目的 医師の診療提供状況に影響を及ぼす勤務状況,ストレス反応,職務満足等との構造を明らかにする。
方法 対象は関東地方を中心に,200床前後以上の病院を便宜的に96病院を選出し,協力が得られた41病院の医師614名に自記式質問紙調査を行った。目的変数は「診療提供状況」,説明変数は「ストレス反応」「職務満足」等とし,構造方程式モデリングを用いて分析した。
結果 「診療提供状況」に最も影響を与えていたのは「職務満足」であり,次いで「キャリアを高められる環境」が「職務満足」を介して間接的にも影響を及ぼしていた。他方,「勤務状況」の負担感は「身体的自覚症状」を高め「職務満足」を低下させていた。
結論 「診療提供状況」の向上には,医師の「職務満足」に注目し「キャリアを高められる環境」を整えることが重要である。そして,「職務満足」を低下させる「身体的な自覚症状」を軽減するためには「勤務状況」のあり方を検討する必要性がある。
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