本論文では,透水係数kが1.0×10
-6~1.0×10
-10m/sの細粒土を対象に,動水勾配を与えずに濃度勾配のみを与え,密度流と分子拡散を生じさせるイオン浸透試験を実施し,細粒土の物質移動パラメータについて逆問題的考察を行うとともに,数値解析による細粒土のバリア性能評価を行った.その結果,1)ベントナイト混合土の透水係数
kや有効拡散係数
Dd*は有効間隙率
neに依存すること,2)ベントナイト混合土の有効間隙率
neや有効拡散係数
Dd*は,コンシステンシー限界から簡易的に推定し得る可能性があること,3)『厚さ5.0m,かつ透水係数kが1.0×10
-7m/sの地層(遮水層)』と『厚さ0.5m,かつ透水係数
kが1.0×10
-8m/sの遮水壁』とでは,バリア性能に著しい差異が認められることが明らかとなった.
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