情報通信学会誌
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33 巻, 2 号
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論文
  • ゲームジャンルと利用動機を中心にした考察
    井口 貴紀
    2015 年 33 巻 2 号 p. 41-51
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/22
    ジャーナル フリー
    現代日本ではゲームが社会に浸透していて、代表的な娯楽メディアとなっている。これまでのゲーム研究はメディア研究において暴力表現が強調されたゲームで遊ぶことによる人への悪影響や、教育ゲームで遊ぶことによる人への教育効果など伝統的な効果研究を中心に行われている。加えて現代のゲームジャンルは多様化しているけれどもゲームジャンルの研究も効果研究が中心である。そこで本研究ではユーザー側の利用動機と好きなゲームジャンルに焦点を当てて、大学生1503名の量的調査とインタビューによる質的調査を行った。調査の結果、好きなゲームジャンルによって利用動機が異なることと、利用動機の高いジャンル群と低いジャンル群が存在してそれによってゲームのプレイ時間や費やした金額が異なっていた。
  • 山口 真一
    2015 年 33 巻 2 号 p. 53-65
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/22
    ジャーナル フリー
    本稿では、近年多く発生している炎上の実態と、炎上に加担している人の属性について、実証分析によって以下6つの仮説検証を行う。①炎上件数は近年増加している。②企業に関連する炎上が多く発生している。③炎上加担者は少ない。④炎上加担者はインターネットヘビーユーザである。⑤炎上加担者は年収が少ない。⑥炎上加担者はインターネット上で非難しあって良いと考えている。
    まず、記述統計量分析の結果、仮説①-③はいずれも支持された。つまり、近年多く炎上が発生しており、心理的・金銭的被害が出ているが、実際に炎上に加担している人は非常に少なく、具体的には約1.5%であった。また、2011年-2014年にかけての炎上件数は、いずれも年間200件程度であった。次に、計量経済学的分析の結果、炎上加担行動に対して、「男性」「年収」「子持ち」「インターネット上でいやな思いをしたことがある」「インターネット上では非難しあって良いと思う」等の変数が有意に正の影響を与えていた一方、「学歴」や「インターネット利用時間」等の変数は有意な影響を与えていなかった。このことから、仮説⑥は支持された一方で、④、⑤は棄却され、炎上加担者は社会的弱者、バカ等としている先行研究と実態が乖離していることが確認された。
寄稿論文
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