アンサンブル
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13 巻, 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
連載
  • (13) 凝縮系の第一原理計算の方法論について
    高橋 英明
    2011 年 13 巻 4 号 p. 157-160
    発行日: 2011/10/31
    公開日: 2012/10/31
    ジャーナル フリー
    溶液中の化学反応の自由エネルギー変化を効率よく計算する為の方法論として、前号に続いて RISM-SCF 法を紹介する。この方法では、溶質の周りの溶媒分子の分布関数から溶質に対する反応場を構築し、これを溶質の量子化学計算と結合させる。より具体的には、溶質や溶媒を相互作用点(サイト)の集合とみなして、サイトーサイト間の動径分布関数のセットから電子に対する溶媒の静電場を構築し、溶媒の動径分布関数と溶質の電子状態がセルフコンシステントになるまで繰り返し計算を実行する。本号では RISM-SCF 法の手続きを概説し、その利点と欠点を考察する。
最近の研究から
博士論文紹介
  • 小谷野 哲之
    2011 年 13 巻 4 号 p. 167-170
    発行日: 2011/10/31
    公開日: 2012/10/31
    ジャーナル フリー
    量子力学的/分子力学的分子動力学 (QM/MM-MD) 法と自由エネルギー勾配 (FEG) 法とを併用して,水溶液中アンモニアイオン化過程の反応機構を調査した.溶質内及び溶質-溶媒間における相互作用を正確に記述するため,QM 溶質分子対に対して新たな半経験的分子軌道法(NDDO-MAIS-SSRP ) を適用し,QM/MM 間非静電相互作用項において最適化 Lennard-Jones パラメータを反応座標に応じて内挿して用いた.結果として,溶質分子対の振動運動と移動プロトンの量子トンネル効果とを考慮すれば,活性化及び反応自由エネルギーはそれぞれ13.8 kcal/mol 9.8 kcal/mol と見積もられ,実験値と良い対応を示すことが判った.
  • 大森 聡
    2011 年 13 巻 4 号 p. 171-173
    発行日: 2011/10/31
    公開日: 2012/10/31
    ジャーナル フリー
    蛋白質の運動は,主に主鎖二面角の変化によってもたらされる.しかし,これまで蛋白質の構造揺らぎにおける二面角の共同的な運動の仕組みはよくわかっていなかった.本研究では,二面角間の二体相関のみで構造揺らぎを記述できる二面角系分散共分散行列を開発した.この行列を応答関数として用いた二面角系線形応答理論により,リガンド結合に伴う蛋白質構造変化を従来より高い精度で予測することが出来た.
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