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川村 貴生, 大石 知司
セッションID: 2P137
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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ゾルゲル法を用いたマイクロカプセル化ラテント顔料の合成と薄膜化について検討した。C6H5Si(OC2H5)3を出発原料にSiO2骨格中にフェニル基を有する無機ポリマーをゾルゲル法によって合成し、ついでジオキサンに溶解させたラテント顔料を加えマイクロカプセルを作製した。これを熱処理するとマイクロカプセル化顔料へ転換した。また作製したマイクロカプセル化ラテント顔料を熱圧接する事により顔料含有薄膜を作製した。
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藤吉 国孝, 牧野 晃久, 有村 雅司, 山下 洋子, 下岡 弘和, 岡島 敏浩
セッションID: 2P138
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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高濃度ゾルゲル法で合成したチタン酸バリウムナノ粒子と、市販のチタン酸バリウム粉末のTi K端とBa L
_III_端のXAFS測定を実施し、ゾルゲル法により低温でチタン酸バリウムが結晶化する際の挙動について検討し、ナノ粒子結晶の生成メカニズム解析を行った。その結果、ナノ粒子の結晶化の進行に伴い、Ti K端のXANESスペクトルとBa L
_III_端のEXAFSスペクトルが、市販品チタン酸バリウム粉のスペクトル形状に近づいた。高濃度ゾルゲル法で合成した粒子が市販品と同様のスペクトル形状を示す事が判った。
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永田 大地, 千葉 幸俊, 中河原 歩, 柴田 裕史, 木練 透, 安盛 敦雄, 西尾 圭史
セッションID: 2P139
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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近年、2~50 nmの細孔が周期的に配列したメソポーラスシリカが機能材料として注目を集めており、比表面積の大きさを生かした貴金属触媒の担体への応用が検討されている。貴金属触媒は微粒なほど触媒効率が良いため、微粒子での存在が理想的である。こういった背景から、貴金属イオンを含むフェナントロリン金属錯体と界面活性剤を複合化させ鋳型にすることで、鋳型除去と共に細孔内で微粒子を生成することが可能であり、有効だと考えた。この前段階として、Pluronic〈SUP〉Ⓡ〈/SUP〉-123に対して様々な金属と錯体を形成する1,10-phenanthrolineがswelling agentとして用いることができ、細孔径の拡張が起こるか検証を試みた。
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加持 義貴, 松川 公洋, 菅原 義之
セッションID: 2P140
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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Anatase型のTiO
2ナノ粒子水分散液を用い、その表面をフェニルホスホン酸(PPA)によって改質することで、透明で高屈折率を有するポリマーナノコンポジットを作製した。分散媒を交換せず、水分散液に直接PPAを加えると直ちに白濁したが、分散媒をDMFに交換した後にPPAを加えたところ白濁しなかった。また、ナノコンポジットのFT-IRスペクトルにおいて、1220 cm
-1付近の
ν(P=O)の吸収帯が観測されなかった。このことは、PPAのP=O基がTiO
2表面と何らかの相互作用をしていることを示唆している。よって、観察された分散液の透明度の保持は、TiO
2ナノ粒子のDMF中での分散性がPPA修飾に伴う表面改質によって向上したと考えられる。合成したナノコンポジットはTiO
2導入量15mass%までは透明であったが、それ以上になると透明度が徐々に低下した。
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細川 三郎, 全 炯俊, 井上 正志
セッションID: 2P141
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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LaFeO
3は触媒、化学センサーなど様々な分野に用いられており、水熱合成法、ゾル–ゲル法、錯体重合法、共沈法などで合成されている。本研究では、ソルボサーマル法によるLaFeO
3の合成を検討した。その結果、酢酸ランタン(La(OAc)
3)と鉄アセチルアセトナートをヘキサメチレンジアミン共存下1,4-ブタンジオール中でソルボサーマル反応させるとLaFeO
3が合成できることが認められた。また、ヘキサメチレンジアミンの添加量によりLaFeO
3の生成量が変化することが認められ、N/(OAc)=20の条件で合成したLaFeO
3はほぼ単一相であることが確認できた。
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吉澤 満, 小林 亮, 森嶋 勇介, Petrykin Valery, 垣花 眞人
セッションID: 2P142
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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我々の研究グループでは、水溶性チタン錯体の水熱処理による酸化チタン(TiO2)の合成に関する研究を行っており、これまでに錯体の配位子や溶液のpHを制御することにより、アナターゼ、ルチル、ブルカイト、TiO2(B)の四種類のTiO2多形を選択的に、かつ、一段プロセスで合成することに成功している。水溶性チタン錯体を活用した水溶液プロセスによるTiO2の合成をさらに発展させ、複合材料合成への展開を図るためには、より多くの水溶性チタン錯体を化学設計し、水溶液中での挙動をより系統的に把握することが望まれる。本研究では、これまでに検討していない配位子を用いた新規水溶性チタン錯体の調製、および得られた多様な水溶性チタン錯体の水熱処理によるTiO2光触媒の合成に成功した。
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下井田 博謙, 山本 和広, 佐々木 徹, 冨田 恒之, 藤田 一美, 小林 亮, 垣花 眞人
セッションID: 2P143
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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酒石酸チタン錯体を出発原料として、酸化チタン光触媒を水熱合成した。合成時に種々の添加剤を加えたところ、ルチル型酸化チタンナノ粒子とニードル状アナターゼ型酸化チタン粒子の合成に成功した。前者は過酸化水素を添加することで、後者はエチレンジアミンを添加することでそれぞれ得ることができた。これらについてメタノールの気相分解実験より光触媒機能評価を行なった。その結果、ナノルチルはニードル状アナターゼに比べ2倍の比表面積を有していながら活性は低い値を示した。このことより、酸化チタンの光触媒活性は結晶構造に大きく依存していることがわかった。
