情報通信学会誌
Online ISSN : 2186-3083
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31 巻, 4 号
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論文
  • ―個人情報の開示とネットワークの同質性を中心に―
    石井 健一
    2014 年31 巻4 号 p. 39-50
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/04/28
    ジャーナル フリー
    日本、米国、台湾の三カ国でアンケート調査を実施し、フェイスブックの利用状況を比較した。その結果、日本では他の二カ国と比べると、フェイスブック上の友だちの数が3分の1しかないこと、ネットワークの同質性が高いこと、オフラインの知り合いの比率が高いことが確認された。また、日本人は個人の特定化につながる個人情報の開示について開示度が低いことが分かった。さらに、日本のみでネットワークの同質性やオフラインの友人数と個人情報の開示度との間に正の相関関係が見られるなど、日本人のフェイスブック上の友だちの形成プロセスは他の二カ国と異なり、オフラインの同質的な関係により強く依存していることが示唆された。
論説
  • 小寺 敦之
    2014 年31 巻4 号 p. 51-59
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/04/28
    ジャーナル フリー
    本稿は、その定義や指標に焦点を当てながら、日本国内における「インターネット依存」に関する調査研究のメタ分析を行うものである。
    CiNiiやNDL-OPACから「インターネット依存」や「携帯電話依存」についての実証的研究を行った論文53編を抽出して分析したところ、海外の状況と同様にその定義や用語の使い方が曖昧であることが明らかになった。また、指標については、DSM-IVを転用したYoung(1996, 1998)の尺度を基盤にするものに加え、自由回答から作られた項目で構成される尺度が開発されているという独自性が見られた。サンプルや因果関係の仮定に偏りがあることも問題点として挙げられた。
    日本でも「インターネット依存」の概念検討は不充分な状況にあり、言葉のみが拡散している可能性がある。本稿では、このような状況で「インターネット依存」に対する対策が採られることには注意が必要であると主張している。
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