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杉山 友明, 田原 和人, 山本 賢司, 盛岡 実, 坂井 悦郎, 大門 正機
セッションID: 2L20
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
フリー
アルミナセメントは耐硫酸性材料として期待されている。一方,補修材として使用するためには,ポリマーエマルションを混和した,ポリマーセメントとして利用される可能性が高い。既に,ポルトランドセメント系ポリマーセメントの複合化機構としては,ポリマーフィルム形成と粒子分散性が重要であることを報告されている1)。本研究では,アルミナセメントを用いたポリマーセメントの複合化機構と,水和生成物や微細組織について検討を加えた。
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加藤 健一, 小林 雄一, 長島 崇, 水谷 滋男, 磯山 博文, 高橋 秀夫, 高橋 良夫
セッションID: 2M05
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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カオリンと微粒子炭酸カルシウムを800℃以上で加熱することにより生成する準安定非結晶材料は900~1000℃間で顕著な焼結性を示し,緻密な焼結体を得ることができる。このようにして得られる焼結体は、低温焼結多層セラミックス基板用材料や一般的な絶縁材料、低温焼結磁器等への応用が期待される。本研究では、タイプの異なる3種のカオリンを低温焼結が可能な磁器の調製に使用した。これら3種のカオリンと微粒の炭酸カルシウムとの反応により焼結性を検討した結果、微粒のカオリンを使用した場合において、最も緻密に焼結した。また、廃棄ガラスの添加における影響を検討した結果、焼結温度を下げる効果があることが分かった。
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尾畑 成造, 岩田 芳幸
セッションID: 2M06
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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近年,航空機内用食器,給食用食器など業務用食器や高齢者向けの食器において陶磁器製食器の軽量化が望まれている.この軽量化を実現するためにデンプンなど有機物の添加や炭化ケイ素やカーボン,シラスバルーンの添加などさまざまな気孔導入方法の検討がなされてきた.また,自動車用触媒を中心として広く用いられ,高温加熱時に価数変化により酸素を放出することが知られている酸化セリウム(セリア)を用いて強化磁器の軽量化についても検討されている.しかし,ここではセリアの粒径が気孔導入に与える影響について検討されていない.そこで本研究では主にセリアの粒径と添加量を変化させることによって磁器素地中に形成される気孔に与える影響について検討し,磁器素地の軽量化を行った.その結果、より微粒のセリアを添加することで、残存する気孔が多くなり,磁器素地の軽量化に有効であることが分かった.
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尾関 俊哉, 中西 泰久, 尾畑 成造, 橋場 稔, 櫻田 修
セッションID: 2M07
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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一般的なSiC耐火物として、大気雰囲気焼成でSiC粒子間に酸化物を生成し結合させる方式の酸化物結合SiCがある。我々は充填率の向上を目的として微粒・粗粒のSiCを組み合わせ、水、分散剤(ケイ酸ナトリウム)、結合助剤(SiO
2, V
2O
5)からなる泥漿を用いて鋳込み成形を行って得られた成形体を1000~1400℃で焼成することにより高い強度が得られることを報告した。しかし、V
2O
5が水に溶解性の問題から泥漿の流動性が低下する。本研究では、鋳込み成形の直前にV
2O
5を添加することで流動性の良好な泥漿を調製し、V
2O
5の添加効果についてXPSを用いて検討した。
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木村 隆俊, 森 隆昌, 椿 淳一郎, 中後 浩一郎, 仮屋 弘
セッションID: 2M08
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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電力の送配電網に用いられるガイシは,磁器に張力が働いた状態で数十年使用されるため,一定の品質を満たした磁器が要求される.磁器の品質を一定に保つためには,スラリー特性を安定させる必要があるが,季節による特性変動が発生するメカニズムについては十分な研究がなされていない.そこで,本研究では,スラリー特性の季節変動が発生するメカニズムについて検討を行った.その結果、原料の粉砕により結晶格子が破壊され,原料表面に水酸基を生成する。原料から溶出する鉄イオンはアルカリ性で水酸化鉄に変化しやすく,原料表面近傍の鉄イオン濃度が減少する.不足した鉄イオンを補うため,原料からさらに鉄イオンが溶出すると推察される.その結果,鉄イオンが溶出した電荷分だけ原料のζ電位の絶対値が大きくなり,スラリーが分散傾向に移行すると推察される.従って,原料からの鉄イオンの溶出と表面の水酸基がスラリーの分散に影響を及ぼしていると推察される.
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蒲地 伸明, 渡 孝則
セッションID: 2M09
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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ローラーマシン成形は生産性の高さから陶磁器の量産に広く利用されている。しかしながらローラーマシンの設定には多くの経験を必要とし、成形条件が製品の品質に与える影響についても経験的に得られた定性的なデータがあるのみである。ローラーマシン設定の定量的なデータを得るためには多くの設定項目を同時に調査する必要が有り膨大な量の実験は実施困難であった。本研究では、この実験量の課題を解決するために実験計画法のローラーマシン成形への適用を試みた。結果、種々の製品特性に与えるローラーマシンの設定項目を有意水準95%で明らかにした。
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水野 義久, 菊本 愛生, 加藤 昌宏, 尾畑 成造
セッションID: 2M10
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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太陽光にさらされる建築物表面や路面の温度上昇を抑制することにより,周囲の気温上昇の抑制や電気使用量を低減させる効果のある材料の開発がさまざまな業界で行われている.温度上昇抑制の方法には,気化熱を利用したものや,太陽光を反射させるものなどが存在する.