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李 坤威, 熊田 伸弘, 米崎 功記, 武井 貴弘, 木野村 暢一
セッションID: 2P144
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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硝酸型Ni/Al-LDHを析出法および水熱反応で合成した。その際pHによって硝酸型と炭酸型に分かれることがわかった。このような合成法で作製したNi/Al-LDHについて報告する。
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山本 和広, 下井田 博謙, 佐々木 徹, 冨田 恒之, 藤田 一美, 小林 亮, 垣花 眞人
セッションID: 2P145
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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現在光触媒として利用されている酸化チタンTiO2の中でも準安定相であるTiO2(B)を、新規チタン材料である水溶性チタン錯体を原料として水熱法によって合成した。グリコール酸を配位子としたグリコール酸チタン錯体溶液に硫酸を添加して加熱処理することで単相のTiO2(B)が得られた。TiO2(B)の微結晶を蒸留水、HCl、NaOHなどの異なる溶液中で再度水熱処理を行い結晶成長させることで粒子サイズ、形態をコントロールすることができた。また、メタノールの気相分解反応によって得られたTiO2(B)試料の光触媒活性の評価を行った。
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佐々木 徹, 山本 和広, 下井田 博謙, 冨田 恒之, 藤田 一美, 小林 亮, 垣花 眞人
セッションID: 2P146
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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酸化チタンの主な結晶構造として、アナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型がある。その中でブルカイト型は合成が困難であることから報告は数少ない。本研究ではブルカイト型酸化チタンの水熱合成及び光触媒活性の評価を行った。操作方法は、水溶性チタン錯体であるグリコール酸チタン錯体溶液に、種々の添加剤を加え、水熱処理することによりTiO2を合成した。得られた生成物をXRD・STEMによって、同定・観察し、粒形、結晶性について評価した。次に、光触媒活性を評価するため、メタノールの分解反応により発生したCO2をIRにより測定した。グリコール酸チタン錯体溶液を塩基性条件下で水熱処理をすることでブルカイト型TiO2を得ることができた。
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成瀬 則幸, 種石 真人, 冨田 恒之, 藤田 一美, 垣花 眞人
セッションID: 2P147
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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蛍光体をディスプレイに用いる際、解像度および充填率向上のために形状とサイズが均一な微粒子蛍光体が求められている。このため反応条件の調整を行うことで形態制御ができ、均一かつ均質な生成物が得られる均一沈殿法に着目した。均一沈殿剤としてヘキサミンおよび尿素を用いて均一沈殿法でY2O3:Eu(赤色蛍光体)およびYBO3:Tb(緑色蛍光体)の合成を行い、反応条件を変更することでイットリウム系蛍光体の粒子形態に対する影響を調査した。ヘキサミンを用いた均一沈殿により六角板状のY2O3の合成に成功した。また、直方体の粒子が得られると報告(2008年秋季シンポジウムにて冨田らが報告)されている尿素を用いた均一沈殿によるYBO3の合成時に有機酸を添加した際の影響を調べた。
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佐伯 淳, 表 尭典, 橋爪 隆, 寺山 清志
セッションID: 2P148
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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本研究ではジルコニア薄膜を複合水溶液を用いて、パルス電圧印加型の電気化学堆積法によりガラス基板上に作成した。原料には硝酸塩を用い、酸度の調整と析出反応を促進するためにアンモニア水及び過酸化水素水を少量加えた。平坦な表面形状の膜であったが、表面観察では一部熱収縮時に生じた亀裂が存在していた。表面状態および膜厚は添加アンモニア量、印可電圧、時間、および電極-基板間距離などの成膜条件により変化した。特に印加するパルスの周波数に依存して、膜厚や結晶化後の亀裂やピンホールなどの表面性状が変化し、高周波側で欠陥の少ない膜が得られた。
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グエン ハイ ヴァン, 打越 哲郎, 鈴木 達, 目 義雄, 武藤 浩行, 松田 厚範
セッションID: 2P149
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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セラミックス材料の諸特性は結晶方位により異なる場合が多く、その特性を伸ばすための一つの方法として、特定の結晶方位を優先的に成長させたり並べたりするなどの配向制御が可能なプロセスが求められている。その一つとして、反磁性または常磁性セラミックス粒子のサスペンションに強磁場を外場から作用させることで、弱磁性セラミックスの結晶配向方位を制御しながら固化成形するプロセスが報告されている1)。本研究では、12 Tの回転強磁場中、電気泳動堆積(EPD)でAlNを固化成形し、それを焼結することにより磁場印加方向と垂直にc軸が配向したAlN焼結体を作製するため、配向率に及ぼすサスペンションの組成、磁場の回転速度、EPD通電条件などの関係について検討した。
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山口 太一, 鈴木 義仁, 垣花 眞人, 下村 康夫
セッションID: 2P150
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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セラミックス開発は物質系の決定、微量成分の決定、生産方法の確立、という順に段階的に行われる。水溶液プロセスは、多種合成に適した錯体重合並列合成法、相純度の高い試料を得やすい水熱ゲル化法などがあり、各開発段階に応じて適切な手法を選択することにより効率的な開発を行える。本研究では実際のセラミックス開発を意識し緑色蛍光体であるCa
