原子力バックエンド研究
Online ISSN : 2186-7135
Print ISSN : 1884-7579
ISSN-L : 1343-4446
6 巻 , 2 号
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研究論文
  • 芳賀 和子, 柴田 真仁, 深谷 泰文, 小林 康利, 今村 光孝
    2000 年 6 巻 2 号 p. 167-173
    発行日: 2000/05/01
    公開日: 2014/10/01
    ジャーナル フリー
      セメント系材料が溶解することにより,放射性廃棄物処分施設の環境は高アルカリ性となる.セメントの長期間にわたる高アルカリ性維持機能に関する研究は数多く報告されているが,液相に関する検討がほとんどであり,固相の分析が実施されていないことから,溶解過程を明らかにしているとは言いがたく,固相の変化を評価することが必要であると考え、筆者らは遠心力を利用した透水試験技術を用いて比較的短時間で通水変質試験を実施した。本試験技術を用いることによって、溶解に伴う液相と固相の変化を比較的短時間で評価することができた.
      通水試験後の固相は変質部分と未変質部分に区別でき,溶解フロントが確認できた.変質部分ではCa(OH)2が消失しており,微細構造が変化していた.通水量と液相組成の関係はPfingstenらが実施した通水試験結果[1]と非常に良く一致し,また,セメントの溶解過程についても両者の試験結果は一致した.
  • 安池 由幸, 池田 泰久, 長谷川 伸一, 西村 建二, 近沢 孝弘, 宮下 洋介, 高島 洋一
    2000 年 6 巻 2 号 p. 197-205
    発行日: 2000/05/01
    公開日: 2014/10/01
    ジャーナル フリー
      温和な条件での溶解工程の確立を目的に,被覆管付きUO2ペレットの硝酸溶液中での溶解挙動を種々の条件で研究し、その結果,90°Cにおいても沸騰条件と同等の速度でUO2ペレットが溶解すること,かつ溶解液中の亜硝酸濃度が沸騰条件より90°Cにおいて最高50倍高くなることから,従来と同様の溶解促進は,溶解により生成する亜硝酸による影響であることが確認された.また,温和条件での溶解における不溶解性残渣挙動について調べるため,模擬FPを混入したUO2ペレットを種々の温度で溶解した.その結果,残渣量は,沸騰温度に比べて90°Cの方が少なく,得られた残渣の主成分は,使用済み燃料の溶解液から得られる残渣と類似していることがわかった.更に,沸騰以下の温度におけるSUS材料の腐食挙動についても調べた.その結果,90°Cにおける腐食速度は,沸騰温度より約10倍遅いこと,その原因が低温化だけでなく亜硝酸の作用であることが明らかとなった.以上の知見より,現行の使用済み燃料についても,沸騰以下の温和な条件で溶解しうること,その結果として溶解工程の信頼性・安全性の向上が図られると期待し得る.
技術報告
  • 野村 茂雄, 船坂 英之, 青嶋 厚, 中村 博文, 小山 智造
    2000 年 6 巻 2 号 p. 207-220
    発行日: 2000/05/01
    公開日: 2014/10/01
    ジャーナル フリー
      昭和52年9月 (ホット試験の開始.なお,本格操業は昭和56年1月.) に,我が国初の再処理工場として核燃料サイクル開発機構 (当時の動力炉・核燃料開発事業団) の東海再処理工場がホット試験を開始して以来,約20年の歳月が経過した.東海再処理工場における再処理方式は,海外で実証済みの機械的前処理工程と溶媒抽出法 (PUREX法) を組み合わせたものである.この間,溶解槽の故障等幾多の経験を教訓としながら,約936tの軽水炉等の燃料処理実績を挙げてきた.
      一方,プルトニウムの有効利用に向けた高速増殖炉開発が行われる中で,動燃において高速炉燃料の再処理技術の開発に着手した.高速炉燃料は軽水炉燃料と比較して,ラッパ管等を有し,プルトニウム含有率が高く,高燃焼度化により核分裂生成物含有量が多い等の特徴がある.このため,高速炉燃料の再処理では,ラッパ管除去工程 (解体工程),厳しい臨界管理に耐える小型で処理能力の高い機器,比放射能および不溶解残さの増加に対応した高性能機器が必要とされ,これらの要求を満足する再処理機器を開発してきた.また,近年では安全性・経済性の向上,資源の有効利用,環境負荷低減,核不拡散抵抗性の向上等,社会の多様なニーズに対応するため,これまで実績のある湿式PUREX法にとらわれない先進的な技術の開発を進めている.
  • 水野 峰雄, 後藤 一郎, 藤岡 綱昭, 安池 由幸, 池田 泰久, 高島 洋一
    2000 年 6 巻 2 号 p. 221-231
    発行日: 2000/05/01
    公開日: 2014/10/01
    ジャーナル フリー
      現行の再処理において採用されているチョップ・アンド・リーチ法では,大型剪断装置を必要とし,かつ使用済み燃料を酸難溶性のジルカロイ被覆管を付けたまま高温・高濃度の硝酸溶液で処理するため,溶解工程における負荷が大きいものとなっている.
      本研究では,このような現行のヘッド・エンド・プロセスの抱える課題を解決するため,燃料集合体を解体し,燃料を被覆管より取り出した後,燃料のみを現行法より温和な条件で連続的に溶解させるとともに,燃料内のトリチウムやヨウ素を除去することによる溶解以降の工程の負荷軽減にも寄与しうる新ヘッド・エンド・プロセス技術の開発を行っている.
      本報では,新ヘッド・エンド・プロセスの要素技術である燃料取出技術,ボロキシデーション技術,燃料溶解技術に関する研究成果の概要について報告する.
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