概要 前号に続いて、
RISM-SCF 法を解説する。
RISM 理論においては、分子を相互作用点の集合とみなすので、
QM の溶質と溶媒分子も点電荷間のクーロンポテンシャルで相互作用することになる。従って、アニオン性のサイトなど、電子密度が空間的に拡がっている場所では、溶質‐溶媒相互作用が過大評価される可能性がある。
RISM-SCF 法において溶質の電荷の拡がりを考慮する方法を紹介する。また、溶媒和自由エネルギーを溶質周りの溶媒の空間分布関数によって定式化する。さらに、空間分布関数に基づく溶液論の問題点を回避するために、溶質
—溶媒間の相互作用ポテンシャルの分布関数を新規な変数として導入する。
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