3Sc
2Si
3O
12:Ce
3+(CSS)を選択し、錯体重合並列合成法を用いてCe濃度を1.3%に決定した。その後、水熱ゲル化法を用いてCSSを作製したところ1000℃から単相合成が確認できた。CSSは従来法で1400℃未満では合成困難であるため400℃の生成温度の低下に成功した。発光強度については比較対象として作製した固相法での試料の2.0倍、YAG:Ce
3+の1.06倍の発光強度を示した。
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柳澤 遼太郎, 山谷 倫央, ヴァレリー ペトリキン, 垣花 眞人
セッションID: 2P151
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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光触媒による水分解反応は水と太陽光を利用したクリーンな水素製造法として近年注目を浴びている。高い水分解光触媒活性を有するBa3Ta6Si4O26は錯体重合法(PC)法及びアモルファス金属錯体法(AMC法)で合成された。PC法は有機溶媒およびゲル化剤であるプロピレングリコールなどの環境負荷の高い有機物を大量に使用する。一方、AMC法は水溶性Siおよびペルオキソ乳酸Ta錯体といった水溶性金属化合物を用いるため、PC法に比べて使用する有機物重量を約1/5に抑えることができる合成方法である。PC法及びAMC法で合成したBa3Ta6Si4O26はほぼ単相であり、同程度の水分解光触媒活性であった。AMC法は環境調和型の水溶液プロセスとしてBa3Ta6Si4O26の合成に適用できた。
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西本 博宣, 濱田 幸隆, 小野木 伯薫, 中平 敦
セッションID: 2P152
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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メソポーラス材料は1000 m2/g を超える大比表面積やメソスケールの均一な大きさの細孔を有している多孔体材料である。メソポ
ーラス材料の大比表面積を利用することによって大量吸着が可能な吸着剤の作製が可能となり、また均一なメソ細孔による機能性の発現
なども期待できる。そのため、メソポーラス材料は優れた吸着剤としての応用が期待されている多孔体材料である。本研究では吸着剤建
材としての応用に向けてメソポーラス材料の固化体を水熱ホットプレス法(1)によって作成した。そして、建材の湿度に対する吸放湿性の
評価法の一つである吸放性試験を用いて、種々のメソポーラス材料固化体の湿度変動による吸放湿性能を評価した。
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釘島 裕洋, 一ノ瀬 弘道, 平川 力, 根岸 信彰, 竹内 浩士, 駒野 明香, 佐藤 啓太, 瀬戸 康雄
セッションID: 2P153
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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酸化チタンナノ粒子の調製方法について検討を行った。市販の酸化チタン粉体を部分的に溶解させた後、分離や加熱処理を行うことで酸化チタン粒子の微細化と高結晶化を試みた。ST01(石原産業社製)を用いた場合、アンモニア濃度により結晶子径の制御が可能でコントロールすることが可能であった。また、ST01を微細化した試料では、出発原料であるST01と比較して約1.2倍のアセトアルデヒドガス分解速度を示した。一方、P25(日本アエロジル社製)を用いた場合、出発原料であるP25の約1.9倍のガス分解速度を示した。
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門田 太郎, 北岡 大輔, 小野木 伯薫, 中平 敦
セッションID: 2P154
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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Y2O3は希土類蛍光体、高透光性セラミックス、耐熱材料や耐プラズマ性部材としての応用が期待される材料である。特にY2O3微小粒子の合成は、量子サイズ効果による発光色の制御への応用や、発光強度の向上による省エネルギー化などが期待される。微粒子の合成には種々の方法があるが、粉砕などの固相法では微粒化に限界があるため、液相法や気相法による様々な物質のナノ粒子合成が多く報告されている。本研究では液相法の一つである、超音波噴霧熱分解法(Ultra Sonic Pyrolysis System : USPS)を用いてY2O3微粒子の作製を試みた。特に、USPSプロセスにおける各種合成条件を検討することでY2O3微粒子の形態制御を行ったので、それらの結果を中心に報告する。
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福田 勝利, 岡田 真一, 杉本 渉, 高須 芳雄
セッションID: 2P155
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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固相合成したNa型層状酸化ルテニウムを酸化処理することで層間のNa+を抽出した。さらに塩酸処理を行なうことで、残りのNa+がすべてH+でイオン交換された水素イオン型酸化ルテニウムH0.2RuO2・0.5H2Oを合成した。次に、イオン交換したH+のモル数と嵩高いテトラブチルアンモニウムイオンのモル数の比を変化させて混合・振盪させたところ、比に応じてインターカレーションから剥離、水和膨潤まで反応が変化することが明らかとなった。また、単層剥離によって得られたナノシートを基板上に取り出しキャラクタリゼーションを行った。その結果、元の母相のホスト構造を保っていることがわかった。
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岸田 和久, 渡辺 友亮, Li Jinwang, 吉村 昌弘
セッションID: 2P156
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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太陽光を利用した光触媒による水の完全分解はクリーンエネルギーとしての水素が得られると期待できる。過去に報告されている多くの酸化物光触媒は、その広いバンドギャップのために太陽光を効率的に利用することができなかった。最近は、酸化物よりも狭いバンドギャップを有する(酸)窒化物、(酸)硫化物などの可視光応答光触媒が報告されている。本研究ではアンモノサーマル法を応用し、金属を直接窒化し窒化物の低温合成を試みた。合成実験の結果、NaNH2 を用いて1 段階目の加熱を 473 K、573 K、673 K、773 K で行った場合、それぞれ緑、白、薄い黄色、黄色の生成物が得られた。473 K では NaTaO3、573 K および 673 K では Na3TaO4 とNaTaN2 の混合物、773 K では NaTaN2 であると推定された。
