土木学会論文集C(地圏工学)
Online ISSN : 2185-6516
ISSN-L : 2185-6516
67 巻 , 2 号
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和文論文
  • 兵動 太一, 山田 卓, 兵動 正幸, 岡林 巧
    2011 年 67 巻 2 号 p. 174-185
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/20
    ジャーナル フリー
     細粒分含有率を調整したしらすの三軸供試体を用いてベンダーエレメント試験を実施し,せん断弾性係数を測定した.しらすは非結晶の火山ガラスを主成分とする脆弱な粒子から成り,細粒分を多く含むことが特徴である.実験より,しらすの細粒分に着目したせん断弾性係数の定式化を試みた.しらすのせん断弾性係数は細粒分含有率に依存し,間隙比や骨格間隙比との間に一義的関係を見出すことができなかった.そこで,細粒分を粗粒分と等価とみなす割合である寄与率bを考慮した等価骨格間隙比を導入することにより,せん断弾性係数の一義的な評価が可能となった.最終的に,細粒分含有率,等価骨格間隙比および拘束圧の関数形としたしらすのせん断弾性係数の定式化を行った.
  • 小田 好博, 高須 民男, 佐藤 久, 澤田 淳, 綿引 孝宜
    2011 年 67 巻 2 号 p. 186-197
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/20
    ジャーナル フリー
     塩水系地下水が存在する場合,淡水系地下水との密度差により地下水の流動が複雑化する.この場合,地下水流動挙動の評価は密度流と移流・分散を連成した複雑な数値解析によって行われている.しかしながら解析コードの検証に用いられる室内試験の多くが,着色した塩水の色の有無によって判別された塩淡境界の位置に着目して行われており,塩淡境界における塩濃度分布の定量的な試験データの取得が不十分であった.そのため数値解析コードの塩濃度分布に関する比較・検証が十分ではなかった.今回,塩水楔現象について,着色した塩水の反射光強度を光学的に非接触で測定・解析を行った.この結果,塩水および淡水の流れを乱すことなく,また楔の形状のみならず淡水と塩水の境界部の遷移帯の塩濃度分布を定量的に評価することができたので報告する.
  • 日比 義彦, 田口 弘和
    2011 年 67 巻 2 号 p. 198-209
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
     土中ガス中の多成分物質移動にDusty Gasモデルが有効であることは,これまでの研究で知られている.しかし,Dusty Gasモデルから分子拡散係数,Knudsen拡散係数,屈曲度と機械的分散係数を求める方法は確立されていない.そこで,本論文では,2成分のDusty Gasモデルを基にこれらの定数を求める方法を開発した.その際に,土壌中の2成分の境界で流速と分散係数の変化を考慮できるように,特性曲線型有限要素法で定式化された移流分散方程式にPowellの共役方向を適用した逆解析プログラムも開発した.本研究で行った2成分の一次元カラム実験結果に逆解析プログラムを適用して得られた合成分散係数と合成流速,および今回開発した手法を用いることによりこれらの定数を求めることができることが分かった.
  • 稲積 真哉, 木村 亮, 角田 敏光
    2011 年 67 巻 2 号 p. 216-227
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
     本論文では,建設時から将来にわたって廃棄物処分場の環境安全性を持続ならびに保障するため,処分場内の水溶性有害物質の封じ込めに加え,水溶性有害物質の浄化促進をも期待できる鋼管矢板遮水壁を解析的に提案している.具体的には,有害物質の封じ込めおよび浄化促進が求められる海面廃棄物処分場に対して,廃棄物埋立護岸の一つである鋼管矢板遮水壁の継手箇所に遮水・浄化促進技術を適用し,有害物質の封じ込めおよび浄化促進を図り,更なる環境安全性を追究するものである.本論文の成果として,鋼管矢板遮水壁の継手部材であるH-H継手に遮水・浄化促進技術を適用することで,処分場内の水溶性有害物質の封じ込め,ならびに浄化促進機能を有する鋼管矢板遮水壁の構築が可能であることを明らかにした.
  • 日下部 祐基, 三浦 均也, 伊東 佳彦, 表 真也
    2011 年 67 巻 2 号 p. 228-239
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
     2007年に岩盤崩落が発生した塊状火砕岩が主体の岩盤斜面データを用いて,本研究で考案した簡易な岩盤斜面の安定度評価法の妥当性を検証した.同評価法は,遠心力模型実験結果をもとに引張応力と引張強さの極限つり合い状態を考えた,2次元および2種類の3次元極限平衡解析によるものである.検証の結果,2次元解析では安全率1.0に近い値(1.1)が得られた.3次元解析では,最小安全率が1.0になるときの新たな亀裂の鉛直長さ(切欠き高さ)が,岩盤斜面の崩落面の観察から得られた値(5.0m)よりもやや大きく(想定亀裂面法で5.2m,最小亀裂角法で6.9m)安全側に評価された.以上のことから,斜面の安全性の評価として,まず簡便な2次元解析により対象斜面を検討し,より精度の高い評価を行う場合には3次元解析により検討するのが妥当と結論づけられた.
