アンサンブル

学術賞受賞寄稿

分子動力学計算による自己組織化分子集合体の物性に関する研究および高並列汎用分子動力学計算ソフトウェアMODYLASの開発

安藤嘉倫

2018 年 20 巻 1 号 p. 1-6
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.1

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

本項では平成29年度分子シミュレーション研究会学術賞受賞にあたり，受賞理由であるこれまでの自らの行ってきた界面に形成される自己組織化分子集合体の物性についての分子動力学 (MD)シミュレーションによる研究，および大規模系をMDシミュレーションで扱うために進めてきた高並列汎用分子動力学計算ソフトウェアMODYLASの開発の概要を説明させていただきます．

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (1197K)

特集

特集「DFTB」にあたって

中井浩巳

2018 年 20 巻 1 号 p. 7
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.7

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (202K)
Perspective on Density-Functional Tight-Binding Parameterization towards Transition Metals

周建斌, 中井浩巳

2018 年 20 巻 1 号 p. 8-17
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.8

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

In this paper, we introduce the parameterization process, approaches, and tools for the density-functional tight-binding (DFTB) method. We present general considerations and strategies towards transition-metal elements along with an example of the DFTB parameterization for the Pd element that is transferrable from clusters and surfaces to bulk systems. We believe that it will provide some insights for further parameterization works in the future.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (950K)
分割統治型密度汎関数強束縛（DC-DFTB）法に対する最近の開発と応用

西村好史, 中井浩巳

2018 年 20 巻 1 号 p. 18-23
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.18

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

分割統治型密度汎関数強束縛DC-DFTB法は，低計算コストで大規模系の量子化学計算を実現する手法の一つである．筆者らは，数百万原子の超並列計算に対応するDC-DFTBプログラムの開発を進めるとともに，DC-DFTB法がナノスケール系の化学反応ダイナミクスに威力を発揮することを示してきた．本稿では，DC-DFTBプログラムをさらに高度化する取り組みと凝縮系に対する最近の研究例を示す．

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (978K)
DFTB法のナノ・バイオ分子動力学への応用

菅野学, 花崎浩太, 山崎馨, Niehaus Thomas A., 河野裕彦

2018 年 20 巻 1 号 p. 24-32
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.24

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

計算負荷が低く，大規模系に適用できる密度汎関数強束縛（Density-functional-based tight-binding; DFTB）法とその動力学法を概説する．C₆₀の近赤外励起や解離，結晶性分子ジャイロスコープの回転子ダイナミクスなどへの応用例を紹介し，DFTB動力学法が大規模ナノ・バイオ系のフェムトからナノ秒の反応動力学まで適用できる動力学法であることを示す．DNAの紫外線損傷で現れるチミン二量体の吸収スペクトルを線形応答TDDFTBで計算した結果なども示し，TDDFTBの有効性と励起状態動力学への応用について概観する．

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (679K)

最近の研究から

POLI2VS水モデルと和周波発生分光シミュレーション：今までの成功と未解決の問題

長谷川太祐, 永田勇樹

2018 年 20 巻 1 号 p. 33-39
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.33

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

分子動力学シミュレーションを用いた水の振動分光計算と，最新の実験のスペクトルとを併せた解析から界面における水の分子スケールでの構造が明らかになってきた．本コラムでは研究を行った動機や過程についても話を交えながら，界面分光実験と理論計算の共同研究によって水の気液界面の微視的構造についてどれだけのことを明らかにしてきたかを簡単に紹介したい．

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (793K)

連載

短距離古典分子動力学シミュレーションコードのGPGPU化(2)

中川恒

2018 年 20 巻 1 号 p. 40-45
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.40

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

本連載では短距離古典分子動力学シミュレーションコードのGPGPU化の方法について解説する．連載第二回目はVerletリスト構築のGPGPU化について簡単に説明した後，CPUとGPUとの間の通信の最適化，負荷をCPUとGPUとの間で分散する方法について説明する．最後に実アプリケーションのGPGPU化の事例について紹介し，GPGPU 化による高速化の度合いについて見ていく．

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (419K)
FDPS入門(4)

野村昴太郎

2018 年 20 巻 1 号 p. 46-51
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.46

