日本医療・病院管理学会誌
Online ISSN : 2185-422X
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60 巻, 3 号
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巻頭言
研究論文
  • 尾形 倫明, 伊藤 道哉, 佐原 あきほ, 山崎 清, 伊藤 弘人
    2023 年 60 巻 3 号 p. 86-94
    発行日: 2023/07/31
    公開日: 2023/12/15
    ジャーナル フリー

    【目的】 日本の医療資源は地域で偏在している。全国の二次医療圏を地域経済循環構造の特徴で分類し,地域経済循環構造と医療介護専門職の就業パターンを明らかにすることである。

    【方法】 対象は全国335の二次医療圏である。環境省提供の「地域経済循環分析ツール」を用いて財政移転と保健衛生での雇用に依存している地域とその他地域における,医療介護専門職の就業特性を比較した。

    【結果】 両地域において,人口あたりの病院医師数,診療所・介護施設に勤務する看護師数や療法士数に有意な違いはなかった。一方,財政移転・保健衛生雇用依存地域(167地域)では,その他地域と比較して病院看護師数と訪問サービス介護職員数は多いものの,診療所医師数,訪問看護ステーション看護師数および薬剤師数が少なかった。

    【結論】 医療サービスが地域の主要な雇用を担っている地域では,専門職が病院に偏在しているという配置バランスの課題を示唆していた。

研究資料
  • 田村 桂一, 荒井 耕
    2023 年 60 巻 3 号 p. 95-103
    発行日: 2023/07/31
    公開日: 2023/12/15
    ジャーナル フリー

    病院建築の知見やノウハウの蓄積の状況について,病院に対するアンケート調査及びインタビュー調査により明らかにした。アンケート調査の結果からは,病院建築を行う病院のうち8割では,病院建築に関する知見やノウハウを明文化した文書は整備されておらず,病院建築以前に知見やノウハウの蓄積が行われていないことが分かった。また,病院建築の当時の担当者が10年程度経つと,3割ほどの病院で在籍しておらず,人的にも知見の蓄積が難しいことが分かった。したがって,病院建築の際に有用な情報を得ようとするならば,外部から収集する必要があると考えられる。インタビュー調査の結果からは,外部からの情報収集手段としては,他の病院の視察,病院建築プロジェクトチームへの建築系人材や病院建築研究者の参加,建築事業者からの情報提供が一般的であった。中でも,他の病院の視察が外部からの情報収集手段として最も多く挙げられていた。

編集後記
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