日本食品工学会誌
Online ISSN : 1884-5924
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16 巻 , 2 号
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解説
  • 井上 孝司, 片桐 孝夫, 五月女 格
    16 巻 (2015) 2 号 p. 83-87
    公開日: 2015/11/16
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    粉末食品では,微粉末の状態では流動性が低く凝集性が強いため,充填・計量や飲食品時の溶解性で問題が生じる.その解決策として微粉末を造粒し,顆粒を形成させることが行われている.造粒する技術の1つである流動層造粒では,粉末に水溶液バインダを噴霧して粒子を結着させ顆粒を生成するが,顆粒の加水量の増加は製品の品質変化や乾燥工程の長時間化の原因となる.我々は流動層造粒のバインダとして,アクアガスバインダ(水蒸気-水二相バインダ)を用いた効率的な造粒技術の開発を行った.コーンスープにおいてアクアガスバインダでは,従来の液体バインダと比較して30%程度の少ない加水量で同等の顆粒が形成された.また,造粒した顆粒の特性も液体バインダと比較して流動性や溶解性に優れていることがわかった.
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  • 小林 功, 市川 創作
    16 巻 (2015) 2 号 p. 89-96
    公開日: 2015/11/16
    ジャーナル フリー
    本稿では,マイクロチャネル(MC)乳化の食品分野への応用に向けて重要であると考えられる点を中心に概説する.筆者らは,代表的なMC乳化装置,MC乳化による液滴作製の基本特性,および単分散食品用エマルション,微粒子,微小カプセルの作製について紹介する.平板溝型MC乳化基板の主な特長は,並列MCを介した液滴作製の直接観察および作製可能な液滴サイズが広範囲であることである.貫通型MC乳化基板は,単分散エマルション液滴の生産性が平板溝型MC乳化基板と比べて高い点が有利である.MC乳化の独特な液滴作製機構は,ミクロンスケールにおいて支配的になる界面張力を活用しているため,熱や外力に対して敏感なエマルション成分の劣化や変性を抑制可能である.筆者らは,MC乳化における装置・操作因子が微小液滴のサイズに与える影響,ならびにMCアレイの表面特性およびエマルション成分が液滴作製に与える影響について論じた.静電積層法は,MC乳化によって作製された単分散水中油滴(O/W)型エマルションの安定性向上に有用な表面修飾技術である.正または負に帯電した界面活性物質を用いることにより,均一サイズの微小油滴の表面に最大で7層の被覆修飾が可能であることを紹介した.静電積層法においては,微小油滴表面のζ-電位は,被覆修飾を行うごとに反転し,最外層の帯電状態を反映している.これまでに,静電積層法によるO/Wエマルション液滴の安定性向上が可能な組み合わせが,数種類報告されている.
    なお本稿は,Foods & Food Ingredients Journal of Japan(FFIジャーナル)219巻4号332~338頁(2014年)に掲載された原稿を,許可を得て,英訳したものである.
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原著論文
  • 惠良 真理子, 境 志穂, 田中 彩, 川原 貴佳, 完山 陽秀, 森田 洋
    16 巻 (2015) 2 号 p. 99-108
    公開日: 2015/11/16
    ジャーナル フリー
    カビは土壌や空気中,生物体表面など様々な場所に生育しており,食品や住環境を汚染することから,その制御が問題となっている.Penicillium 属菌は,自然界に広く生息し,野菜や果実などにおいて繁殖し,劣化や腐敗を引き起こす.さらに本菌は胞子の吸引によるアレルギー性疾患などの様々な健康被害を引き起こす.カビ対策としては,オルトフェニルフェノールやチアベンダゾール,イマザリルなどの防かび剤による手法が挙げられるが,安全性や持続性の低さが問題となっている.このような背景から,抗カビ効果,安全性,持続性の高い防かび剤の創出が求められている.
    本研究では,界面活性剤の一種で石けんの主成分である脂肪酸塩に着目した.脂肪酸塩は鎖状炭化水素のカルボン酸塩であり,Escrichia coliStaphylococcus aureusなどの細菌に対して抗菌効果が報告されている.しかし,カビに対する抗カビ効果の知見は少ないのが現状である.そこで,本研究ではJISかび抵抗性試験法で用いられるPenicliium pinohphilum NBRC 6345株およびPenicillium digitatum NBRC 9651株に対する脂肪酸塩の抗カビ効果について評価した.
    炭素数が異なる9種類の脂肪酸塩の抗カビ試験の結果,Penicillium 属菌に対してカプリン酸カリウム;C10Kが最も高い抗カビ効果を発揮することが明らかとなった.C10Kは10分の接触で4オーダーの抗カビ効果(カビ胞子を99.99%減少)を発揮した(Fig. 1).最小発育阻止濃度(MIC)測定結果では,P. pinophilum に対してC10Kが175 mMで発育を抑制することが明らかとなった(Table 1).これらの結果から,P. pinophilum に対してC10Kが最も高い抗カビ効果を発揮することが明らかとなったため,本菌株に対してC10Kとその他脂肪酸塩の共存試験を検討した.その結果,C10Kの抗カビ効果に対して短鎖・中鎖脂肪酸塩は影響を与えず,長鎖脂肪酸塩は阻害作用を示すことが明らかとなった(Fig. 5A-H).
