アンサンブル
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23 巻, 1 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
学術賞受賞寄稿
特集「水と氷」
最近の研究から
  • 浦長瀬 正幸, 尾形 修司
    2021 年 23 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 2021/01/31
    公開日: 2022/05/14
    ジャーナル フリー

    概要 接着は容易かつ軽量に異種材料を接合できる技術として産業界を含めて大きな注目を集めており,その技術の更なる進展のために計算機シミュレーションの活用が期待されている.接着力の精密な評価は分子シミュレーションに期待される役割の一つであり,特に高分子が修飾された表面のように複雑な形状を有する固体表面が関与する接着への適用は実用面でも大きな意味を有する.本解説では熱力学積分法に基づいて高分子修飾表面-液体間の接着力を評価するために新たに開発した手法について紹介する.

  • 永井 佑紀
    2021 年 23 巻 1 号 p. 31-39
    発行日: 2021/01/31
    公開日: 2022/05/14
    ジャーナル フリー

    自己学習ハイブリッドモンテカルロ法(Self-learning Hybrid Monte Carlo Method (SLHMC))法とは, 「第一原理分子動力学法と同じ精度が保証された」機械学習分子シミュレーションである. この手法について解説を行う. 第一原理分子動力学法(密度汎関数理論によって計算されたポテンシャルを用いる手法)は計算コストが高いために, 最近では機械学習分子動力学法が使われ始めてきている. この手法は広く用いられてきているが, 実行される結果の精度が用いた人工ニューラルネットワークの質に左右されるために, どのくらいのデータを学習すればよいのか, どこまで学習すれば十分な精度が得られるのか, 等を判断することが難しい. また, 第一原理分子動力学計算では計算が難しいより大きな系に機械学習分子動力学法を用いる場合, そもそもその領域で正しい結果となっているのか, 注意深く調べなければならない. 本原稿では, 機械学習分子動力学法の概略と問題点について述べたあと, これらの問題を解決するために,SLHMC 法の紹介を行う.

連載
  • 原子間・分子間相互作用 その5
    三上 益弘
    2021 年 23 巻 1 号 p. 40-44
    発行日: 2021/01/31
    公開日: 2022/05/14
    ジャーナル フリー

    前々回からは,分子シミュレーションを適用する原子集合体又は分子集合体の原子間・分子間相互作用のポテンシャル関数について説明している.特に,前回は階層的相互作用モデルのうち粒子レベルの相互作用ポテンシャル関数の種類と適用対象の物質について述べた.今回は,原子間・分子間相互作用のまとめとして原子レベルモデルの課題の整理し,それを解決するかも知れない最近提案された理論・フレームワークについて紹介する.

ソフトウェア紹介
博士論文紹介
  • 谷本 勝一
    2021 年 23 巻 1 号 p. 49-54
    発行日: 2021/01/31
    公開日: 2022/05/14
    ジャーナル フリー

    本稿では,著者が博士後期課程在学中に執筆した博士論文の第3 章「RISM 法により計算された溶媒和自由エネルギーに対する分子配向相関の影響」について紹介する.溶液内で起こる様々な生体内過程を議論する際に最も重要な熱力学量の一つが溶媒和自由エネルギーである.液体の統計力学に基づいた理論である1D RISM 法及びその三次元拡張版である3D-RISM 法は種々の近似の下で溶媒和自由エネルギーの解析的な計算式を与えるため,分子シミュレーションと比較して低コストで溶媒和自由エネルギーを計算できるが,その絶対値の定量性に問題があることが知られている.この計算精度に関する問題の一因としてこれらの手法の定式化の際に適用されている,相互作用点モデルの導入による分子配向の平均化の近似が挙げられる.本研究では,この近似に対する補正法として提案されているrepulsive bridge correction (RBC)及び部分波展開(PW) 法を用いて分子配向の取り込みが1D-RISM 及び3D-RISM 法の計算精度に及ぼす影響を系統的に評価した.

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