日本医療・病院管理学会誌
Online ISSN : 2185-422X
Print ISSN : 1882-594X
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51 巻, 4 号
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巻頭言
研究論文
  • ── 広域レセプトデータの活用 ──
    落合 英伸, 大坪 徹也, 猪飼 宏, 今中 雄一
    原稿種別: 研究論文
    2014 年 51 巻 4 号 p. 183-191
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/04/21
    ジャーナル フリー
    我が国の抗精神病薬大量処方は,諸外国と比べて頻繁に実施されている。本研究では,広域地域国民健康保険および後期高齢者医療診療報酬データを活用し,外来維持期の統合失調症患者の抗精神病薬大量処方と患者因子,診療行為,受診施設の種類との関連について探索した。大量処方の定義は,患者当たりのクロルプロマジン換算値が1,000 mg/日を超える処方とした。大量処方患者は,全体(n=6,726)の7.9%,施設別では精神科病院13.1%,精神科診療所8.3%,一般病院5.0%,一般診療所2.0%と傾向に違いがみられた。多重ロジスティック回帰分析の結果では,大量処方の調整オッズ比は75歳以上の高齢者で低く,精神科リハビリ利用者の非利用者に対する調整オッズ比は1.89~4.38と高かった。医療政策面では,施設ごとおよび地域における抗精神病薬の実態がモニターできる有用なデータである。
研究資料
  • 芥川 麻衣子, 渡辺 美智子, 髙木 安雄, 前田 正一
    原稿種別: 研究資料
    2014 年 51 巻 4 号 p. 193-201
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/04/21
    ジャーナル フリー
    小児医療では,両親から治療の同意を得るが,患児へも説明をし,了解を得ることが必要である。しかし,その際に患児と何を話し合うか,患児と両親の意向が異なる場合の対応について,一定の見解は得ていない。本研究は,これらの点について実態を明らかにすることを目的とした。質問紙では,説明における配慮事項や提供する情報,患児と両親の意向が異なる事例における治療の意思決定者について設問した。対象は,小児がん拠点病院において小児がんを扱う診療科に所属する常勤医師であり,52人(回収率83.9%)から回答を得た。結果,患児の意思を尊重する場合,結論を迫らないこと。両親の意思を尊重する場合,7歳で配慮事項としてプライバシーへの配慮,共感的な態度で接すること,提供する情報として行為のリスク。医療者の判断とする場合,15歳で配慮事項として威圧的でないこと,提供する情報として,治療による生活や将来への影響を重視する特徴が見られた。
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