建築物等に使用される外壁タイル等の表面を覆う釉薬層の近赤外域における光の反射率を向上させることを目的とし,その設計条件を検討するため,原料粒子の反射特性を評価した.
粒径が小さくなるほど近赤外領域での反射率は低下する傾向にあり,逆に可視領域では上昇する傾向が見られた.
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田中 功
セッションID: 2M14
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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今日の子供の理科離れは、科学技術立国を目指す日本にとって大きな問題となっている。応用物理学会東海支部では、小中学校の先生や児童・生徒を対象とした「リフレッシュ理科教室」を東海支部全県で開催している。著者は「リフレッシュ理科教室」山梨会場を企画運営しているので、その活動内容を紹介する。
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中野 裕美, 青井 芳史, 澤田 隆文
セッションID: 2M15
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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小・中学校の理科教育においては、ゆとり教育に基づく学習内容の見直しや土曜閉校等により授業時間数が削減され、理科授業において観察、実験を行う時間的余裕は、昭和52年の学習指導要領改訂以降、大幅に減少してきているのが現状である。子どもたちの「科学技術に対する関心の低下」や「理科離れ」が進んでいると言われ、その一助にならないかとの思いから、龍谷エクステンションセンター主催で、小学生向けの観察講座を6年前から毎年、夏休みに開講してきた。平成20年に学習指導要領が改訂され、小・中学校教育においては、21年度から段階的に理科の時間数が大幅に増えることになり、大きな転換の時期にある。このような中で、電子顕微鏡でミクロの世界を観察し、セラミックスを中心とした材料のナノテクノロジーを理解する勉強会を、小、中学校教員の方達と行った。この転換期に、小・中学生教育への関わり方について、これまで取り組んできた内容や小・中学校教員の感想など合わせてご報告する。
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安田 公一, 塩田 忠
セッションID: 2M16
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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小中高校生の理科離れが進む中,将来の科学や技術を担う世代を育成するためには,これら児童・生徒に理科のおもしろさを実感してもらうことが重要であると言われている.そこで,発表者らも,大学祭(工大祭2008)の中で研究室公開を実施し,小中高校生に,材料と力との関わりについて興味を持ってもらえるような体験型学習(『力と遊ぼう』プロジェクト)を実施したので,その実施内容について報告する.まず,最初の実験は,バケツに水を入れて正確に1kgfの重さにすると言う体験学習である.一見簡単そうに見えるが,ほとんどの来訪者は1kgfよりも重い方にずれてしまう.力については,小学生の頃から,フックの法則や重力で学習してきているが,この体験学習から,力そのものの実感というのが極めて曖昧であると言うことに,多くの来訪者が気付く結果となった.もう一つの実験は,荷造りテープの粘着面を一度貼り合わせてから,それを暗室の中で引きはがすと言う体験学習である.実際にやってみると,引きはがした粘着面から青色の発光が起きていることが観察され,それを見た来訪者は一様に歓声を上げた.この破壊発光という現象は,材料の破壊検知だけでなく,大地震の予知などにも活用されているという説明をすると,来訪者も,科学と生活とのつながりに思いを馳せ,研究の広がりを実感しているようであった.さらに,このような粘着テープの引きはがしに伴ってX線が放出されているということが,最近,Nature誌に掲載されたことを紹介すると,身近にある荷造りテープが最先端科学につながっていることに,再度,驚かされるという様子であった.
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安盛 敦雄
セッションID: 2M17
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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日本の伝統的かつ主要な産業分野であり、かつ世界の中で先導的な研究を進めているセラミックス材料を、広く一般に啓発することは、日本セラミックス協会の重要な役割の一つである。特に高校をはじめとした教育の場で、セラミックスの啓蒙活動を行うことは、将来のセラミックスの産業・研究を支える人材を育成する意味でも、非常に有効であると考えられる。そこで本講演では、最近開催された高校課題研究フォーラムでの実施内容を紹介すると共に、その中で行ったセラミックスの粉体成形・焼成プロセスの初歩としての酸化物蛍光体の作製と着色・蛍光ガラスの作製に関する研究課題について紹介する。
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櫻井 修, 吉川 英見
セッションID: 2M18
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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我々はこれまでに,創造性育成を目指す学生実験に取り組み,学生の問題発見や解決する能力の向上に努めてきた.実験終了後のアンケート調査によれば,大多数の学生が問題解決に当たって,基礎知識の不足を痛感している.そこで,創造性育成実験を効果的に行なうにあたって,基礎知識や実験技術の役割について検討した.創造性育成実験は実験方法がテキストに詳細に明記されているわけではなく,学生主体で企画遂行するため,通常の学生実験よりも時間がかかる.このためには,座学の授業との連携,低学年の実験との連携などの効率的な実験の進行が必要とされると,結論づけられた.
