【目的】 日本の医療資源は地域で偏在している。全国の二次医療圏を地域経済循環構造の特徴で分類し,地域経済循環構造と医療介護専門職の就業パターンを明らかにすることである。
【方法】 対象は全国335の二次医療圏である。環境省提供の「地域経済循環分析ツール」を用いて財政移転と保健衛生での雇用に依存している地域とその他地域における,医療介護専門職の就業特性を比較した。
【結果】 両地域において,人口あたりの病院医師数,診療所・介護施設に勤務する看護師数や療法士数に有意な違いはなかった。一方,財政移転・保健衛生雇用依存地域(167地域)では,その他地域と比較して病院看護師数と訪問サービス介護職員数は多いものの,診療所医師数,訪問看護ステーション看護師数および薬剤師数が少なかった。
【結論】 医療サービスが地域の主要な雇用を担っている地域では,専門職が病院に偏在しているという配置バランスの課題を示唆していた。
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