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

本連載では，我々が開発・公開している多体シミュレーションプログラム開発フレームワーク「FDPS(Framework for Developing Particle Simulator)」の使い方を紹介します．連載第四回の今回は，11 月に公開されたバージョン4.0 で追加された新機能を使って分子内力を計算する方法や，アクセラレータを利用する際に相互作用リストを使いまわして計算を高速化する方法を紹介し，MPI 環境で並列実行した際の実行速度について議論します．

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (496K)

博士論文紹介

分極力場の開発によるアルミノケイ酸ガラスの構造研究

石井良樹

2018 年 20 巻 1 号 p. 52-57
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.52

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

本研究では，アルミノケイ酸塩ガラスの分極力場を開発し，その分子動力学計算を用いて，ガラスの架橋構造について考察した．分極力場のパラメータは，密度汎関数法に基づく第一原理計算の分極状態と力を再現するように，Force Matching法を用いて最適化した．本研究では，まず等方的な斥力を仮定したモデルを用いて分極力場を最適化したところ，Alの四面体構造が歪んで，実験値と異なる5配位構造を形成した．一方で，イオンの変形を考慮した異方的な斥力モデルで最適化したところ，5配位構造は解消され，NMRスペクトルも実験値と良い一致を示した．そこで，ガラスの架橋構造を詳しく調べたところ，Al-O-Alの架橋酸素の双極子モーメントだけが顕著に小さいこと，またその架橋角度は比較的広く分布し，不安定であることを明らかにした．またこの架橋酸素は密度が増加すると大きく折れ曲がることから，アルミノケイ酸塩ガラスの架橋構造はAl-O-Alの架橋酸素が優先的に壊れて，三配位酸素となることを明らかにした．

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (1305K)

学生優秀発表賞受賞寄稿

分割統治型励起状態密度汎関数強束縛法を用いた光活性イエロータンパク質に関する理論的研究

河本奈々

2018 年 20 巻 1 号 p. 58
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.58

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

光受容タンパク質における光エネルギー変換あるいは光情報変換の微視的機構を理解するためには，励起状態におけるプロトンの挙動が重要である．本研究では，当研究室で開発されてきた分割統治型密度汎関数強束縛分子動力学法(DC-DFTB-MD)法を励起状態計算に拡張し，光活性イエロータンパク質(PYP)中の発色団近傍での特異的な水素結合ネットワークについて解析を行った．

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (575K)
変分経路積分分子動力学法を用いたプロトン化水クラスターの量子構造ゆらぎに関する研究

杉澤宏樹

2018 年 20 巻 1 号 p. 59
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.59

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (653K)
ポリプロピレンの力学的破壊に関する分子シミュレーション

山田忠明

2018 年 20 巻 1 号 p. 60-61
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.60

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (771K)
大規模分子動力学法を用いた低過飽和度条件における液滴均一核生成の自由エネルギー解析

阿由葉翔

2018 年 20 巻 1 号 p. 62
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.62

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (644K)
データ科学と大規模電子状態計算による有機高分子探索

大平健太郎

2018 年 20 巻 1 号 p. 63
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.63

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (449K)
固体高分子中で形成される水構造と振動スペクトルの解析

八十島亘宏

2018 年 20 巻 1 号 p. 64
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.64

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (291K)
アクリレートポリマー/水界面における水の水素結合構造

岸中翔

2018 年 20 巻 1 号 p. 65
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.65

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (534K)
Molecular Dynamics Study of Filled Ice Ic and II

Arrman Yudha

2018 年 20 巻 1 号 p. 66
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.66

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (559K)

研究室だより

筑波大学計算科学研究センター生命科学研究部門重田研究室

重田育照

2018 年 20 巻 1 号 p. 67-71
発行日: 2018/01/31
公開日: 2019/05/13

DOIhttps://doi.org/10.11436/mssj.20.67

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

本研究室では，生命機能を維持する上で重要な働きをしている生体内分子に注目し，その原子レベルでの特異的機能を理論的に解明する研究を行なっている．具体的には，光合成酸素発生中心(PSII-OEC)の反応機構の解明，分子動力学シミュレーションによる細菌の細胞分裂タンパク質の動的秩序解析，紫外線損傷DNAにおけるフリッピング機構についての研究例を紹介する．また，その解析手段としてフラグメント分子軌道法のGPUなどの理論開発を行なっている．さらに発展中のテーマとして，宇宙理論分野との連携研究として，宇宙空間におけるヒダントイン及びアミノ酸生成機構についての研究も併せて紹介する．

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (1089K)

J-STAGEへの登録はこちら（無料）