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吉川 英見, 櫻井 修
セッションID: 2M19
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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学術研究において、文献調査は非常に重要である。学生実験においても同様で、レポートの考察などを書く際には欠かせないものである。これまで参考となる資料は教科書や図書館などにある本が主であった。しかし最近はインターネットの発達により、web上の情報検索が容易になったため、そこから情報を得る学生が多くなった。本や論文などは通常信頼のおけるものとして扱うが、web上の内容は出典や著者があいまいな場合が多く必ずしもそうはいかない。そのため、なんでも鵜呑みにしてしまう多くの学生にそのことを教育する必要性が生じた。そこで、学部3年生に対して「インターネットを用いた情報検索」と題した講義を行った。この内容と学生へのアンケート結果について発表する。
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伊熊 泰郎, 井川 博行, 市村 博司
セッションID: 2M20
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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大学生が基礎科目についての知識を得ることは重要である。化学、物理、物理化学、化学工学に加えてコミュニケーション力も重要な基礎知識である。このコミュニケーション力には考えを口頭で説明すること、他人の考えを聞くこと、複数の考えをまとめて1つにすること、考えを実行することなどが含まれる。演者の大学ではこのコミュニケーション力を鍛える科目を最近始めた。この発表ではこの科目について説明する。
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春日 敏宏, 石澤 伸夫, 野上 正行
セッションID: 2M21
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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名古屋工業大学では、国際性あふれるセラミックス研究者・技術者に育成するため、産学官連携および海外研究機関との連携・協力によって「セラミックス科学研究教育院」を設置した。セラミックス関連研究に高い意欲をもち、本プログラムでの教育を希望する工学研究科博士課程(前期・後期)学生を対象とする。セラミックス基礎研究者への育成に加え、開発に向けた提案実施のできる企業人としての実践力をもつ技術研究者への育成をめざしている。教育プログラムの特徴のひとつとして、博士課程としての研究を実施するとともに、連携している海外研究機関あるいはセラミックス関連研究機関や企業におけるインターンシップを推奨・支援している。長期の研究インターンシップが学生の意識改革を促し、非常に大きな教育効果をもたらしており、その有効性が評価されている。
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EVA MARIA MORCILLO, BEATRIZ DEFEZ, GUILLERMO PERIS-FAJARNES, IGNACIO T ...
セッションID: 2P001
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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Ceramic tiles are products which aesthetic appearance plays a decisive role of success. In this paper we present an experimental method to evaluate the influence of luminance and contrast in the perception of spaces with ceramic wall tiles and floorings. We have employed three specific models: wood, marble and mosaic. These designs, widely used nowadays, are based on repetitive decorating modules and allow as to research interaction effects. Experiments are based on the presentation of digitally processed images of these models, aiming at quantifying the correlation between limit values of luminance and contrast and the perceptual effects. Fixing this relation we can modify different manufacturing parameters to assure the final product acceptation
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山下 洋子, 牧野 晃久, 内山 直行, 原 勇介, 古賀 三井, 皆本 鋼輝
セッションID: 2P002
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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炭化チタンとサリチル酸のキレート溶液からなるTiC前駆体溶液とAl2O3をボールミル混合し、乾燥および焼成を行った。焼成粉末は、Al2O3およびTiCのみが検出され、TiC以外の金属Tiや酸化チタン等の結晶質の不純物は含まれていなかった。TEM観察の結果、約0.5μmのAl2O3粒子の周りに最大粒子径が50nm以下の微細な炭化チタン粒子が被覆しているコアシェル型構造が観察された。
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植田 直樹, 山口 朋浩, 北島 圀夫, 中西 健文, 宮路 史明, 遠藤 守信, 齋藤 直人, 樽田 誠一
セッションID: 2P003
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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本研究では、気相成長炭素繊維(VGCF-S)について、凝集のない高分散状態とするために超微粒化処理を行い、アルミナ粉末と混合し、その焼結特性と機械的性質を検討した. VGCF-Sを0.8 wt%添加した複合体は, 真空焼成およびHIP処理によって、相対密度が99.6%に達した。CNTは複合体中に均一に分散しており、CNTの高分散に対して超微粒化処理は効果的であった。 また、この複合体の破壊靱性は4.2 MPa m0.5の値を示し、コントロールのアルミナ焼結体の破壊靭性3.5 MPa m0.5に対し20%向上した。ビッカースクラックの観察から、CNTのブリッジングやプルアウトが確認でき、それらの効果による高靭化機構が発現したと考えられる。
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梶河 智史, 今井 雅三, 吉田 克己, 矢野 豊彦
セッションID: 2P004
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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炭化ケイ素繊維強化炭化ケイ素基(SiC
f/SiC)複合材料は、その高靭性、耐熱性、低放射化性、低熱膨張性からエネルギー関連機器、航空宇宙分野や核融合炉材として期待されている材料である。実際にITER後のDEMO炉においてSiC
