Medical Imaging Technology
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29 巻, 1 号
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特集/臨床画像工学研究の未来を担う診療放射線技師
  • 藤田 広志
    2011 年 29 巻 1 号 p. 1
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/02/03
    ジャーナル フリー
  • 井手口 忠光, 東田 善治
    2011 年 29 巻 1 号 p. 2-9
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/02/03
    ジャーナル フリー
    本研究では,乳房X線撮影を目的として2種類のCRシステム(ピクセルサイズ50μmの両面読取と100μmの片面読取)とフルデジタルマンモグラフィ(FFDM)の画質評価を行った.画質評価は,物理評価と視覚評価を用いて行い,これらの結果から問題点を明らかにした.物理評価の中でFFDMシステムのMTFは,増感紙-フィルム系に比べると低い値を示したが,2種類のCRシステムに比べて優れた特性を示した.また,3種類のデジタルシステムの中で,FFDMシステムのWSは,もっとも優れた特性を示し,両面読取CRシステムは,片面システムに比べて改善していた.C-Dファントムを用いた視覚評価では,同一線量で撮影したFFDMシステムおよび,50μmの両面読取CRシステムの信号検出能は,増感紙-フィルム系に比べ同等以上の検出能を示した.100μmの片面読取CRで撮影した石灰化を含む10症例の臨床画像の観察では,石灰化の形状認識が悪くなることが確認された.
  • 西丸 英治, 市川 勝弘
    2011 年 29 巻 1 号 p. 10-16
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/02/03
    ジャーナル フリー
    本稿では,小児体幹部CT画像に適応可能な新しいノイズ低減フィルタアルゴリズムと頭部CT検査における撮影角度,撮影範囲を位置決め画像から自動で検出する手法を提案した.空間フィルタのアルゴリズムは,多方向に細分化した一次元のメディアン処理を基本とする三次元処理を行った.その結果,元画像の空間分解能に影響せず,SD値は約30%改善した.また,門脈分枝を用いた視覚評価では,本手法によって門脈の視認性が有意に改善した(p = 0.042).頭部CT検査における自動検出の手法は,撮影角度の検出にはハフ変換,撮影終了位置の検出には相互相関法を使用した.30症例の撮影角度の検出結果は真値との差が1.0±0.7度であった.また,診療放射線技師による視覚評価では93%の試料画像で本手法による解析結果を検査に実用することが許容可能であった.これらの研究は,CT画像における画質改善や撮影線量の低減および機器オペレーション支援に有効になり得ると考える.
  • 高橋 規之, 李 鎔範, 蔡 篤儀, 木下 俊文, 石井 清
    2011 年 29 巻 1 号 p. 17-22
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/02/03
    ジャーナル フリー
    本論文では,単純CT画像における急性期脳梗塞の脳実質低吸収域の描出を目的としたZスコアマッピング法を紹介する.本手法は,ボクセル統計解析に基づき,入力画像の脳形態の標準化を行い,正常脳データベースを用いてボクセルごとにZスコア値を求め,低吸収域を視覚化する.急性期脳梗塞の患者21人に本手法を適用し,Zスコアを入力値として低吸収領域と正常領域のROC曲線を求めた結果,AUC値は0.834となり,本手法が低吸収域を視覚化できることが示された.さらに,神経放射線診断医による観察者実験を行った結果,画像診断時にZスコアマップを参考にすることによって低吸収域検出に関するAUC値が0.883から0.925に向上した.したがって,単純CT画像における急性期脳梗塞の低吸収領域の検出に関して,本手法が放射線科医の読影診断能力の向上に寄与できることが明確に示された.
  • 林 則夫, 真田 茂, 宮地 利明, 菊知 充, 三邉 義雄, 松井 修
    2011 年 29 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/02/03
    ジャーナル フリー
    頭部Magnetic Resonance Imaging(MRI)検査における撮像方法,画質評価および定量評価法を開発した.定量解析のためには,最適な撮像シーケンスと適した画質のMR画像の取得が重要である.その指標となるsignal-to-noise raito(SNR)もParallel Imaging(PI)の併用により,正しい測定法を用いなければならない.われわれは,改善した同一ROI法を用いて,PIを用いた臨床MR画像からSNRを測定する方法を開発した.画像のSNRより,画質の特性を把握して,画像のテクスチャ情報や解剖学的情報を用いて,脳領域,脳脊髄領域,小脳脳幹部および側頭葉を半自動的に定量評価する方法を開発した.この方法により簡便に目的とする領域の体積を定量評価できる.本稿では,頭部MR画像を対象とした画質評価法から定量解析法について報告した.
  • 今江 禄一, 関野 正樹, 篠原 広行
    2011 年 29 巻 1 号 p. 29-35
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/02/03
    ジャーナル フリー
    拡散MRIは,測定対象物に含まれる水分子の拡散を反映した画像を得ることができる.これまでの臨床および研究では,主に生体内水分子の実効的な拡散係数に着目されていたが,近年の研究では実効的な拡散係数に影響を与えるさまざまな要素について解析し,活用することが期待されている.本稿では,有限差分法による数値解析を用いて,細胞内拡散係数や細胞膜透過率が拡散MRI信号に対してどのような影響を与えるか,また,数値計算の応用の1つとして健常ラットおよびヒトの脳の細胞内拡散係数と細胞膜透過率を推定する方法を解説する.推定されたラットおよびヒトの細胞内拡散係数はそれぞれ (0.9±0.4) ×10-3mm2/s,(1.2±0.2) ×10-3mm2/s,細胞膜透過率はそれぞれ68±6 μm/s,80±13 μm/sであった.本法は,非侵襲的に細胞内拡散係数および細胞膜透過率を推定可能であり,新たな細胞の機能的イメージングの要素になりうる.
研究論文
  • 平井 克広, 金澤 靖, 佐川 立昌, 八木 康史
    2011 年 29 巻 1 号 p. 36-46
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/02/03
    ジャーナル フリー
    本論文では,腸管の3次元構造を復元するために,内視鏡カメラなどで撮影した動画像から,フレーム画像間の対応づけを行う方法を提案する.複数画像から3次元構造を復元するためには,画像間の対応を決定することが重要である.通常の画像のための特徴点検出法の多くは画像内で濃淡変化の顕著な箇所を検出するため,腸管などの画像においては,たとえばハレーションを起こした場所など,その構造とは無関係な場所に特徴点を検出してしまう.そこで,腸管画像において,まず腸管の構造の復元に適した襞部分を強調し,その襞の上の特徴点を検出する方法を提案する.さらに,そのような特徴点に適した特徴量とその対応づけ法を提案する.そして,実画像を用いた対応づけ実験および3次元復元実験により,提案法の有効性を示す.
講 座
研究室訪問
日本医用画像工学会
編集後記
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