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西之園 巧, 青井 芳史
セッションID: 2P157
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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屈折率の異なる物質が光の波長程度で周期構造を有する場合、特定の光が伝搬できないフォトニック結晶としての性質をもつため、多くの関心がもたれている。また、金属微粒子は表面プラズモン共鳴による光吸収を示し、古くからガラスの着色などに応用されてきた。これまでに我々は、低温・低エネルギープロセスである液相析出法を用いて、空孔の大きさや金の含有量が異なる金微粒子含有酸化チタンインバースオパールを作製し、その光学特性を評価してきた。今回は、作製したインバースオパールを屈折率の異なる溶媒に浸漬することによる光学特性の変化について検討した。
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手代木 洋一, 植田 紘一郎, 松本 勇磨, 冨田 恒之, 藤田 一美, 垣花 眞人
セッションID: 2P158
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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化石燃料の枯渇が懸念されている現在、その代替エネルギーとして水素が注目されている。燃やしてもCO2を発生しない水素は地球規模で進んでいる環境問題に対する解決策の一つであると考えられている。水から水素を取り出す手段の一つとして光触媒による水の分解反応がある。光エネルギーを利用して水を水素と酸素とに分解するのが水分解光触媒反応である。
Y2Ti2O7はパイロクロア構造を有する複合酸化物として初めて水分解機能が報告された物質である。本研究では有機溶媒を多量に必要とする錯体重合法に変わり、水溶液の錯体ゲル法によりY2Ti2O7を合成し、その合成過程を検討し、より高い光触媒活性を示すY2Ti2O7の合成を目的とした。
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鈴木 綾美, 藤井 泰久, 山口 日出樹
セッションID: 2P159
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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三次元マイクロリアクターを用いてシリカ粒子の合成を行い粒度分布制御の可能性について検討を行った。三次元マイクロリアクターとは液流路を立体的に設計した小型反応器を示し、本検討で用いた流路は、単分散を示す粒子を得る為に、液の合流点において全方位均等せん断応力が働く様に設計した。シリカ粒子の合成は原料として水ガラスを用いて≦100[μm]オーダーとなる粒子について検討を行い、得られた粒子径は内流のノズル径及び流速に大きく依存し、粒子形成要素として、外流へ界面活性剤を添加する事と受け皿の攪拌状態が寄与している事及び水ガラス溶液である内流と疎水性を示す外流の流速比を設定することで粒子径を任意に制御可能である事が判った。
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白石 尚輝, 加藤 侑志, 保坂 誠, 土嶺 信男, 吉本 護
セッションID: 2P160
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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p型酸化物半導体として代表的なNiOは不定比性の岩塩型化合物であるが、Liをドープすることによってホールが発生し、導電率が大幅に向上することが確認されている。本研究では、物理的気相成長法の一つであるPLD法を用いて、サファイア(0001)基板上にLiドープNiOを室温でエピタキシャル成長させることに成功した。従来の高温成膜では、Liを高濃度でドープするとNiOの岩塩型構造が崩れてしまいLiが固溶しなくなってしまうが、室温成膜ではその非平衡性から高温成膜とは違った固溶の仕方をすると考えられる。したがって本発表では成膜温度,Liドープ率及び導電率の相関関係について詳報する。
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茨木 靖浩, 安達 直己, 本間 隆行, 萩沢 巧, 高田 雅介
セッションID: 2P161
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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我々は線材状の酸化亜鉛セラミックスを通電加熱し、線材表面に酸化亜鉛結晶を成長させることを試み、この手法を通電加熱法と呼んでいる。また、通電線材近傍にサファイアやシリコン基板を設置することによって、これらの基板上に酸化亜鉛ウィスカが成長することを報告した。本研究では、真空中で通電加熱を行う新規な方法により酸化亜鉛透明導電膜(ZnO:Al)の作製を検討した。
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保坂 誠, 秋田 泰志, 杉本 雄樹, 小山 浩司, 吉本 護
セッションID: 2P162
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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アルミナはワイドバンドギャップ、高誘電率、熱的・化学的に安定等の優れた特性を持ち、機械的セラミックス材料として広く利用されている。近年では、トンネル磁気抵抗(TMR)素子の絶縁層材料としても優れた性能を実現できることから注目を集めている。TMR 素子応用のためには膜中での電子散乱を抑えるため絶縁層を結晶化させることが重要であるが、アルミナは結晶化させることが非常に難しいことも知られている。通常1000
oC近くの高温で成膜することでアルミナを結晶化させることは可能であるが、高温成膜では表面・界面が荒れてしまいナノレベルのデバイス応用には不利である。そこで本研究では、PLD法と水素還元法を併用することによりアルミナ薄膜を強磁性金属層上に低温でエピタキシャル成長させることを目標に種々の条件下で実験を行った。
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古畑 哲, 中野 裕美, 青井 芳史
セッションID: 2P163
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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異なる物質を周期的に積層させた積層薄膜では、周期性を制御することによって新たな物性を引き出せる可能性が示唆されている。特に機械的特性において、積層薄膜の積層周期を変化させることによって、積層に用いた物質の単層薄膜よりも高硬度の薄膜が得られることが多数報告されている。本研究では、イオンビームスパッタリング法を用いて、結晶構造が同じであるZrNとTiNの積層薄膜を、積層周期(λ)を変化させて作成し、積層周期の変化による積層薄膜の硬さと、界面微構造の関係について検討した。