f/SiC複合材料の使用が検討され、概念設計がなされているが、更なる機械的特性の向上が期待されている。複合材料の機械的特性は、その繊維/マトリックスの界面特性に大きく影響される。そのためには繊維表面のコーティング方法および繊維間隙へのマトリックス形成が重要である。これまでに本研究室では電気泳動堆積(EPD)法によるSiC繊維織布表面へのコーティングおよびマトリックス含浸について検討してきた。本研究ではEPDによる繊維表面への均一な炭素被覆および繊維間隙へのSiCマトリックスの形成を目指し得られた職布を強化材としたSiC
f/SiC複合材を作製し、その機械的特性を評価した。
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堀田 幹則, 後藤 孝
セッションID: 2P005
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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加圧力100MPaでの放電プラズマ焼結法により、焼成温度を変化させて立方晶窒化ホウ素(cBN)粒子を分散させたセラミックスコンポジットを作製した。BN焼結体およびセラミックスコンポジットにおけるcBNの相変態を調べた。βサイアロン-BNコンポジットにおけるcBNから六方晶BN(hBN)への相変態は、BN焼結体よりも著しく抑制されることがわかった。アルミナやムライト、窒化チタン系のBNコンポジットでは、cBN相変態の抑制は確認されなかった。
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丹澤 貴大, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司
セッションID: 2P006
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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典型的なベアリング用のSi
3N
4セラミックスの粒界にはサブミクロンサイズのTiN粒子が分散した微構造を有している。我々の研究グループではTiNのナノサイズ化により相手攻撃性の低減を示したが、機械的特性については明らかではない。本研究では、曲げ強度や球状圧子圧入試験を行い、微構造と特性の相関の解明することを目的とした。その結果、き裂発生臨界荷重は焼結体中のTiNの存在量に依存して変化し、この傾向は、3点曲げ試験により得られた強度のバラツキと良く対応していた。この機械的特性のバラツキの低減は、ナノサイズのTiN粒子の均一分散によるSi
3N
4粒子の粒径の低減と均質化、TiN粒子による均一な粒界強化に起因すると推測される。
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田中 寿郎, 矢冨 幹征, 原田 亮, 菅 雅彦, 山室 佐益
セッションID: 2P007
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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多孔質セラミックスである瓦は重く割れやすいという欠点があり、耐震性や運搬の際に問題となってくる。そこで現在軽量高強度化の研究が進められているが、本研究ではセラミック繊維を瓦素地に添加することで繊維強化をし、高強度化させることを目的に研究を行った。作製方法として100μm程度の短繊維と坏土を直接混練することで試料作製をした。評価方法として収縮率、嵩密度、吸水率、曲げ強度、SEM観察などを行った。結果、繊維強化によって焼成変形を抑え、気孔量増大に対して強度を保持できることが分かった。
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永沢 基, 吉村 雅司, 岡田 浩
セッションID: 2P008
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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スピネル構造を有する化合物群は幅広い分野への応用がなされており、様々な手法を用いた低温合成の研究が精力的に行われている。しかし、無機塩を出発物質として用いた反応焼結法による焼結体の合成はほとんど報告されていない。そこで、代表的なスピネル化合物であるMgAl2O4について着目し、無機塩を出発物質として用いた焼結挙動について検討した。成形体の熱分析の結果、水酸化物の脱水、スピネル形成、焼結反応が観察された。しかし、酸化物のスピネル反応と焼結挙動は大きく異なることがわかった。このスピネル形成反応と焼結反応における体積変化の挙動についてその場観察による詳細な議論を行った。
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関本 祐樹, 片山 恵一, ワサナピアンポン タナコーン, 今井 雅三, 吉田 克己, 矢野 豊彦
セッションID: 2P009
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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窒化ケイ素セラミックスは、耐熱性、耐摩耗性、耐食性、高強度などの特性を持つことから、高温構造用材料として期待されている材料である。しかし、窒化ケイ素の焼結で用いられる液相焼結では、粒界にガラス相が存在し、材料特性に大きく影響するため、できるだけ粒界相の少ない窒化ケイ素セラミックスが望まれる。一般的には、熱処理によってガラス相を減少することにより、熱的特性の向上が可能であるが、その際には粒成長が同時に進行する。そのため、熱的特性の向上に寄与する因子として、粒界相量の減少と粒径の増大のどちらが大きく寄与しているか検討する必要がある。
本研究では、粒径の大きなSi3N4原料を用いて焼結体を作製し、熱処理時の粒成長を抑制することによりSi3N4焼結体の熱処理前後の熱的特性変化に及ぼす粒界相量の影響を検討した。
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北 淳平, 末益 博志, 高井 健一, 久森 紀之, 長嶋 利夫, Ian J Davies, 目 義雄, 幸田 清一郎, 板谷 清司
セッションID: 2P010
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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本研究では,酸処理を行い表面にカルボキシル基を形成させたVGCFをマトリックス中で均質に分散させることによって,SiC複合焼結体の破壊靭性がどの程度向上するか,微細構造と関係づけて検討を行った。酸処理VGCFは,VGCFを濃硫酸と濃硝酸の混液に懸濁し,加熱還流して得た。SiC粉体に対して8 mass% Al4C3と2 mass% B4Cの焼結助剤と0~8 mass% VGCFを混合し,成形したのち,1800℃で1 h, 62 MPaの圧力でホットプレスした。酸処理したVGCFを4 mass%添加したSiC複合焼結体の相対密度と破壊靭性はそれぞれ99.0%および5.7 MPam1/2となり,未処理のVGCFを添加した場合よりも高い値を示した。このVGCF添加SiC複合焼結体は未処理の場合よりも,プルアウトの長さが短くなることが分かった。以上の結果から,酸処理したVGCFを添加することによってSiC複合焼結体の相対密度と破壊靭性が向上することが分かった。
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渡部 大介, 目 義雄, 幸田 清一郎, 板谷 清司
セッションID: 2P011
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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本研究では,
b-オルトリン酸カルシウム(
b-Ca
3(PO
4)
2;
b-TCP)に添加剤としてフッ素アパタイト(Ca
10(PO
4)
6F
2;FAp)を用い,高密度焼結体の作製条件を検討し,得られた焼結体の高温塑性変形に及ぼすフッ化物添加の影響を評価した。混合粉体(FAp添加量:1~20 mass%)を900~1100℃の種々の温度でそれぞれ5 min PCPSを行った。1050℃でPCPSを行うといずれの添加量においても焼結体の相対密度は99%を超えた。1000℃で5 min PCPSを行って作製した10 mass%FAp添加