    P. pinophilumに対してC10Kが最も高い抗カビ効果を発揮することが明らかとなったため,柑橘類におけるC10Kの抗カビ効果を検討した.その結果,Controlと比較してC10Kは柑橘類におけるP. pinophilum の発育を抑制した(Fig. 6).本研究より,C10Kの防かび剤としての有用性が示唆された.
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  • 三貝 咲紀, 井 菜々子, 許斐 隼, 佐藤 由可衣, 惠良 真理子, 二宮 純子, 森田 洋
    16 巻 (2015) 2 号 p. 111-121
    公開日: 2015/11/16
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    従来の清酒醸造では,種々の加水分解酵素を多量に分泌するAspergillus oryzae(黄麹菌)を蒸米上に培養させて造る,固体麹を原料として使用している.一方で,黄麹菌の培養制御や品質管理の容易さなどの観点から,原料および栄養源を含有した液体培地で黄麹菌を培養した,液体麹による清酒醸造が望まれる.しかし,液体麹において黄麹菌の糖化酵素(グルコアミラーゼ)分泌が固体麹に比べて著しく低下するため,液体麹を清酒生産に用いるためにはグルコアミラーゼ生産の増強が課題として挙げられる.
    そこで本研究では,液体麹において高いグルコアミラーゼ生産性を有するRhizopus 属菌とAspergillus oryzae の混合培養系によりグルコアミラーゼ生産の増強を目的とし,清酒醸造への実用化に向けて検討を行った.Rhizopus arrhizus P20と Aspergillus oryzae (HI-G)の至適酵素生産条件確立のために,初発添加胞子数比および培地成分の変化におけるグルコアミラーゼ活性(GA)およびα-アミラーゼ活性(α-A)を測定した.その結果,R. arrhizusA. oryzaeの初発添加胞子数比を1:1に制御し,培地中の窒素源および炭素源として酢酸アンモニウム1.29%,マルトース3%をそれぞれ同時に添加することで,フラスコスケールにおいてGA;675 U/ml,α-A;4.7 U/mlの高活性を得ることを見出した.そこで,至適酵素生産条件において5 L容ジャーファーメンター(実容量3 L)内で共培養を実施したところ,フラスコスケールと同等の高いGA,α-Aが認められた.さらに,ジャーファーメンターのかくはん速度がグルコアミラーゼおよびα-アミラーゼ生産に大きく関係し,かくはん速度200 rpmにおいてとくにグルコアミラーゼ生産に適することを見出した.
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  • 草野 崇一, 田村 弘司, 岡崎 勝一郎
    16 巻 (2015) 2 号 p. 125-131
    公開日: 2015/11/16
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    乳酸菌は主にグルコースなどの単糖類を資化して乳酸発酵を行うが,ニンニクの主成分である多糖類のフルクタンは一般的に発酵できない.我々はニンニク乳酸菌発酵食品を作る目的で新たにフルクタン資化性菌を探索し,ラッキョウ塩漬けからLactobacillus plantarum S506株を分離した.S506株はニンニクフルクタンのみを糖質源として効率よく乳酸発酵することができた.分離したS506株をスターターとして得られた発酵ニンニクエキスは,BALB/cマウス由来マクロファージ様細胞株のJ774.1細胞を使った試験において自然免疫強化の指標となるインターロイキン-12(IL-12)産生量を顕著に増大した.このIL-12産生促進作用の主な有効成分は発酵により新たに生成した成分であることが推察された.このような新たな免疫機能が付与されたニンニク乳酸菌発酵食品は健康維持に役立つ食品として期待される.
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  • 中山 保之, 坂宮 章世, 船木 健司, 栗田 修, 矢野 竹男
    16 巻 (2015) 2 号 p. 133-143
    公開日: 2015/11/16
    ジャーナル フリー
    橙系サツマイモである隼人芋を原料とした干芋である“きんこ芋”ならびにきんこ芋製造時に廃棄されている表層部を活用した,2種類の新規芋焼酎の実用的レベルでの製造を行った.焼酎の製造にあたっては,米麹は白麹を用いて製麹,酵母は鹿児島4号酵母(C4酵母),水は地下水を使用した.きんこ芋ならびに天日乾燥させた表層部は,粉砕などの前処理をせずに用いた.仕込みは伊勢市内にある企業の焼酎製造工場の設備を用いて,二段仕込みで行った.きんこ芋からは酸度5.5,揮発性酸度0.5,アルコール濃度11.9%,表層部からは酸度7.4,揮発性酸度1.4,アルコール濃度10.9%,の最終二次もろみが得られた.きんこ芋から得たもろみは,焼酎にきんこ芋の香気特性を残すため,常圧蒸留を行った.一方,表層部から得たもろみは,焼酎に表層部に由来する臭気が残らないようにするため,減圧蒸留を行った.きんこ芋200 kgからは291 L, 表層部400 kgからは551 Lの原酒が得られた.それぞれの原酒はアルコール濃度25%となるように割り水して調整した後,720 mLの褐色ビンに充填した.香気成分の定量結果から,それぞれの芋焼酎は,対照とした市販3焼酎と比較すると,芋焼酎の特微香成分であるモノテルペンアルコール類の種類ならびに含有量が低かったが,市販3焼酎では検出されなかった,原料の橙系サツマイモ固有で,甘さを連想させる香気成分である,β-イオノンが含まれていた.それぞれの芋焼酎は22種類の香気成分の定量値を用いた因子分析および官能評価によって,特性分析を行い,それぞれ期待した通りの従来の芋焼酎とは異なる芳香特性をもつ製品であることが確認できた.