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細川 翔悟, 単 躍進, 手塚 慶太郎, 井本 英夫
セッションID: 2P164
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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本研究は、(Bi
0.5Ag
0.5)TiO
3 (以下BAT)の誘電性を正しく評価するための第一歩としてRFマグネトロンスパッタリング法による薄膜の作製を目的とし、膜の作製条件を調査した。
基板温度300~400 ˚Cにおいて、BATに近い組成比の膜が得られた。BATの組成比に近いアモルファス状態の膜試料をアニールすれば、BAT膜が得られる可能性があると考えられる。そこでArとO2比が1:1, チャンバー内圧力0.2 Pa, ターゲット基板間距離1.5 cm, 基板温度365 ˚Cで1 h 堆積したアモルファスの膜試料を、600 ˚C, 10 min, 酸素圧下(約0.8 MPa)でアニールを行った結果、単相のBAT膜を得た。
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坂野 潤, 大門 啓志, 太田 敏孝, 田中 清明
セッションID: 2P165
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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スピネル型構造をもつ化合物は,多様な構成元素の組み合わせによって,幅広い物性を実現可能である.本研究ではNaAlO
2を主原料のひとつとするNi-Fe-Al系酸化物スピネルの合成法について検討した.出発原料にアルミン酸ナトリウムと含水硫酸ニッケル,含水硫酸鉄の粉末を使用し,アルコールを用い湿式ボールミルにて混合した.乾燥後,所定の温度で加熱した.その後,蒸留水で洗浄ろ過し,仮焼した後,生成相を粉末X線回折で調べた.ボールミル処理のみの段階では,Al(OH)
3とNa
2SO
4が結晶相として確認された.加熱処理により,スピネルとNa
2SO
4の結晶相が生成した.また,加熱後の粉末を洗浄ろ過し,Na
2SO
4を洗い流した後仮焼した粉末にはスピネルとNiOのみが存在した.Feの含有量を増加して混合していくとNi(Al,Fe)
2O
4単一のスピネル固溶体が生成した.
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梅垣 陽樹, 太田 慎也, 甲斐 綾子, 三木 俊克
セッションID: 2P166
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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尿素と塩化アルミニウム六水和物の熱分解によって合成したAlN前駆体を含む生成物を接合材に用いてAlNセラミックス基板間の接合を行った。この接合材は、多量のラジカルを含み反応性が高く、窒素流中での接合加熱中にAlNを形成する。また、接合材合成時の熱処理時間を長くすることにより、接合後のAlN層に残存する不純物炭素の含有量は減少した。作製した接合体の剪断強度は、接合温度1000~1300℃までは約16~22MPaとほとんど変化は無かったが、1400℃以上で急激に上昇し、1500℃で平均86MPaと高い強度を示した。接合温度1500℃では接合界面が不明瞭となり、接合材から形成されたAlN層内部の焼結性も向上した。以上のように、この接合材は、異種材料を含まないAlN接合体を低温で作製するのに好適である。
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岩井 裕, 松下 和正
セッションID: 2P167
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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正方晶タングステンブロンズSr
2LaTi
2Nb
3O
15は、高周波特性に優れた強誘電体材料として注目されているが、焼結性が劣るため信頼できる電気特性データの取得に問題があった。
比較的低温条件下かつ短時間の熱処理により緻密質セラミックスを得る方法のひとつとしてパルス通電加圧焼結法(PCPS)が知られている。本研究は、タングステンブロンズ型セラミックスの作製にパルス通電加圧焼結を応用し、得られた試料の微細組織の観察電気的特性の評価を行った。本実験を通じ、焼成温度1270℃、一軸加圧40MPaおよび保持時間5minの条件下でほぼ理論密度のSr
2LaTi
2Nb
3O
15焼結体試料が得られた。
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本間 正洋, 甕 晋一, 川角 眞六, 神谷 秀博
セッションID: 2P168
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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白金はその優れた性質から理化学器具電気・電子工業用材料、不溶解性電極、高性能磁石などの他触媒として石油精製、排ガス浄化等の分野で広く用いられている。セラミック粒子との複合化による白金使用量低減を目的に、本研究では水中液相反応により均一な白金被覆アルミナ粒子の製造法としてアルミナ表面に形成したパラジウム層を白金で被覆する手法を検討した。得られた白金被覆アルミナ粒子は内部に核となったアルミナ粒子が存在し、表面に均一にPt が被覆されていることが確認された。また白金塩の添加量を変えることによって被覆層厚みを制御できることが確認された。
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尾塚 淳一, 山口 朋浩, 樽田 誠一, 北島 圀夫
セッションID: 2P169
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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ベーマイトゾルとカーボンナノファイバー(CNF)との混合ゾルからCNF/アルミナ複合粉末を作製した.CNFとしてVGCFを,生成するアルミナに対し0~3.5 mass%添加した.また,これらのゾルへのαアルミナシードの添加を検討した.複合粉末中のVGCFの分散性はエタノール添加や遊星ボールミルを用いる混合により向上した.これらの複合粉末を一軸加圧成形し焼成した.VGCF添加量を3.5 mass%とした粉末成形体を窒素雰囲気下700℃で仮焼した後,カーボン埋入下1500℃で焼成することにより得られたCNF/アルミナ複合焼結体は,CNFの分散性向上とαアルミナシード添加により緻密化が促進され,嵩密度は3.41g/cm
3となった.VGCF添加量を0.75 mass%とした場合,嵩密度が3.66 g/cm
3の焼結体が得られた.