b-TCP試験片の高温引張り試験を1000℃(ひずみ速度:1.5 × 10
-4 s
-1)で行ったところ,引張りひずみは171%に達することが分かった。
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松岡 光昭, 山川 智弘, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司
セッションID: 2P012
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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近年、絶縁体である窒化ケイ素セラミックスにカーボンナノチューブ(CNT)を分散させ、導電性を付与する研究が着目されている。しかし、CNTは高温で分解するため、焼結過程において緻密化を阻害する問題がある。そこで本研究では、より低温での緻密化を狙い、Si
3N
4-Y
2O
3-Al
2O
3-AlN- HfO
2- TiO
2系のCNT分散Si
3N
4セラミックスを作製し、その微構造と機械的・電気的特性との相関について検討した。
柱状粒子の形状と寸法はCNT添加量に依存して変化した。粒子の粒成長は粒子からの核生成と結晶成長を考慮する必要があるが、CNT添加により両者が抑制された結果であると推測した。これに依存して、破壊靭性やビッカース硬さがCNT添加量により変化することも確認された。
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吉尾 紗良, 多々見 純一, 山川 智弘, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司, 荒牧 賢治
セッションID: 2P013
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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CNTは優れた熱・電気伝導性や高い強度を持つため、CNT添加により、導電性の発現や、強化材としての応用が期待され、セラミックスや、ポリマーなどとの複合材料の研究が行われている。しかし、CNTは凝集しやすいため均一分散の実現が課題であり、分散剤の最適化や表面改質などのケミカルプロセスなどによるCNTの分散に関する研究が多く行われている。本研究では、ナノ粒子の分散に効果的であるビーズミルプロセスに着目してCNT分散スラリーを調製し、その液中分散挙動の解析を行った。
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Sukasem Kangwantrakool
セッションID: 2P014
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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Al
2O
3-Ni composites were prepared by pressureless sintering. Nickel was used as a reinforcing material. The purposes of this work are to improve the fracture toughness of the ordinary alumina with nickel additions and to investigate the effect of nickel on the characteristics and mechanical properties of Al2O3-Ni composites. The compositions were changed with different amount of nickel additions of 0, 10, 20 and 30 wt% in the composite. As the results, it was revealed that with the increase of nickel, the flexural strength and fracture toughness was increased while hardness decreased.
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Wasana Khongwong, Katsumi Yoshida, Masamitsu Imai, Toyohiko Yano
セッションID: 2P015
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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Simple thermal evaporation of Si powder in CH
4 gas during heating up at 1623K was applied to fabricate SiC/SiO
2 core-shell nanowires. Two different average particle sizes of Si powders, 50 nm and 5 um, were used as precursors. Oxidized larged-size Si powder was also use as raw powder to confirm the effect of surface oxygen of Si raw materials on core-shell nanowires formation. The products were proved as bi-phase nanowires, core was b-SiC while outer shell was SiO
2 of low crystallinity. The typical synthesized nanowires have diameter of not more than 100 nm with several tens micrometer in length
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李 建永, 大串 秀世, 中川 翼, 坂口 勲, 羽田 肇, 大橋 直樹
セッションID: 2P016
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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近年、導電性酸化物にショットキー電極を形成した界面に極性の異なる電圧を印加した際に低抵抗(LR)状態と高抵抗(HR)状態とにスイッチする現象、すなわち、抵抗スイッチング現象は、不揮発メモリーへの応用が期待され、盛んに研究されている。しかし、この現象の発現機構には、未だに不明な点が多い。本研究では、抵抗スイッチング現象の本質の解明を目的とし、Nb添加SrTiO3単結晶とPt電極から成るショットキー接合における電流-電圧(I-V)特性と容量-電圧(C-V)特性の温度依存性、および、測定周波数依存性を評価した。
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青柳 倫太郎, 浦西 直樹, 前田 雅輝, 岩田 真
セッションID: 2P017
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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BiFeO3置換したBi1/2Na1/2TiO3-BaTiO3セラミックスを作製し結晶構造、誘電特性、圧電特性などを評価した。BNTとBT比を90:10および85:15としBFを固溶させていくとBFの置換量が増加するにつれて正方晶から菱面晶へ構造が変化することを確認した。また、BF置換により脱分極に伴う誘電特性の挙動が変化することを確認した。BNTとBT比90:10にBFを1%固溶させたBNBTF10-1において電気機械結合係数k33=0.44を得た。
