アンサンブル
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24 巻, 3 号
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特集「界面」
  • 石山 達也
    2022 年 24 巻 3 号 p. 139
    発行日: 2022/07/31
    公開日: 2023/08/07
    ジャーナル フリー
  • 山口 康隆
    2022 年 24 巻 3 号 p. 140-145
    発行日: 2022/07/31
    公開日: 2023/08/07
    ジャーナル フリー

    固気液各々の界面が交わる接触線の挙動を含む濡れは, 我々の日常にきわめて密接に関わる現象であるにもかかわらず, その解釈が非常に難しい. 本稿では, ミクロにみた界面と界面張力の力学的, 熱力学的な描像, および, 各々に基づいて, 分子シミュレーションにより界面張力を算出する方法の基礎的な部分について, 概要を述べる.

  • 城塚 達也
    2022 年 24 巻 3 号 p. 146-151
    発行日: 2022/07/31
    公開日: 2023/08/07
    ジャーナル フリー

    界面における電荷移動は様々な分野で重要であるが実験的に観測する手法が限られていることもあり,分子レベルでの構造や反応メカニズムが未解明である場合が多い.そのような場合にシミュレーションは有用であるが,実験と直接比較するためには界面電荷移動を化学精度(1 kcal/mol程度の精度)で解析可能なシミュレーション手法が必要である.本稿ではまず,界面におけるプロトン移動を解析するため のドナー・アクセプター間距離とconstrained density functional theory (CDFT法)による酸解離定数( pKa)の計算方法を紹介する.アモルファスシリカ・水界面において計算された表面シラノール基の pKaが実験を高精度で再現することを示し,脱プロトン化メカニズムを明らかにする.続いて,酸化チタン光触媒で特に重要となるポーラロンホール移動にCDFT法を応用し,実験で観測された光触媒活性の面依存性を解明した例を紹介する.

  • 石井 良樹
    2022 年 24 巻 3 号 p. 152-159
    発行日: 2022/07/31
    公開日: 2023/08/07
    ジャーナル フリー

    イオン液体の 一部を大きな疎水基で置換すると,疎水基が自己 組織化 した液晶相を発現する.このような自己組織化 液晶 には,イオン性の官能基によるナノチャネルの高次構造 が隠されており,このナノチャネルは水分子やイオンを効率的に輸送する性質をもつことが知られている.筆者らはこの自己組織化イオン液晶のナノチャネル界面を,凝縮系のDFT計算から分子モデリングするとともに,その分子力場を用いた大規模MDシミュレーションから ナノチャネルを拡散する水分子のダイナミクスを解析した.これにより水分子はナノ チャネルの内側で高い安定性を示し,水素結合ネットワークを形成するほどナノチャネル界面に沿った拡散性が活性化 すること,また3次元ナノチャネルに比べると 1次元ナノチャネルの方が水分子の拡散・溶解性が高いこと を明らかにした.

  • 永井 哲郎, 岡崎 進
    2022 年 24 巻 3 号 p. 160-166
    発行日: 2022/07/31
    公開日: 2023/08/07
    ジャーナル フリー

    燃料電池内部で利用される高分子電解質膜であるナフィオン膜は,ミクロ相分離を生じ高分子相・水相・界面 をもつ三次元的に複雑な不均一系を 形成 している.この不均一な 高分子電解質膜には燃料電池の反応物であるガスを分離する役割があり,ガス透過は燃料電池の性能を劣化させる.そのためガスの透過を防ぐ高分子電解質膜の分子設計が重要となるが,その基礎となるガス透過のミクロスコピックな 機構は理解されていない.そこで我々は,新しい手法論を展開し応用することにより,ナフィオン膜におけるガス透過の機構を解明している.具体的には,ガスの三次元自由エネルギー地形と位置に依存した拡散係数を求め,これらの物理量を利用し動的モンテカルロ法による粗視化ダイナミクスを構築することで,ガスの輸送の機構を解明しようとしている.本稿ではこの新しい手法論と最近の研究成果を紹介する.

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