土木学会論文集C(地圏工学)
Online ISSN : 2185-6516
ISSN-L : 2185-6516
75 巻 , 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
委員会報告
和文論文
  • 望月 美登志
    2019 年 75 巻 2 号 p. 155-166
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/20
    ジャーナル 認証あり

     製紙製造時に排出されるペーパースラッジ(PS)の焼却灰を汚泥や建設発生土の効率的な処理に利用するため,PS灰の吸水性能を簡便かつ客観的に評価できる吸水試験方法を考案した.そこから得られる吸水比wabという性能指標を用いて,焼却炉の異なる各種PS灰の吸水性能の違いやばらつきを評価した.また,吸水性能にばらつきのあるPS灰について安定した高吸水性能が得られるように改質する処理方法を確立した.さらにPS灰の吸水性能を考慮し,土のコンシステンシー概念と統一した配合設計手法を提案した.締固めエネルギーを突固め方法AからEへ上げて直接PS灰改質材を突固めると粒子破砕は生じるようになるが,吸水対象となる泥土に混合させた状態で突固めた場合,突固め方法Eのエネルギーでも破砕は生じず,泥土改質材としての適用が確認できた.

  • 中村 晋, 佐名川 太亮, 阿部 慶太, 渡辺 健治, 篠田 昌弘, 河井 正
    2019 年 75 巻 2 号 p. 167-183
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/20
    ジャーナル 認証あり

     本論では,1G場での斜面模型の振動実験結果を基に,斜面の安定から不安定に至る挙動の分析,安定限界を超えた後の挙動としてNewmark法の適用性について検討を実施した.対象とした実験には,すべり面が発生する弱層,表層,基盤層の3層構造を有し,高さが1から2m程度の小型,中型斜面模型を用いた.その結果,すべり面は,頂部に引張り亀裂が生じた後,離散的に生じたせん断亀裂が加振とともに進展し,連なることにより形成されることや,正弦波加振に対し,すべり安全率が1.0となる時の降伏加速度と崩壊時の作用加速度が同程度となることが分かった.さらに,Newmark法の適用条件のうち3つの条件が明確な実験について,その推定値が実験値と同程度以下となる傾向は既往の研究と調和し,設計上の留意点であることが分かった.

  • 小西 魁, 澤村 康生, 岸田 潔, 木村 亮
    2019 年 75 巻 2 号 p. 184-197
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/20
    ジャーナル 認証あり

     事前地山改良工などの補助工法の技術開発により,小土被り未固結地山のトンネル掘削でもNATMが頻繁に採用されている.これまでは主にトンネル掘削時を対象として,事前地山改良工による地表面沈下抑制効果や切羽の安定性に関する検討が進められてきた.一方,同構造の地震時挙動については十分に検討されていない.本研究では,改良の有無および改良パターンによる小土被りトンネルの地震時挙動を把握することを目的に,遠心力50G場での振動台実験を実施した.その結果,トンネル脚部まで改良した場合,改良体によりトンネルのせん断変形を抑制できることを確認した.一方,トンネル上部のみを改良した場合,トンネル上部に重量が集中することで応答が増幅し,周辺地盤と改良体の境界部分でトンネルに大きなせん断変形が生じることを確認した.

  • 堀内 浩貴, 藍檀 オメル, 渡嘉敷 直彦, NASIRY Nasir Zia
    2019 年 75 巻 2 号 p. 216-233
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/20
    ジャーナル 認証あり

     過去に具志川城址周辺で発生した海食崖の崩壊を受け,沖縄周辺の海食崖の調査を実施した.現場調査より,多数の海食崖崩壊面の劣化はほとんどが一様な状態であった.しかし,瀬底島で発見した海食崖は,崩壊面が劣化度合いの異なる3層構造の特徴的なものであった.亀裂の進展方法や岩盤劣化の仕方が他の海食崖とは異なると推定できることから,その原因を探る必要があると考えた.そこで,赤外線カメラによる劣化評価,崩壊時の亀裂を模擬した模型実験および劣化度合いの異なる3層構造を考慮した弾性有限要素解析により検証した.その結果,層ごとに引張亀裂の発生時期が異なっていたことで崩壊面の劣化状態に違いが生じた可能性が高いこと,岩盤に発生した引張応力が0.24-0.35MPaで崩壊した可能性が高いことが明らかになった.

  • 上田 恭平, 芦野 貴之, 井合 進
    2019 年 75 巻 2 号 p. 234-247
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/20
    ジャーナル 認証あり

     地震時の盛土被害の原因として,従来は盛土下の砂質地盤の液状化が着目されることが多かった.しかし,2011年の東北地方太平洋沖地震では,粘土層や泥炭層が堆積した非液状化地盤上の河川堤防でも多数の被害が確認された.本研究では,圧密履歴を受けた粘性土地盤上の盛土の動的変形機構の解明に向け,盛土構築前の基礎地盤の圧密状態(正規圧密,過圧密)を変化させ,遠心場での振動実験を実施した.その結果,地震時の盛土堤体の変形量は盛土載荷に伴う基礎地盤の変形量と比べて小さいが,盛土載荷から地震時に至る盛土天端の合計沈下量の20~30%を占めることが示された.また,盛土載荷時に正規圧密地盤の圧密沈下の影響を大きく受け変形した盛土堤体は,過圧密地盤上に構築された堤体と比べて地震時にさらに変形が拡大することがわかった.

和文報告
  • 長尾 和之, 澤野 幸輝, 松崎 孝汰, 風間 基樹, 河井 正, 加村 晃良
    2019 年 75 巻 2 号 p. 198-215
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/20
    ジャーナル 認証あり

     近年,異常降雨や大規模地震に起因して高速道路の切土および盛土のり面が被災し,物流や日常生活に影響を与える事象が顕在化している.一方,高速道路の延長は約4割が供用30年以上を経過し,経年劣化のリスクの高まりが懸念される.本報告では,NEXCO東日本の最近の降雨等によるのり面の災害事例とその「素因」および「誘因」を紹介するとともに東北地方の高速道路ののり面で発生した213箇所ののり面の災害事例から,東北地方ののり面災害に大きく影響を与える地形,地質および盛土材料などの「素因」を抽出した.さらには,降雨による切土および盛土ののり面災害の規模と「素因」の関係やのり面災害の規模と頻度の関係など,のり面の「予防保全」のシステム作りに資する分析を試みたものである.

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