日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2009年年会講演予稿集
選択された号の論文の648件中401~450を表示しています
  • 岸本 昂之, 三池 智士, 濱上 寿一
    セッションID: 2P087
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    久留米高専の位置する福岡県久留米市は豚骨ラーメン発祥の地として知られている。豚骨ラーメンのスープのだしとして使用され、廃棄される豚骨ガラの重量は1日で15トン以上にも及ぶ。廃棄される豚骨ガラの一部は植物用肥料としてリサイクルされているものの、その多くはリサイクルされることなく焼却処分されているのが現状である。一方、廃棄豚骨中には無機成分である水酸アパタイト(以下、HAp)が含まれている。HApは、バイオマテリアル、蛍光体の母体材料、環境浄化材料などに適用可能な多機能性セラミック材料である。また、HAp構造中に含まれるリン(P)は、日本にとって貴重な資源である。廃棄豚骨から水酸アパタイトを精製することは、資源リサイクルの観点からも非常に重要である。そこで、本研究では廃棄豚骨由来水酸アパタイトのさらなる応用を目指し、テンプレート法を用いて多孔質アパタイトコーティング膜を作製し、擬似体液によるin vitro生体親和性の評価を行った結果について報告する。
  • 増本 博, 折居 雄介, 本田 義知, 後藤 孝, 鈴木 治, 佐々木 啓一
    セッションID: 2P088
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    従来の熱酸化法よりも低温で高品質な酸化が期待できる電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマを用いて、チタンのECRプラズマ酸化を行い、酸化時間、酸化温度、酸化圧力などの酸化条件と構造、組織、膜厚およびOCP析出挙動の関係を調べた。ECR酸化時間30min以上、Tsub = 300 ℃以上では、チタン基板表面にRutile相の酸化チタン膜が析出した。酸化温度および時間の増加にともない膜厚および表面荒さは増加した。チタニア膜はリン酸緩衝液への浸漬により石灰化が進み骨伝導性に優れていることがわかった。石灰化後はOCPおよびDCPDの針状結晶が多数観察された。
  • 内野 智裕, 大塚 誠
    セッションID: 2P089
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    非晶質リン酸カルシウム(ACP)は、ヒトの骨の主成分である水酸アパタイト(HAp)の前駆物質として知られている。特に体温付近では徐々に低結晶性のHApに転移する。低結晶性HApはヒトの骨を構成するHApに類似している。この骨類似HApの硬化体を作製できれば、骨と結合し、体内で代謝され易い材料が得られると期待される。さらにこの硬化体を体温付近で作製できれば材料作製中に薬物の導入が可能となり、薬物放出制御が可能な材料が得られると期待される。本研究では0°C付近の低温で合成でき、体温付近で骨類似のHApに徐々に転移するACPを用い、薬物放出制御を目指した骨類似のHAp硬化体を作製しその特性を検討した。
  • 中垣 駿, 平尾 喜代司, 西田 雅一, 加藤 且也
    セッションID: 2P090
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    酵素触媒反応を利用して多種類な有機化合物の合成・分解反応が実用化され、実際の工業プロセスの省エネルギーや省廃棄物に貢献をしている。またシリカ粒子を始めとする酸化物セラミックス化合物は様々な分野で応用されており、その合成方法も多岐に渡っている。通常シリカ粒子はシリコンアルコキシドの酸塩基加水分解・重合反応によって合成されることが多い。本研究では、由来の異なる各種加水分解酵素を触媒として、シリコンアルコキシドの加水分解・重合反応を行った。さらに水溶液による非酵素的分解を最小限に抑えるため、酵素反応溶液とし最近注目されているイオン液体を用いた。
  • 井上 侑子, 行徳 聡人, 鳥飼 紀雄, 渡 孝則, 矢田 光徳, 野田 岩男, 佛淵 孝夫
    セッションID: 2P091
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    チタンやチタン合金をNaOH水溶液中で反応させることにより、それらの表面にチタン酸ナトリウム薄膜が形成される。この薄膜は優れた骨伝導性を有するために、人工股関節用材料への応用が検討されている。我々は抗菌性インプラント開発において、チタン酸ナトリウムのイオン交換能に着目し、チタン酸ナトリウム中のナトリウムイオンを銀イオンに交換するために、酢酸銀水溶液を用いてチタン酸ナトリウム薄膜の銀イオン交換処理を行ったところ、銀-チタン酸銀ナノ複合体薄膜が生成することを見出し、さらに、この薄膜がMRSAに対して高い抗菌性を示すことを明らかにしてきた。本研究では、薄膜の構造評価とともにアパタイト形成能について評価した。
  • 西田 尚敬, 山本 一世, 三輪 利幸, 関野 徹, 田中 俊一郎, 江草 宏, 中村 隆志
    セッションID: 2P092
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    チタン金属表面の親水性を向上することで細胞伸展・接着増殖が亢進することや,アパタイトの核形成を誘起する官能基をチタン金属表面に形成させれば新生骨が形成しやすくなることが報告されている。チタニアナノチューブは高イオン吸着能および超親水性を示し、新生骨生成促進に大きな影響を示すことが考えられる。チタン金属表面にTNTを析出すれば超親水性が付与され、またCaイオン吸着により官能基が形成されやすくなる。そのため、新生骨の生成を早めることが期待できる.そこで歯科用インプラント材料であるチタン金属表面におけるTNT析出条件および骨芽細胞分化に及ぼす影響を検討した。チタン金属表面に化学的手法によりTNT層を形成し、その上にの、成体ラットの大腿骨骨髄から単離した間葉系幹細胞を播種した。骨分化誘導培養で培養した後、サンプルを取り出し、各サンプルにおける細胞観察および元素分析を行った。TNT層から大きなCaとPが検出され新生骨生成に有効であることが示唆された。
