ヨウ素とスズは,地層処分の安全評価上重要な元素である.ヨウ素の分配係数として有意な値を期待できるのかどうかを見極めるために中性付近にてNaNO
3濃度を0〜0.5 mol dm
-3の範囲で変化させて収着試験を実施した.誤差を評価して分配係数を求めた結果,凝灰質砂岩については,NaNO
3濃度0.5 mol dm
-3の条件を除きゼロではない有意な値を持ち,花崗閃緑岩については,NaNO
3濃度0.5 mol dm
-3以上の条件では有意な値を持つことが示された.スズについては,加水分解により生成する陰イオン種の増加とともに分配係数が著しく低下する可能性が考えられるため,高pH条件にて収着試験を実施した.花崗閃緑岩の分配係数はpH 10.4で9.79×10
-2 m
3 kg
-1となり,pH 12.4で2.46×10
-3 m
3 kg
-1の値となった.凝灰質砂岩については,pH 12.4付近で花崗閃緑岩より1桁程度高い分配係数(約2×10
-2 m
3 kg
-1)が得られた.
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