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川江 健, 津田 尚, 森本 章治, 寺内 裕紀, 山田 悟, 中嶋 宇史, 岡村 総一郎
セッションID: 2P018
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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元素置換によるBiFeO3(BFO)薄膜のリーク抑制を目的とし、PLD法によりBFO、Ti添加BFO、Mn添加BFO、Mn,Ti同時添加BFO(BFMT)をPt/SrTiO3基板上に作製した。XRD測定より、いずれの試料もランダム配向のBFOである事が確認された。薄膜キャパシタの電気測定から、BFMTは他の試料に比較して室温で大幅にリーク電流が抑制され、安定なヒステリシス特性も観測された。また、強誘電特性として、2100kV/cm印加時にPr:75μC/cm2、Ec:310kV/cmが得られた。
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鈴木 宗泰, 野口 祐二, 宮山 勝
セッションID: 2P019
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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ペロブスカイト構造を持つチタン酸ビスマスナトリウム(Bi0.5Na0.5TiO3: BNT) は、現行のチタン酸ジルコン酸鉛に替わる非鉛圧電材料として期待されている。BNT系セラミックスの圧電特性の向上を目指した研究が世界規模で展開されているが、特性の顕著な向上には至っていない。欠陥化学に立脚した材料設計指針を確立して、高品質BNT単結晶を育成することを目的とする。ここでは,フラックス法および浮遊帯域溶媒移動(TSFZ : Traveling Solvent Floating Zone)法によりBNT単結晶を育成し、分極特性を評価した。
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泉 宏和, 氏本 勝也, 吉村 武, 藤村 紀文
セッションID: 2P020
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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PLD法を用いてBiFeO
3-LaAlO
3固溶体薄膜を作製し、その結晶構造と誘電特性を評価した。室温に保持したSiO
2/Si(100)上に成膜した後に熱処理を行うと、ほぼ単相のペロブスカイト相に結晶化し、LaAlO
3量の増加とともに単位格子体積は小さくなった。これはLaAlO
3がBiFeO
3に固溶していることを示唆している。また所定温度に加熱したSrTiO
3(100)を基板に用いて成膜した場合も、単相のペロブスカイト相に結晶化し、基板に対してエピタキシャル成長していることが確認できた。
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岩田 瞬, 野口 祐二, 宮山 勝
セッションID: 2P021
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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(Bi
0.5Na
0.5)TiO
3(BNT)系ペロブスカイト型酸化物は比較的良好な圧電特性を示す非鉛強誘電体として注目されている。菱面体晶(
R3
c)のBNTは、正方晶(
P4
mm)の(Bi
0.5K
0.5)TiO
3(BKT)やBaTiO
3(BT)と全率固溶体を形成すること、およびBNTリッチ側の組成で構造相境界(MPB)が形成されることから、BNT-BKT-BT固溶体の研究が盛んに行われている。本研究では、BNT-BKT-BT単結晶をフラックス法により育成し、強誘電特性を評価した。
BNT-BKT-BT単結晶の組成はBi
0.53Na
0.26K
0.13Ba
0.07TiO
yであった。圧電特性に関してははMPB組成のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)セラミックスを大きく上回る圧電歪み定数(
Smax/
Emax=564pm/V)を示した。
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松尾 拓紀, 鈴木 宗泰, 野口 祐二, 宮山 勝, 渡辺 晃, 笹辺 修司
セッションID: 2P022
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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BiFeO
3(BFO)は高いキュリー温度と大きな自発分極を併せ持つことから、PZTに替わる非鉛強誘電体として注目されている<。菱面体晶BFO(
R3
c)は、正方晶(
P4
mm)ペロブスカイトとの固溶により形成されるモルフォトロピック相境界(MPB)組成付近において優れた圧電性を示すことが期待される。本研究では、正方晶系材料として(Bi
0.5K
0.5)TiO
3(BKT)を選択し、BKT-BFO固溶体セラミックスを評価対象とした。一般に、BKTはKの潮解性や高い蒸気圧のため、またBFOはFeの価数不安定性のために、これらの単相かつ高密度セラミックスを得るのは容易ではない。ここでは、Flash Creation Method(FCM) により作製したナノパウダーを用いることで、高密度BKT-BFOセラミックスが空気中での本焼成により得られること、および高温においても優れた圧電特性を示すことを報告する。
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相見 晃久, 勝又 哲裕, 稲熊 宜之, 符 徳勝, 伊藤 満
セッションID: 2P023
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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高温高圧下でLiNbO
3型MnMO
3(M = Sn, Ti)を合成し、その誘電特性、磁気特性を測定した。誘電率温度依存性においてMnSnO
3とMnTiO
3の両方の物質で、僅かな異常がそれぞれ53 Kと27 Kでみられた。MnSnO
3の磁化率温度依存性においても、54 Kに異常が見られた。誘電率の異常は磁場の印加により、高温側に僅かにシフトした。
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西田 貴司, 中村 公平, 川上 悠太, 越前 正洋, 内山 潔, 塩嵜 忠
セッションID: 2P025
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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PZT系薄膜材料は素子特性の集積度向上や微細領域でのドメイン物性への興味のため、材料のナノサイズの作製や評価が行われている。我々はこれまでスパッタ法によりサファイア(001)基板上へのPbTiO3ナノ結晶作製を行ってきた。原子平坦基板表面のステップ-テラス構造のために、ナノ結晶はステップエッジに沿って成長させることができ、ボトムアップ法でも形成位置制御ができることがわかった。
今回はさらに制御や評価を進めるために、ナノ結晶育成に用いる基板形成について調べた。原子平坦面形成条件や面方位、下部電極形成など、種々の条件での作製を試みた。
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森下 瑛文, 鈴木 宗泰, 和泉 真, 野口 祐二, 宮山 勝
セッションID: 2P026
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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(Bi
0.5K
0.5)TiO
3-(Bi
0.5Na
0.5)TiO
3 [
xBKT-(1-
x)BNT] 固溶体は,構造相境界(MPB)を形成する
x=0.2近傍で良好な圧電特性を示すことがセラミックスで報告され、PZTに代わる非鉛圧電材料として期待されている.