  • 寺岡 啓, 加藤 且也
    セッションID: 2P093
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    任意形状、意図的気孔形状、完全連通孔をもつ、リン酸カルシウム製多孔質セラミックスを、微小ユニットの集積により製造する「モザイク多孔体製造プロセス」を提案している。これまで、球状ユニットの集積により上記コンセプトの実証を試みてきたが、ユニット形状精度がユニット集積体の形状、及びユニット間隙構造の再現性に影響を与えることがわかった。本発表では、上記をふまえて開発した、水酸アパタイト製球状ユニットの高精度製造法に関して報告する。上記製造方法の正否を問う評価は、出来上がった球状ユニットの真球度(寸法公差)を基に行う。
  • 大矢根 綾子, 十河 友, 伊藤 敦夫
    セッションID: 2P094
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    発表者らは、タンパク含有リン酸カルシウム過飽和溶液(CP液)に人工材料を浸漬することにより、同材料表面にタンパク担持アパタイト(Ap)層を形成できることを示してきた。タンパク質の分子量と担持効率(CP液中に添加したタンパク質のうち、Ap層中に担持されるタンパク質の割合)との関係について調べたところ、両者の間に相関は認められなかった。一方、タンパク質の等電点と担持効率との間には相関が認められ、塩基性タンパク質よりも酸性タンパク質の方が高い担持効率を与えることが分かった。CP液中におけるAp層中へのタンパク担持過程には、タンパク質とAp結晶との静電的相互作用が重要な役割を果たしていると考えられる。
  • Hyun-Soo Lee, Byung-Ha Lee
    セッションID: 2P095
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    The aim of this research is to study the optimum firing condition for pink-red color development in high temperature glaze by Cr2O3-SnO2-CaO-SiO2 system pigments. The experiment in various firing condition based on Malayaite(CaSnSiO5), the main structure of the color using with CrCl3 as a chromophore, were carried out. Synthesized pigments were analyzed by XRD, FT-IR, Raman Spectroscopy and UV-Vis.
  • Kyu Ri Pyon, Byung Ha Lee
    セッションID: 2P096
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    Using rice husk ash as silica, the influence of the firing temperature and keeping time on the color intensity of the Pr-ZrSiO4 Pigments were investigeted.The Pr-yellow pigments were calcined at 500, 700, 800, 900, 950, 1000, 1100 by ceramic method. The synthesized pigments were chracterised by DT-TG thermal analysis, X-ray diffraction, UV-Vis spectroscopy, SEM-EDAX analysis. The relationship of Zircon phase formation-growth and Pr-yellow color development were evaluated and optimum firing conditions has been determined.
  • 平 靖之, 矢吹 明法
    セッションID: 2P097
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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     今まで研究されてきた光触媒は酸化チタンTiO2をはじめとするd0電子配置の金属イオンが中心であったが,d10電子配置のpブロックの金属イオンを含む酸化物でも光触媒活性が報告されている.f0d0電子配置であるCe4+を含む化合物でも光触媒活性が期待できるが,報告例は少ない.本研究ではCeを含む複合酸化物を合成し,光触媒特性について調べた.  粉末X線回折により,目的の試料が単相で得られていることを確認した.測定した拡散反射スペクトルから360 nm付近で吸収を示すことがわかった.試料を懸濁したメチレンブルー水溶液の吸光度を調べたところ,触媒を添加しない場合と比較して吸光度が減少している.このことから,Sr2CeO4に光触媒活性が認められると考えられる.
