植物エストロゲンの一種であるミロエストロール類の構造活性相関を理解するため,エストロゲン受容体との相互作用を計算機シミュレーションによって解析した.複数の可能な複合体構造を発生させ,それぞれに対してLinear Interaction Energy 法による結合自由エネルギーを計算することにより,複合体構造とエストロゲン活性を予測した.既知化合物の複合体構造の再現および,結合自由エネルギーとエストロゲン活性の相関から適用可能性を確認し,ミロエストロール類を基盤とした創薬に有用な予測複合体構造を得た.また,計算結果からdeoxymiroestrol の酸化による活性低下の原因を推定した.