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田崎 智子, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司, 中野 裕美
セッションID: 2P170
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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ZnOは優れた特性を活かして,多くの分野に応用されている機能性材料である.機能向上のために各種微量成分の添加が行われており,例えば,ZnOへの Al
2O
3の添加は導電率の向上に効果的である.そこで本研究は,機械的粒子複合化プロセスにより調製したAl
2O
3ナノ粒子/ZnO複合粒子を用いて試料を作製し,電気的特性や微構造に及ぼすAl
2O
3添加量と粉末調製プロセスの影響を明らかにすることを目的とした.結果は,複合化粉末を使用した試料の導電率が高い値を示した.これは,機械的処理によりAl
2O
3がZnO表面に均一に分散したしたことで,粒成長が抑制されるとともに,短時間の焼成でAlがZnO内に均一に拡散したことにより,高い導電率を得ることができたと推測される.
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加藤 善二, 古嶋 亮一, 田中 諭, 植松 敬三
セッションID: 2P171
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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濃厚スラリーの評価は信頼性のあるセラミックスを作成する最終目標である。マイクロ化学チップを用いて評価した濃厚スラリーを用いて、遠心沈降法で成形体を作成した。成形体の内部構造観察から、内部構造はスラリーの凝集構造を反映していた。
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岡本 浩孝, 熊井 葉子, 光岡 拓哉, 中野 秀之
セッションID: 2P172
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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有機化シリコンナノシートの合成を目的として,層状ポリシランと1級アミンの反応を検討した.その結果,層状ポリシランの表面にn-デシルアミンが付加した有機化層状ポリシランを作製することができた.この有機化層状ポリシランは層間距離約3nmの規則的な積層構造を示した.これは元の層状ポリシランの層間隔が約5倍に拡大したことを意味している.また,これをクロロホルムの希薄溶液とすると,幅1~2μm,厚さ7.5nmのナノシートとなることが明らかになった.
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鈴木 晴絵, 打越 哲郎, 鈴木 達, 小林 清, 北畠 拓哉, 杉山 龍男, 古谷 健司, 目 義雄, 宗像 文男
セッションID: 2P173
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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固体酸化物型燃料電池(solid oxide fuel cell:SOFC)の適用を拡大するために、作動温度の低温化が求められている。その際、固体電解質層の厚さは薄い方が望ましく、燃料極アノードを支持基材とした燃料極支持型セルが有効とされている。また、固体電解質として、高い酸素イオン伝導性を有するLaGaO3系の材料が注目されている。しかし、LaGaO3系の材料は電極材料と反応して高抵抗層を生じやすい欠点が指摘されており、LaGaO3系材料を用いたセル構築においては、適切な緩衝層の形成を考慮する必要がある。電気泳動堆積(electrophoretic deposition:EPD)法は、帯電粒子の電気泳動現象と凝集堆積現象に基づくセラミックス成形法で、電圧や通電時間の制御で膜厚の制御された粒子堆積層を容易に形成できる特長を有するため、SOFCのセル作製に用いることで、アノード上に膜厚の制御された均一な電解質層や緩衝層の形成が期待できる。そこで本研究では、LaGaO3系固体電解質を用いたセルで、緩衝層の有無が発電特性に及ぼす影響について考察した。
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?橋 拓実, 田中 諭, 古嶋 亮一, 加藤 善二, 植松 敬三, 稲垣 雅彦, 斎藤 隆雄, 加藤 且也
セッションID: 2P174
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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ハイドロキシアパタイト(HAp)は生体の歯や骨の主成分であることから,欠損した歯や骨を補うインプラント材料として用いられている.HApは各結晶面で特性が異なることが知られており,高磁場による結晶配向が試みられている.他方,HApはHIP焼結により透光性を有することが報告されている.本研究では,高磁場成形したHApをHIP処理することで高度に配向した透光性ハイドロキシアパタイトを作製した.サンプルの特性評価として,密度,可視光域における透過率を測定,また配向度評価としてLotgering法によりLotgering Factor(L.F.)を求めた.
