本研究では,COVID-19状況下における医療従事者のバーンアウトとストレスについて検討することを目的とした。医療従事者280名を対象に調査を実施した。調査は,日本語版バーンアウト尺度,職業性ストレス簡易調査票(2019年・2020年)を用い実施された。
分析の結果,2019年と比較して,2020年で仕事のストレス要因が高いことが明らかとなった。加えて,情緒的消耗が高い場合,身体的不調や心理的不調を呈する可能性が明らかとなった。さらに,2019年と比較して2020年では,情緒的消耗が高い場合に仕事のストレス要因および心身のストレス要因が高いことが明らかとなった。また,心身の不調や日常生活の苦痛,差別や偏見,心身に対する負荷が増大など,COVID-19状況下で生じると仮定できる変化を経験している場合,仕事のストレス要因が高いことが認められた。加えて,ストレス状況は職種により相違がないことが認められた。さらに,情緒的消耗が高い場合,COVID-19に対する不安や葛藤,混乱を呈している可能性が推測された。
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