原子力バックエンド研究
Online ISSN : 2186-7135
Print ISSN : 1884-7579
ISSN-L : 1343-4446
13 巻 , 1 号
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研究論文
  • 鹿園 直建, 小川 泰正
    2006 年 13 巻 1 号 p. 3-12
    発行日: 2006年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     熱水性鉱床 (黒鉱鉱床) 地域の熱水変質を受けた玄武岩質, デイサイト質岩石中の希土類元素の分析を行った. 希土類元素の地球化学的特徴 (軽希土類/全希土類比, La/Sm比, Eu異常) は, K2Oインデックス (= K2O / (K2O + Na2O + CaO + MgO) × 100) , 酸素同位体組成 (δ18O) と関係していることが明らかになった. この関係は, 軽希土類元素が熱水性鉱床生成の場およびその近くにおいて, 岩石から熱水へほとんど移行せず, また, 熱水から岩石へ付加されたであろうことを示している. Amと Cmの化学的類似元素である軽希土類元素の地球化学的挙動は, もしも熱水が処分場へ来て廃棄物体と接したとしても, Am, Cmも熱水作用により高レベル放射性廃棄物ガラス固化体から熱水へほとんど移行しないことを示唆する.
  • 高瀬 博康, 稲垣 学, 須山 泰宏
    2006 年 13 巻 1 号 p. 13-22
    発行日: 2006年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     地層処分における多重バリアシステムの眼目とするところは, 人工バリア及び天然バリアの安全機能を組み合わせることによって, 長期的安全性を確保することにある. このため, 処分事業の各段階における調査で明らかとなる地質環境条件に基づき, これに適した処分場概念を構築することが求められるが, この際, 与条件となる天然バリア性能の程度によっては, 人工バリアの安全機能を強化あるいは変更することによって, 多重バリアシステム全体としての性能を確保することが必要になる場合があるものと予想される. ここで, 前提となる地質環境条件が顕著な空間的不均質性を呈する場合が多いにもかかわらず, 従来の検討では, ある代表的な地質環境条件を固定して単一の廃棄物と人工バリアの組についての核種移行解析を実施し, その結果を数万体の廃棄物全体に適用することが普通であった. しかしながら, 地質環境条件に空間的不均質性が含まれている以上, 対象領域の中に, 相対的に「好ましい」部位と「好ましくない」部位とが混在することとなる。このため, 相対的に「好ましい」領域により多くの廃棄体を定置するという意味での処分場レイアウトの最適化を行う具体的な方策を検討すること, そして, このような最適化を図ることによるシステム全体性能の改良の程度を定量化することが重要な課題となる. 本論では, このような観点から, 従来の均質近似のアプローチに代わって, 地質環境条件の空間的不均質性を前提として, より好ましい部位に処分場のレイアウトを展開して多数の廃棄物を定置することにより処分システム全体としての性能の改善を図るというアプローチの基本的な考え方について考察を加えることを試みた.
  • 齋藤 宏則, 大江 俊昭, 新屋敷 直木, 八木原 晋, 海野 裕哉, 戸井田 克, 田中 真弓, 佐藤 光吉, 鈴木 健彦, 長井 敏, ...
    2006 年 13 巻 1 号 p. 23-30
    発行日: 2006年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     放射性廃棄物処分の長期的安全性を評価する上で, 地下水の3次元流向・流速は不可欠な情報である. しかし, 深部地下で想定される流速は現存技術の測定下限を下回る可能性があり, 実際の処分場性能を過小評価する事が懸念される. そこで, 筆者らは地下水に浮遊する固体トレーサの移動軌跡を超音波反射波で追跡することによって, これまで測定出来なかった極低流速を含む10-10~10-5m/sの範囲の流向・流速の測定を可能とする計測方法を提案している. しかし, この手法を実環境に適用する上ではターゲットとなる固体トレーサが最低でも2日間浮遊することが必要条件となるので, 粒子の沈降やブラウン運動などの見かけ上の影響を排除し, 安定な浮遊を確保するための具体的なトレーサ作成方法を検討した. その結果, 密度調整が可能な二重構造の有機固体トレーサを開発し, 500m深度のボーリング孔を用いた試験によって目標とする地下水流速を実際に計測することに成功した.
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