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小林 知裕, Nur Hazwani Khusaini, 吉川 知里, 五味澤 孝友, 堀田 憲康
セッションID: 2P175
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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本研究では粒径の異なる粉末を混合し,透明イットリアの透光性に与える影響について調べた.粒径の異なる2種類のイットリア粉末を使用し,混合比を変化させて湿式混合した.混合粉末を一軸加圧成形後,大気雰囲気中にて常圧焼結し,得られた焼結体を熱間等方圧(HIP)焼結した.焼結体の密度を測定し,表面および破面観察を行った.透光性を示した試料においては,鏡面研磨後,全透過率の測定を行った.冷間等方圧成形を用いることなく,一軸加圧成形のみで透光性を示した.粒径の小さい粉末を70 wt%混合した試料が最も高い全透過率を示し,可視領域において55%~65%の値を示した.
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戸井原 渚, 米山 依慶, 島田 亮, 田原 聖一, 菅原 義之
セッションID: 2P176
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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層状ペロブスカイトHLaNb
2O
7·
xH
2Oの
n-デコキシ基修飾体とトリエチルホスフィンオキシドを2-ペンタノン溶媒中で反応させることでトリエチルホスフィンオキシドがHLaNb
2O
7·
xH
2Oの層間に導入された。反応生成物のXRD分析結果から、層間距離が約1.8 nmであることがわかった。またIR分析結果から、
n-デコキシ基修飾体に帰属可能な吸収帯が消失し、1077 cm
-1にTEPOに帰属されるP=O伸縮振動が観測された。
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岩田 知之, 福田 功一郎
セッションID: 2P177
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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Recent advances in the field of crystal-structure analysis from XRPD data have enabled us to investigate complex structures, including positional disordering of atoms and orientational disordering of atomic groups. The initial structural models may be determined by, for example, direct methods. The structural parameters are ubsequently refined using the Rietveld method. In order to disclose the structural details that had not been introduced into the structural models, the combined use of a maximum-entropy method (MEM) and a MEM-based pattern fitting (MPF) method is employed. The Rietveld and MEM analyses are insufficient to readily determine a charge density because the observed structure factors, Fo(Rietveld), are biased toward the structural model. The subsequent MPF method reduces the bias as much as possible. Thus, the MEM and MPF analyses are alternately repeated until the reliability indices no longer decrease.
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杉浦 啓太, 岩田 知之, 福田 功一郎
セッションID: 2P178
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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A new ternary layered carbide, ZrAl
8C
7, has been synthesized and characterized by X-ray powder diffraction. The crystal structure was determined using direct methods, and further refined by the Rietveld method. The crystal is trigonal (space group R-3m, Z = 3) with lattice dimensions a = 0.332842(2) nm, c = 5.78221(2) nm and V = 0.554754(4) nm
3. The sample prepared was composed mainly of ZrAl
8C
7 with a small amount of ZrAl
4C
4. These two types of carbides have been found to form a homologous series with the general formula (ZrC)
mAl
8C
6, where m = 1 and 2. They show comparable intergrowth tructures consisting of [Zr
mC
m+1] layers separated by [Al
8C
7] layers.
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阿波加 淳司, 木嶋 倫人, 早川 博, 秋本 順二
セッションID: 2P179
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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既知ガーネット関連型Liイオン伝導体は全て立方晶系に属す。本研究において、合成条件を精査する事により、対称性が正方晶系に低下したガーネット関連型Li
7La
3Zr
2O
12の合成に成功した。フラックス法をもちい単結晶の育成に成功した。単結晶X線回折データをもちい、結晶構造を決定した。格子定数は、
a = 13.134(4) Å、
c = 12.663(8) Åであった。立方晶ガーネット関連型Liイオン伝導体は、Li-Liダイマー構造を伴う複雑なLi配列をもつ事が知られている。一方、正方晶Li
7La
3Zr
2O
12は、単純な規則的なLi配列をもつ事が明らかとなった。
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姜 宏, 熊田 伸弘, 米崎 功記, 武井 貴弘, 木野村 暢一
セッションID: 2P180
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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水熱反応によって新しいペロブスカイト型ビスマス酸化物Ba
0.96Bi
0.86O
2.59(OH)
0.41を合成することができた。その結晶構造を単結晶X線回折によって決定したのでその結果について報告する。
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本間 隆行, 松永 知佳, 黒木 雄一郎, 岡元 智一郎, 高田 雅介, 金近 幸博, 東 正信, 谷口 人文
セッションID: 2P181
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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窒化アルミニウムは、6.2eVのワイドバンドギャップを有していることから、紫外、可視、近赤外領域において無色透明であり、透光性セラミックスとして期待されている。本研究では、Ca
3Al
2O
6の添加によって形成されると考えられる格子欠陥が焼結過程においてどのように変化するかを調査するため、焼成における保持時間を変化させて焼結体を作製し、フォトルミネッセンス測定を行った。1880℃、保持時間≦10hの試料から発光は確認されなかった。一方、保持時間30hの試料からは580nmの発光が確認された。保持時間≧10 hで焼結助剤はそのほとんどが排出されていた。したがって、Ca
3Al
2O
6が不純物として欠陥を形成したのではなく、長時間の焼成によって窒素空孔や格子間アルミニウムなどの真性欠陥が形成したものと考えられる。
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春日 博, 片平 和俊, 渡邉 裕, 三島 健稔, 大森 整
セッションID: 2P182
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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窒化珪素(Si
3N
4)をはじめとするセラミックスは,そのすぐれた機械的特性からベアリングをはじめとするさまざまな部品に用いられている.さらに近年では二酸化炭素(CO
2)の排出量削減を背景として,鉄よりも軽量なアルミを自動車部品などの材料として用いる傾向が高まっている.アルミ部品を鋳造する場合,そのすぐれた耐熱性などからSi
3N
4が多く用いられている.一方,Si
3N
4は機械的な加工が困難な材料の1つであり,加工コストの低減が普及促進の1つの課題となっている.本研究ではELID(electrolytic in-process dressing)研削法を用いることにより,Si
3N
4の高能率・高精度研削を試みた.また,研磨の一種であるラップ加工を行った場合との表面性状の比較を行った.
