日本医療・病院管理学会誌
Online ISSN : 2185-422X
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56 巻, 3 号
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巻頭言
研究資料
  • 阪口 博政, 渡邊 亮, 荒井 耕
    原稿種別: 研究資料
    2019 年 56 巻 3 号 p. 111-118
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/17
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は,医療機関における原価計算システム利用の現状を把握すること,並びに運用における効果的なデータ活用に向けて影響要因を得ることである。このため,2016年1-2月にDPC/PDPS対象病院(1,580病院)への郵送アンケート調査を実施した。

     結果として,167病院(回収率10.6%)からの回答を得て,部門別計算45.5%/DPC別計算23.3%での実施が確認できた。また,事前期待度/事後活用度については差があり,目的ごとの活用度についてもバラつきが確認できた。加えて,損益分析・予算管理・経営意識向上に対する原価計算の目的意識や医療機関の開設主体が,計算結果の事後活用度に影響を与えていることが確認できた。

     このことから,医療機関における原価計算は十分な実施が見られておらず,目的ごとに活用度への影響が異なることから,目的に適合した構築・運用を検討する必要があることが示唆された。

  • 古田 裕亮, 尾藤 誠司, 山内 慶太, 渡辺 美智子
    原稿種別: 研究資料
    2019 年 56 巻 3 号 p. 119-131
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/17
    ジャーナル フリー

    本邦では,高齢化による肺炎症例の増加と,その入院期間の長期化傾向がある。高齢者では,疾患治癒に加え日常生活動作や食事等の複数の患者状態の変化が入院期間に影響する。本研究では,複数の患者状態データで患者を類型化し経時的推移を分析することで,類型の患者状態像を記述し,退院に向けた状態像の推測パターンを明らかにすることを目的とした。

     電子カルテの2次利用によるコホート研究であり,2016年4月~2017年3月に都内A病院に入院した肺炎症例447人を対象とした。「日常生活動作,認知,食事,肺炎症状」状態を,潜在クラス分析とその推移確率を用いて分析した。

     その結果,退院時の類型間で入院期間が異なり,退院時に食事経口摂取困難な類型で入院期間が長いことが明らかになった。次に,患者状態像の推移パターンの分析から,退院時の経口摂取困難が入院2週時には予測でき,予測した状態像に合わせ有効な介入方法が探索できる可能性が示唆された。

特別講演
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