本研究では,BKT-BNT単結晶をフラックス法により育成し,単結晶の強誘電特性評価を行った.
育成条件の最適化による溶融温度の低温化により,MPB組成を含む幅広い組成の単結晶を得ることに成功した.BKT-BNT単結晶(
x=0.5)の残留分極値は39μC/cm
2,抗電界は23kV/cmであった(E // [100]
cubic).低温での育成により蒸気圧の高いBiおよびKの揮発が抑制され,同時に酸素空孔の生成も抑制されたため,高品質BKT-BNT結晶が得られたと考えられる.
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宮林 宏和, 晝間 裕二, 永田 肇, 竹中 正
セッションID: 2P027
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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ビスマス層状構造強誘電体(BLSF)は、レゾネータ応用に向け共振周波数温度系数(TC-f)に関する研究が行われてきた。本研究では、TC-fを制御する手法として誘電異常ピークが二つ出るといわれているm = 2-3のビスマス混合層状構造に着目し、低温側の相転移を利用することを試みた。試料はSrBi
2Nb
2O
9-Bi
4Ti
3O
12(SBN-BiT)を用い、電気的諸特性および共振周波数温度特性の評価を行った。
共振周波数温度特性の結果、室温~250ºC付近まではTC-f =-74.8 ppm/ºCであったが、低温側の誘電異常ピークを介することにより共振周波数の変化が小さくなり、TC-f =-14.6 ppm/ºCまで変化した。
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但住 俊明, 鈴木 俊彦, 勝又 哲裕, 稲熊 宜之, 王 瑞平
セッションID: 2P028
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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ペロブスカイト型酸化物Bi
1/2Ag
1/2TiO
3(BAT)が
P-Eヒステリシス測定から強誘電体であることを確認する事を目的とし、高焼結密度及び高い絶縁性を持つ試料の合成を高酸素圧下で合成した。出発物質Bi
2O
3の熱処理温度、合成条件を検討した結果、高焼結密度な試料(相対密度:96.2%)が得られた。また、誘電率測定からは400∼500 K、700 K付近に異常が観察された。
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横田 壮司, 村田 章太郎, 鬼頭 伸弥, 五味 學
セッションID: 2P029
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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我々は、磁気情報の半導体デバイスへの融合を目指した新規電界効果素子の開発を目指して研究を行っている。その一つとして室温電気磁気効果を示すCr
2O
3をゲート絶縁膜とし極薄フローティング層(F.G.)及び磁性層の挿入により、半導体より注入される電子の電荷をスピン情報として記憶することを提案している。これまで、この素子がF.G.層において電荷を保持することを確認し、また、電荷注入量が磁性層のスピン整列状態によって影響を受けることを報告してきた。これまで、磁性層にFeを用いてきたが、表面酸化等により磁性に対する応答性と注入特性の劣化が見られた。そこで、今回、磁性層にハーフメタルであるFe
3O
4を用いた素子を作製しその誘電特性及び電荷注入特性・磁気特性を評価した。
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石井 啓介, 田代 新二郎
セッションID: 2P030
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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c軸配向したBi層状構造強誘電体セラミックスの新たな作製手法として,我々はTGG法を利用した圧延配向法を提案してきた.本研究では,より高い配向度を得るべく作製条件の最適化を行った.作製されたのはSBNセラミックスである.より薄い厚さに圧延されたグリーンシートから得られた焼結体ほど配向度が向上することが判明した.また,グリーン材の作製時に加えられる流動パラフィンと配向度との間には負の相関が観察された.圧延回数が大きい領域で配向度が減少するが,その原因は,圧延毎に剥離シートへ塗布される流動パラフィンが,グリーン材に過度に混入することに起因していると思われる.