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古嶋 亮一, 田中 諭, 加藤 善二, 植松 敬三
セッションID: 2P183
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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積層コンデンサやセラミックス基板などの電子部品は、スラリーをテープキャスティングすることにより作製される。このスラリーのレオロジー特性は、成形性を決める最も重要な要素である。溶剤は、主に乾燥速度制御を目的として混合有機溶剤が用いられている。本研究では、混合有機溶剤系アルミナスラリー中の添加物がレオロジー特性へどのような影響を与えるかを検討するために、溶剤の混合比、バインダーの添加量、可塑剤添加の有無を変えたアルミナスラリーを調製し、レオロジー特性を調べた。
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苑 芸, 木村 敏夫
セッションID: 3A01
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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【緒言】 BaTiO3は非鉛系圧電セラミック材料の1つの候補とされている。その単結晶においては特定な結晶方位でPZTに匹敵する圧電特性が得られるが、実用的には高特性の配向性BaTiO3多結晶体の作製が必要とされる。BaTiO3に結晶配向を付与する技術としてテンプレート粒子成長法(TGG法)などが挙げられ、今まで配向させることが困難であった材料の配向が可能となり、高性能化も期待できる。本研究では、TGG法を用いて<111>配向BaTiO3多結晶体の作製を試みた。配向度に及ぼすマトリックス粒径とテンプレート量の影響を調べ、高密度、高配向度の配向体を作製する条件を明らかにした。
【方法】 テンプレートとする板状<111>-BaTiO3粒子作製のため、まず原料としてBaTiO3とTiO2を、フラックスとしてNaClを用いた溶融塩法で板状Ba6Ti17O40粒子を作製した。次に板状Ba6Ti17O40とBaCO3を溶融NaCl中で反応させ、板状<111>-BaTiO3粒子を作製した。得られた板状<111>-BaTiO3粒子と等軸BaTiO3粒子(粒径0.1, 0.3, 0.5μm) の混合物(テンプレート量10, 20, 30wt%)をドクターブレード法によりテープ成形した。単層シートを切断、積層、圧着、脱脂した後、空気中で1000℃~1400℃で焼成した。
【結果と考察】 マトリックス粒子の粒径を0.1μm、テンプレート量を10wt%とし、1350℃で5h焼成した試料の密度は94.5%、配向度は0.86で、今回作製した試料の中で最高の値であった。各温度における試料の微細構造の観察によって、テンプレート粒子がマトリックス粒子を取り込むように成長し、これが配向度の増加に繋がることが分かった。テンプレート粒子の成長速度はテンプレート量とマトリックス粒子の粒径に依存した。テンプレート量を多くすると、配向度が低くなったが、これは板状粒子が加わることでマトリックス粒子の充填が不均一になり、気孔の数が増えて、テンプレート粒子の成長速度が小さくなったためと考えられる。また、マトリックス粒子の粒径が小さくなると配向度が向上した。これは、テンプレート粒子が成長する焼結段階でのマトリックス粒子との粒径差が大きいほど、テンプレート粒子の成長速度が大きくなり、密度と配向度の増加に有利になる。こうして、マトリックス粒子が0.1μm、テンプレート量が10wt%の場合に、密度と配向度が最も高い焼結体が得られた。
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森 林太郎, Pulpan Petr, 和田 智志, 林 寛, 長森 喜孝, 山本 裕一
セッションID: 3A02
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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環境問題の観点から、現在の鉛系圧電材料よりも性能の高い新規非鉛系圧電材料の開発が急務となっている。そこで、高い圧電定数を持つ非180˚ドメイン壁に着目し、化学組成を固定した状態で、ドメイン壁密度を向上させ、かつドメイン壁を結晶中に固定化させることで、環境に優しい高性能圧電材料開発を目指す。ドメインサイズの制御にはグレインサイズを、ドメイン壁の固定化には特殊な結晶方位([110]方位)を用いることで達成できる。本研究では、非鉛系圧電材料の中でも代表的なチタン酸バリウム(BaTiO3、以下BT)を用いて、[110]方位への配向度が高く、グレインサイズの小さい、すなわち、ドメイン壁密度が高い緻密なBT配向セラミックスを作製し、その圧電特性について検討を行ったので報告する。
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二口 友昭, 角田 龍則, 坂井 雄一, 飯島 高志, 安達 正利
セッションID: 3A03
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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スクリーン印刷法は厚み数10μmの厚膜パターンが容易に形成できるため、MEMSデバイス用の強誘電体、圧電体厚膜としての利用等が期待されている。ここでは、粒径100nmのBaTiO3粉末を用いて作製したペーストをスクリーン印刷し焼成により形成される厚膜について、作製条件および添加物と電気特性の関係を検討した結果を報告する。
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