  • 日置 和昭, 岩永 駿平, 中村 聡司, 本郷 隆夫
    2011 年 67 巻 2 号 p. 240-251
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/20
    ジャーナル フリー
     本論文では,透水係数kが1.0×10-6~1.0×10-10m/sの細粒土を対象に,動水勾配を与えずに濃度勾配のみを与え,密度流と分子拡散を生じさせるイオン浸透試験を実施し,細粒土の物質移動パラメータについて逆問題的考察を行うとともに,数値解析による細粒土のバリア性能評価を行った.その結果,1)ベントナイト混合土の透水係数kや有効拡散係数Dd*は有効間隙率neに依存すること,2)ベントナイト混合土の有効間隙率neや有効拡散係数Dd*は,コンシステンシー限界から簡易的に推定し得る可能性があること,3)『厚さ5.0m,かつ透水係数kが1.0×10-7m/sの地層(遮水層)』と『厚さ0.5m,かつ透水係数kが1.0×10-8m/sの遮水壁』とでは,バリア性能に著しい差異が認められることが明らかとなった.
  • 西村 伸一, 高山 裕太, 鈴木 誠, 村上 章, 藤澤 和謙
    2011 年 67 巻 2 号 p. 252-263
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,老朽化したため池堤体の空間的な強度分布推定を目的としている.一般に,堤体の強度は,標準貫入 試験結果の N 値から推定されるが,ここでは,さらに簡便なスウェーデン式サウンディング(SWS試験)結果に基づき強度推定を行っている.とくに,SWS 試験結果から N 値の空間分布に適合する統計モデルを決定している点が本研究の特色である.SWS 試験は高密度に強度分布を得ることができるが,点推定値であるため,空間的な強度分布を得ようとした場合,補間を行う必要がある.ここでは,点推定値の空間補間法として,地質統計学の一手法であるインディケータシミュレーション法を用いている.補助情報として表面波探査(SWM)結果を用い,決定した統計モデルに基づいてシミュレーションを実施した.
  • 中村 大, 鈴木 輝之, 後藤 隆司, 金 学三, 伊藤 陽司, 山下 聡
    2011 年 67 巻 2 号 p. 264-275
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,繰返し凍結融解実験を行い,凍結融解前の土の各種物性値,特に透水係数と間隙比が,凍結融解後にどのように変化するのかを明らかにすることに取り組んだ.実験には凍上性の高い風化火山灰を用い,締まった状態と緩んだ状態の土を想定して,3種類の突固め条件で締固めた.本研究の実験結果から,高い締固めエネルギーで突固めた土の透水係数,間隙比は1サイクル目の凍結融解によって増加すること,低い締固めエネルギーで突固めた土の透水係数,間隙比は凍結融解によって減少することが確認された.凍結融解を繰返し受けることによって透水係数,間隙比は変化していくが,サイクルを重ねるごとにその変化は小さくなっていき,ある一定の値に収束していくことが明らかとなった.
  • 小峯 秀雄, 安原 一哉, 村上 哲
    2011 年 67 巻 2 号 p. 276-287
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/20
    ジャーナル フリー
     高レベル放射性廃棄物の地層処分施設は,廃棄体運搬の利便性等の観点から,沿岸域付近に建設される可能性がある.その場合,処分施設に流入する地下水には海水起源の塩類が含まれることが予想される.そこで本研究では,地層処分において最も重要な人工バリアであるベントナイト系緩衝材の仕様設計に資するため,各種ベントナイトの人工海水環境下での透水係数を実験的に調査した.その結果に基づき,低透水性の観点から海水の影響を受けにくいベントナイトの種類や緩衝材の仕様を明らかにした.また,ベントナイトの透水係数に及ぼす海水中の陽イオンの影響について,既往の研究成果に基づきモンモリロナイト結晶層の濾過機能の観点から検討を行い,透水係数に及ぼす人工海水の影響メカニズムを考察した.
  • 西山 哲, 大西 有三, 矢野 隆夫, 高橋 学, 吉村 公孝, 安藤 賢一
    2011 年 67 巻 2 号 p. 288-298
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/20
    ジャーナル フリー
     弾性波の伝播速度および減衰の周波数依存性を利用して,地盤の透水特性あるいは間隙流体の特性を調査する手法が検討されている.Biot理論によって分散現象は説明できるが,地盤条件によって観測される分散現象がどの程度相違するのか,あるいは地盤の透水特性がどの程度分散現象に反映されるのかが明確にされていないという問題がある.本研究では岩石供試体を用いた室内実験の結果に基づき,堆積岩と花崗岩で観測される縦波の分散現象の違いとBiot理論の適用性を考察し,さらに分散現象から透水特性を推定することの可能性を検討することにより,分散現象を利用して地盤の透水特性を計測する手法の妥当性を,Squirt flowという局所的な間隙流体の挙動を考慮するBISQ理論の適用性と共に示した.
和文ノート
  • 今村 紘子, 杉山 太宏, 外崎 明, 赤石 勝
    2011 年 67 巻 2 号 p. 210-215
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
     一次元圧密解析に利用する圧縮指数λは,通常,1日間隔で段階載荷する圧密試験のe-log p曲線から求められるので,圧縮指数λには二次圧密の影響が含まれると考えられる.このノートでは,二次圧密が圧縮指数に与える影響を調べるために,有効応力増分にのみ依存する一次圧密量で定義した圧縮指数λ*を利用した.段階載荷圧密試験の圧密量-時間曲線を2つの圧縮指数λ*とλで計算し比較した結果,λ*ではこれを調整して良好な沈下量を計算できるのに対し,λを用いた場合には二次圧密量の二重評価によって1日後の沈下量が過大となることを示している.
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