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李 鳳淵, 飯島 高志, 中村 嘉孝, 東 正樹, 島川 祐一
セッションID: 2P031
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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近年、環境意識の高まりから、鉛の毒性に対する懸念が広がっており、非鉛系圧電材料として良好な強誘電・圧電特性を示すと期待されるBiFe2O3(BFO)に注目が集まっている。ペロブスカイト(1-x)BiFeO3-xBiCoO3(BFCO)は、PZTと同じく菱面体晶と正方晶の固溶体であり、圧電定数が増大する組成相境界(MPB)の存在が期待される。リーク電流成分を抑えて電気的特性を評価するため試料を低温に冷却するとともに高周波帯域で測定た。そこで、レーザー変位計と低温チャンバーを組み合わせ、低温(-190℃)、高周波数(1kHz~100kHz)で強誘電特性と微小変位特性の同時測定が可能な評価システムを開発し、(1-x)BiFeO3-xBiCoO3(x=0~0.3)/Nb-STO(001)サンプルについて強誘電特性評価装置とレーザ変位計を用いて、-190℃、測定周波数1kHz~100kHzで強誘電分極反転と微小変位特性を同時測定した。
0.7BiFeO3-0.3BiCoO3薄膜を-190℃に冷却し、10kHzのBipolar電界を印加し測定した。2000kV/cm印加時の残留分極(Pr)は68.5µC/cm2、坑電界(EC)は605.5kV/cmと強誘電性を示すことが判明した。また-190℃において5kHzのUnipolar電界を印加した際の微小変位の印加電界依存することが分かった。BFO-30%BCO薄膜はBFO薄膜よりも大きな微小変位を示し、BCO固溶により圧電特性が向上したものと考えられる。
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眞岩 宏司
セッションID: 2P032
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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BaTiO3セラミックスに関してはこれまでも数多くの研究がなされているが、最近、微細な粒子構造をとるBaTiO3セラミックスは従来より高い誘電特性や圧電特性を持つことが報告されている。筆者の研究グループではスパークプラズマ焼結(SPS)により作製したBaTiO3セラミックスが緻密で微細な粒子構造を持ち、比較的高い電界誘起歪と比誘電率を持つことを観察している。しかしながら、SPSで作製されたBaTiO3セラミックスがどうして高い特性を持つかは今ひとつ明らかではない。今回、2段階焼結度と通常の固相反応法でBaTiO3セラミックスを作製し、粒子径と誘電特性、電気機械特性の関連を検討し、SPSで作製された焼結体との違いを検討することとした。
出発原料には水熱合成法で作製された粉末を用いた。粒子径は50nm相当である。1050~1450℃の温度範囲で通常焼結した。銀ペーストにより電極を形成した後に誘電特性の測定を行った。SPSはカーボンダイスを用いて大気中で行い、加圧60MPaで保持時間は5min.とした。
BaTiO3セラミックスは2段階焼結の到達温度、通常焼結では焼結温度を増加させると全般的に密度、粒径、結晶性は向上する。二段階焼結では到達温度1400℃以上で相対密度96%の緻密な焼結体が得られる。誘電率の温度特性はSPSのときに見られた転移温度の低下は観察されない。室温の誘電率は到達温度1300℃の試料では4000を超える。電気機械特性に関しても報告する。
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下岡 弘和, 田中 暁士, 岩野 紘美, 松野 祥枝, 古曵 重美, 桑原 誠
セッションID: 2P033
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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本発表では、ゾル-ゲル法を用いて液相界面で作製した平均粒径57nm-1.6μmのチタン酸バリウム自立膜の誘電特性について報告する。平均粒径1.6μmの自立膜では、ノーマルな強誘電性を示した。しかし、平均粒径57nmの自立膜では、異常な誘電応答の周波数分散を示した。
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西塚 万規夫, 小川 宏隆, 菅 章紀, 住野 誠
セッションID: 2P034
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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xMgO-(1-x)B2O3 (x=0.75-0.99)セラミックスの微構造とマイクロ波誘電特性は今回研究された。1350℃で焼成されたxMgO-(1-x)B2O3のXRPDパターンはMgOとMg3B2O6の存在を示した。xの組成が0.75から0.99に増加すると、Mg3B2O6の解析ピークは弱くなった。1350℃で焼成されたMgOセラミックスの品質係数と見かけの密度は少量のB2O3が添加されることによって極端に改善された。それゆえ773000GHzの最も高いQ・f値は3.37g/cm3の見かけの密度を伴ってx=0.99で得られた。
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松永 章弘, 中田 悟史, 田崎 智子, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司
セッションID: 2P035
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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PZTの破壊挙動を走査型プローブ顕微鏡(SPM)の測定モードである圧電応答顕微鏡(PFM)と非線形誘電率顕微鏡(SNDM)を用いて観察を行うことを目的とした。PFMでは破面に対して正負の応答、すなわち、垂直上下向きのドメイン構造が観察された。PFMでは粒径程度の深さからの情報が得られていることを考慮すると、粒子全体で縞状のドメインを形成していることがわかった。一方、SNDMではすべて破面に下向きの分極を示す正の応答のみが観察された。SNDMでは深さ数十nm程度の情報が得られることから、特異なドメインスイッチングは破面の極表面で生じていると考えられ、破壊時のき裂先端での局所的な応力により誘起されたものと推測される。
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加藤 侑志, 秋田 泰志, 白石 尚輝, 土嶺 信男, 小林 晋, 吉本 護
セッションID: 2P036
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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希土類ホウ化物LaB
6は高融点、低蒸気圧、金属的な高い導電性を有し、更に仕事関数が小さいなどの優れた特性を有する材料である。そのため、現在LaB
6は高輝度・長寿命な熱電子放射材として利用されている。このような優れた特性があるにも関わらず、薄膜に関する研究はほとんど行われていないのが現状である。これまでに我々は超平坦サファイア基板上におけるLaB
6(100)配向膜の結晶成長機構と電気物性評価について報告してきた。本研究では、これまでに報告されていないサファイア基板上へのSrB
6エピタキシャル薄膜合成およびSrB
6バッファ層を用いたLaB
6エピタキシャル薄膜合成を行ない、バルク状態・多結晶薄膜とは違った物性発現の可能性や組成変調による特性変化について検討した。
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