アンサンブル
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14 巻, 1 号
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学術賞受賞寄稿
特集「電子状態理論を核とする新しいハイブリッド型分子理論の展開」
最近の研究から
連載
  • (14) —凝縮系の第一原理計算の方法論について—
    高橋 英明
    2012 年 14 巻 1 号 p. 47-50
    発行日: 2012/01/31
    公開日: 2013/01/31
    ジャーナル フリー
    概要 前号に続いて、RISM-SCF 法を解説する。RISM 理論においては、分子を相互作用点の集合とみなすので、QM の溶質と溶媒分子も点電荷間のクーロンポテンシャルで相互作用することになる。従って、アニオン性のサイトなど、電子密度が空間的に拡がっている場所では、溶質‐溶媒相互作用が過大評価される可能性がある。RISM-SCF 法において溶質の電荷の拡がりを考慮する方法を紹介する。また、溶媒和自由エネルギーを溶質周りの溶媒の空間分布関数によって定式化する。さらに、空間分布関数に基づく溶液論の問題点を回避するために、溶質溶媒間の相互作用ポテンシャルの分布関数を新規な変数として導入する。
  • 4:分子集合体の形態変化の自由エネルギー解析
    篠田 渉
    2012 年 14 巻 1 号 p. 51-55
    発行日: 2012/01/31
    公開日: 2013/01/31
    ジャーナル フリー
    粗視化分子モデルを用いた分子シミュレーションにより様々な分子の自己組織化過程を直接観測できるようになるが、生じた自己組織化構造はしばしば準安定の場合もあり、構造の安定性の議論は重要な課題である。本稿ではリン脂質分子の自己組織化構造である脂質膜の形態変化(ベシクルからバイセルへの転移)の自由エネルギー解析を紹介する。得られた自由エネルギー障壁は、連続体弾性理論から予測されたものよりもずっと低いことがわかった。これは連続体理論では脂質膜内部の構造緩和を考慮していないためである。分子シミュレーションから連続体理論で用いられるすべてのパラメータを決定し、自由エネルギーを理論と定量的に比較することで、理論の修正の指針を与えることができるものと考えられる。
博士論文紹介
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