界面における電荷移動は様々な分野で重要であるが実験的に観測する手法が限られていることもあり,分子レベルでの構造や反応メカニズムが未解明である場合が多い.そのような場合にシミュレーションは有用であるが,実験と直接比較するためには界面電荷移動を化学精度(1 kcal/mol程度の精度)で解析可能なシミュレーション手法が必要である.本稿ではまず,界面におけるプロトン移動を解析するため のドナー・アクセプター間距離とconstrained density functional theory (CDFT法)による酸解離定数( pKa)の計算方法を紹介する.アモルファスシリカ・水界面において計算された表面シラノール基の pKaが実験を高精度で再現することを示し,脱プロトン化メカニズムを明らかにする.続いて,酸化チタン光触媒で特に重要となるポーラロンホール移動にCDFT法を応用し,実験で観測された光触媒活性の面依存性を解明した例を紹介する.