介護老人保健施設の介護職・看護職を対象として,職場風土良好度尺度の因子構造と職種間の因子不変性を確認することと,職場風土良好度とSense of Coherence, つまりストレス対処力・健康保持の指標との関連を検討することを目的として,無記名自記式質問紙調査を実施し多母集団同時分析を行った。
その結果,職場風土良好度は職種間で等質であり,「役割目標の明確さ」「心理的報酬」「信頼と協力」「自己表出」の4因子に分けて捉えられること,職場風土良好度の4因子が評価指標となること,その得点の持つ意味は職種によらず普遍的であることが明らかになった。また両職種において職場風土良好度が高いほどSense of Coherenceが高いという正の関連性を有すること,またその関連性は職種によらず同量の大きさであることが明らかになった。
ストレス対処の成否にかかわるSense of Coherenceの維持・向上において職場風土の重要性が示唆された。
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