本研究では、「真のスマホ・ネイティブ世代」にあたる乳幼児・児童(0歳~12歳)のメディア利用動向を明らかにする目的で定量・定性調査を行った。研究の背景には、幼少期や多感な時期におけるメディア体験は、成長した後のメディア利用行動に少なからぬ影響を及ぼし、その世代を特徴づけうるという問題意識がある。子どもたちは幼少よりスマートフォンで YouTube などを視聴し、デジタル由来の UI にも馴染んでいる。テレビ受像機の利用率は高いが、テレビはテレビ番組視聴という従来の用途に加え、ネット動画視聴のためのモニター的な使われ方もしている。映像メディア接触においては、テレビ番組のリアルタイム視聴と YouTube/YouTube Kids 視聴が二強である。スマートフォンやテレビの利用時間量、テレビでのネット動画視聴に影響を及ぼす要因として母親のメディア利用行動がある。子どものメディア利用動向を理解するためには親世代の理解も欠かせない。
本研究は、災害時における X(Twitter)に投稿された情報の、迅速かつ効果的な情報共有を実現するための基盤を提供することを目指している。膨大な情報の中から重要な情報を効率的に抽出することが求められている。しかし、災害時における SNS を利用した情報収集では、信頼性を担保しつつ、特に救助要請ツイートの取りこぼしをしないことが大きな課題となる。信頼性を担保するためには、人手による判断を行うほかなく、計算機科学の分野で広く行われているようなテキストマイニングによるピンポイントな情報抽出では重要な情報の取りこぼしが発生する懸念がある。そこで本研究は、ノイズとなる情報のみを除去することで、重要な情報を取りこぼすことなく残し、その後残った情報を人手で精査するという、人と計算機の協調による情報収集を試みる。このアプローチを用いることで、人手による検証コストを軽減しつつ取りこぼしのない情報抽出が可能になると期待される。本稿では、実際に残すべき情報とノイズとなる情報の整理を、投稿画像と投稿文章の両方の観点から行った。その結果、人的判断の必要性が高い情報として、機械的に収集した投稿のうち0.564% の投稿まで絞り込むことが可能であることを確認した。
現在、我が国では行政手続のオンライン化が推進されているが、そのために実施されている施策の効果を分析した上で効率的かつ効果的に取り組むことが重要であるため、各地方自治体における行政手続のオンライン利用の状況と、実施されている行政手続のオンライン利用を促進する施策(オンライン利用促進施策)を対応させ、差の差分析の手法により因果効果の分析を行った。分析の結果、「図書館の図書貸出予約等」、「文化・スポーツ施設等の利用予約」、「研修・講習・各種イベント等の申込」、「地方税申告手続(eLTAX)」の4つの行政手続について、オンライン利用促進施策のうち、「携帯電話から利用できるサービスの提供」や「24時間365日のサービスの提供」など行政手続をオンラインで行いやすくする環境整備のほか、「手続の簡素化、様式や手順の共通化」や「利用方法の簡素化」など行政手続のオンライン利用の簡素化に取り組むことが重要と考えられる。
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