非平衡定常状態において,測定量で閉じた新しい関係式の導出を,ランジュバンモデルを用いて行った結果について紹介する.系に外場ポテンシャルを用いた摂動(力学的応答)と、系に接している熱浴の温度を変化させる摂動(熱的応答)を同時に加えた時のランジュバン粒子の速度,熱流についての応答関数に注目する.平衡状態では速度の熱的応答関数と熱流の力学的応答関数の間に等号が成立するが,非平衡定常状態では,「速度の熱的摂動に対する揺動応答関係式の破れ」と「熱流の力学的摂動に対する揺動応答関係式の破れ」の間に等号が成立することを導出した.
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