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技術論文
  • 長田 隆, 中野 千紗, 大坪 研一
    16 巻 (2015) 2 号 p. 145-152
    公開日: 2015/11/16
    ジャーナル フリー
    常温流通するpH 4.6未満のトマトジュースの製造において,B.coagulansを指標に121℃,0.7分の加熱殺菌条件が世界で広く採用されている.本研究は原料トマトの細菌芽胞汚染を調べ,適切な指標菌を検討し,商業的無菌性を確保する加熱殺菌条件の算出を行った.
    pH 4.6未満のトマトジュースを製造する上では,B.coagulansによる変敗の危害性は低く,原料汚染度の高い,B.subtilis groupやThemoanaerobacterium属が重要で,とくに変敗事例のあるThemoanaerobacterium属芽胞をトマトジュースの加熱殺菌指標に管理するべきと結論した.本属芽胞を指標菌に,トマトジュース(pH 4.6)における耐熱性を測定した結果,D121℃値は0.3分,z値は8.2℃で,これらの値から殺菌値を算出すると,F121℃値はD121℃値の5倍から1.5分となる.現在の加熱殺菌条件は,これを下回っている.
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  • 長田 隆, 中野 千紗, 大坪 研一
    16 巻 (2015) 2 号 p. 153-159
    公開日: 2015/11/16
    ジャーナル フリー
    常温流通するpH 4.6未満のトマトジュースにおいて,Themoanaerobacterium属芽胞を指標に加熱殺菌条件を算出した結果,121℃,1.5分の加熱処理が必要で,現行の121℃,0.7分は殺菌不足であった.本研究は加熱殺菌条件の緩和を目的に,pHを低く管理することによって,商業的無菌性に及ぼす効果について検討した.トマトジュースのpHを4.4以下に管理できれば,Themoanaerobacterium属芽胞が発育しないため,B.subtilis group芽胞を加熱殺菌指標として,D121℃値は0.12分,z値は11.2℃であり,F121℃値は0.6(D値×5倍)分まで緩和することが可能であった.
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ノート
  • Hiroyuki KOZU, Yuki NAKATA, Mitsutoshi NAKAJIMA, Marcos A. NEVES, Kuni ...
    16 巻 (2015) 2 号 p. 161-166
    公開日: 2015/11/16
    ジャーナル フリー
    This study investigates the effect of the texture of agar gel as a model solid food on gastric digestion using a human Gastric Digestion Simulator (GDS). The GDS, which simulates gastric peristalsis, can investigate physical digestion phenomena such as disintegration of solid foods. Agar gels with different fracture stresses (56 to 219 kPa) and constant fracture stain (29%) were prepared by varying the agar concentration (1.5 to 4.5 wt%). Direct observation demonstrated that agar gel particles initially cut to a 5.0 mm cube gradually reduced in size and broke down into random shapes during simulated gastric peristalsis. The size distribution of the agar gel particles after the digestion experiment was analyzed using the sieving method. The fraction larger than 2.36 mm, which corresponds to the pylorus size, decreased with time: the wet weight ratio of that fraction to the total amount of agar gel particles was 18.0% at 180 min in the case of 1.5 wt% agar gel. The agar gel concentration did not affect the size distribution after 180 min, which shows that fracture strain plays a more important role in agar gel digestion. Our results provide useful information about the relationship between solid food texture and gastric digestion.
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  • Yuki SHA, Utano AIMOTO, Shuji ADACHI
    16 巻 (2015) 2 号 p. 167-170
    公開日: 2015/11/16
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    Adsorption isotherms of hydrophobic substances (methylparaben, coumarin, vanillin, isovanillin, and caffeine) onto a chromatographic organic monolith were measured at 24℃. Adsorption isotherms of coumarin and caffeine were linear and were expressed by the Henry equation. On the other hand, the isotherms of methylparaben, vanillin, and isovanillin were non-linear and could be expressed by combining the Henry and Langmuir equations. Among the adsorbates having almost the same molecular masses, vanillin was adsorbed the most on the organic monolith, and methylparabene followed. The adsorbate hydrophobicity was not a main parameter reflecting the adsorbability, but any specific interaction between the adsorbate and the monolith would play an important role on the absorbability onto the monolith.
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解説:食品新技術研究会
注目しています.その技術!
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