日本医療・病院管理学会誌
Online ISSN : 2185-422X
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53 巻 , 4 号
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巻頭言
研究論文
  • 安井 みどり, 前田 俊樹, 原野 由美, 馬場園 明
    原稿種別: 研究論文
    2016 年 53 巻 4 号 p. 207-216
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/12/10
    ジャーナル フリー

    わが国の後期高齢者医療費の地域差は大きい。地域差は厚生損失を生じさせうるものであることから是正が各種政策により試みられている。とりわけ入院医療費の医療費地域差への寄与は大きく重要な診療項目である。入院医療費の地域差の要因に関する分析は蓄積しているものの,病床種別に行った研究はない。そこで本研究は,後期高齢者の入院医療費の地域差に医療費要素が与える影響を病床別に明らかにすることを目的とした。

    地域差の所在については変動係数および最大最小比を求め,各要因の入院医療費地域差の説明力についてはマルチレベル分析を用い,Proportional changes in varianceにより評価を行った。調査に当たって使用したデータは,福岡県後期高齢者医療広域連合に請求されたレセプトデータおよび被保険者管理マスタである。なお,調査期間は平成22年度から平成26年度の5年間とした。

    入院受診率の地域差は精神病床および療養病床において相対的に大きかった。いずれの病床における入院医療費の地域差も,受診率が8割程度説明することが明らかとなった。入院日数と1日あたり入院医療費については,療養病床および精神病床の地域差においては入院日数,DPC払い適用病床においては1日あたり入院医療費がよりよく説明するという異なる結果が認められた。

研究資料
  • 鳥羽 三佳代, 森脇 睦子, 佐瀬 裕子, 尾林 聡, 伏見 清秀
    原稿種別: 研究資料
    2016 年 53 巻 4 号 p. 217-225
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/12/10
    ジャーナル フリー

    【緒言】診療実態に即した内部監査実現のため,診療報酬情報を用いた中心静脈カテーテル挿入に伴う重症気胸事例の検出法開発を試みた。【方法】EFファイル情報から中心静脈カテーテル挿入と持続的胸腔ドレナージが算定されている症例を抽出後,入院後発生疾患名で検出する第1法,レセプト病名で検出する第2法,診療録調査から検出する第3法,EFファイルによる抽出は行わずレセプト病名のみから検出する第4法の感度を比較した。【結果】それぞれの検出法の検出数と感度は15.4%,42.3%,69.2%,53.8%,中心静脈カテーテル挿入に伴う重症気胸事例発生率0.8%,インシデントレポート提出率は61.5%であった。【結論】診療報酬情報を用いた有害事象検出は,入力精度により感度が左右される,対象事象に制限がある,などの課題はあるが,診療録調査を併用することでインシデントレポートでは収集できなかった事象が検出できた。

  • 千葉 宏毅, 伊藤 道哉, 池崎 澄江, 伊藤 弘人, 日本医療 ・ 病院管理学会 学術情報委員会
    原稿種別: 研究資料
    2016 年 53 巻 4 号 p. 227-237
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/12/10
    ジャーナル フリー

    目的:日本医療・病院管理学会の学術用語選定の基礎資料とするために,過去10年間に用いられた学術的用語と付帯情報を客観的に分析し,傾向を把握することが本研究の目的である。

    方法:学会誌で2005年1月から2014年12月に公開された学術用語を計量テキスト分析し,種別,年別に用語の出現数を比較した。またクラスター化によって得た用語のグループ(分野)を多重対応分析した。

    結果:看護,システム,管理の3語は,複数の指定順にまたがる中心的なキーワードであった。2010-14年ではDPCやレセプトのビッグデータの活用,在宅医療や訪問看護,分析に基づく経営,外国人の受療対応に関連する用語が2005-09年より多く出現する傾向があった。

    考察:種別および年別によって使用される学術用語の変化や特徴は,わが国の情勢にも関連すると推測できることから,新たな用語選定や分類,解説の必要性を示唆するものである。

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