよび 10MPa) での長期水浸透試験ならびに, 高強度高緻密コンクリートの化学劣化挙動を取得するための浸漬試験を実施した. 長期水浸透試験では, 3年間の浸漬によって生じた重量増加から推定される水浸透距離は, 村田の式 [13]を用いた予測値を下回ること, ミクロな空隙構造はほとんど変化しないことが示された. また, 浸漬試験後のバルク試料について X線マイクロアナライザー (EPMA) を用いた観察によって溶脱劣化深さを求めたところ, 水浸透距離とほぼ一致することが示された. 水浸透­化学劣化連成解析は, 水が浸透した領域全体で溶脱に伴って空隙率が上昇し, 水の拡散係数も大きくなる, 村田の式 [13] と比較して保守的な仮定に基づいて行っていることから, これらの結果は, これまでに実施した高強度高緻密コンクリートへの地下水の浸透深さは, 水浸透-化学劣化連成解析による水浸透距離の予測結果を上回らないことを示すものと考えられた.
  • 中村 有夫, 大和田 仁, 朝野 英一, 神徳 敬, 中山 元
    2008 年 15 巻 1 号 p. 13-26
    発行日: 2008年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     耐食層にチタン合金, 強度構造に炭素鋼を使用したTRU廃棄体金属容器について長期健全性評価を行った.
     C-14の半減期は約5730年であり, その影響を1/1000程度まで低減できる期間である6万年 (半減期の約10倍) を, C-14の閉じ込め期間の目標として設定した. この目標を達成するため, チタンの耐食性能を活用した耐食層の開発を実施してきた.
     不働態皮膜の健全性評価については, 想定処分環境における定電位保持試験の結果から温度を変数とする腐食電流密度の実験式を得て, 6万年間の累積腐食量を評価した. すきま腐食については, 想定処分環境における生起条件を調査し, Ti.Gr-17を候補材として選定した. 水素脆化については, 水素化物層成長予測モデルを援用し, 温度・電流密度をパラメータとした定電流試験結果から6万年間における水素化物層厚さを推定した. 破壊臨界厚さ並びにき裂進展モデルを考慮して, この厚さについてはき裂が発生しないことを確認した. 水素脆化については, 加速条件すなわち電流密度の違いによって, 水素化物生成プロセスが異なるという知見が得られており, 自然環境に近い条件での実験結果による, モデルの妥当性の確認が必要である.
  • 松本 一浩, 棚井 憲治
    2008 年 15 巻 1 号 p. 27-35
    発行日: 2008年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     高レベル放射性廃棄物の地層処分では, 廃棄体埋設後における人工バリアの長期健全性を評価するための評価手法の構築と, その評価手法の信頼性を高めることにより, 安全評価における不確実性を低減させることが重要な課題である. 本研究では, 地層処分研究において懸念される事象の一つである緩衝材の岩盤亀裂内への侵入現象について, 現象理解とより現実的な評価手法の構築に反映するために, X線CTスキャナを適用した模擬亀裂内におけるベントナイトの侵入密度測定を試み, その適用性を考察した.
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