  • 加藤 純雄, 角田 伸弘, 小笠原 正剛, 中田 真一, 若林 誉, 中原 祐之輔
    セッションID: 2P098
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    Lnサイトに原子価が変化しやすいPrイオンを含むアパタイト型ケイ酸塩の合成を行い、白金を担持した触媒について、NO還元触媒活性評価および耐久性の検討を行った。Pr9.33Si6O26のPrサイトをSr,Baで置換したPr7.33M2Si6O26-y (M=Sr, Ba)を担体とした場合、Pr9.33Si6O26を担体とした場合に比べて、低温域でのNO転化率が高くなった。触媒の耐久性を評価するために、900℃で25時間のagingを行ったところ、最大NO転化率が低下し、活性発現温度が上昇したが、PrサイトをSrまたはBaで置換した組成ではagingによる活性低下が抑制された。
  • 渡辺 雄二郎, 山田 裕久, 生駒 俊之, 田中 順三, 守吉 佑介, 藤永 薫, 小松 優
    セッションID: 2P099
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    層状複水酸化物(LDH)は層間に様々な陰イオンや分子をインターカレーションすることが出来る。そのため、湖沼の富栄養化物質であるリン酸イオンの除去材や薬剤などの取り込みによる薬物輸送システム(DDS)材料への応用が検討されている。しかし、LDHは酸性から中性の水溶液中での安定性が低いため、使用条件が限られている。そこで低溶解性と生体親和性の性質を持つアパタイトとLDHとの複合化に着目した。本研究ではリン酸イオンを層間に持つ2:1型Mg-Al系LDH球状粒子とアパタイトとの複合化を検討した。
  • ジャハ ヴィナイ クマール, 林 滋生
    セッションID: 2P100
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    天然ゼオライト(秋田県産クリノプチロライト)の化学的,及び機械的(粉砕)処理によるアンモニウムイオン保持量の向上について検討した。化学的処理として,粉末状のゼオライトをNaOH水溶液に所定の時間攪拌・浸漬した。また機械的処理として,遊星回転ボールミルで所定の時間,水を用いて湿式粉砕を行った。得られたクリノプチロライト試料のアンモニウムイオン保持量は,上記の化学的・機械的処理により大きく増加し,これらの処理が有効であることが示された。特に機械的処理においては,メカノケミカル効果によりゼオライト構造が崩壊しながら高いイオン保持量が保たれるという,興味深い結果が得られた。
  • 岡野  聡, 西平 尚史, 山室 佐益, 田中 寿郎
    セッションID: 2P101
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    ビーズミル粉砕において、ビーズ径が及ぼす粉砕への影響について研究を行った。試料作製として、蒸留水を溶媒とした市販のアナターゼ型酸化チタン溶液に対して極小ビーズで0~10hの粉砕処理を行った。使用するビーズ径はφ=0.3mmまたは0.1mmのものを用いた。その結果、φ=0.1mmで粉砕したものは比較的粉砕が進まず、結晶性は大きく低下した。これらの結果から、ビーズ径が与える粉砕挙動・触媒活性への影響は大きいと言える。ビーズ径の3倍の違いは、衝撃エネルギーに換算すると26倍になる。このため、小さいビーズでは衝撃エネルギーが小さいために粉砕まで至らず、格子欠陥や歪として残存したものと考えることができる。
  • 濱田 幸隆, 小野木 伯薫, 山崎 友紀, 中平 敦
    セッションID: 2P102
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    メソポーラスシリカは規則的に配列された非常に均一なメソ細孔を持ち、高い比表面積を有することから多様な応用展開が期待されている材料である。しかしメソポーラスシリカを合成した場合通常粉末状でしか得られないという問題があり、その利用が制限されてきた。そこで本研究では高温、高圧のオートクレーブ中で、常圧より高い圧力下で高温の水蒸気を利用する蒸気処理に着目した。一軸加圧成形により作製したバルク体に蒸気処理を行うことにより粒子間にネックを形成させることが可能となり、強固なバルク体の作製が期待できる。本研究ではメソポーラスシリカMCM-41を用いて蒸気処理によりバルク体を作製し評価を行った結果を報告する。
  • 原本 理恵, 武井 貴弘, 米崎 功記, 熊田 伸弘, 木野村 暢一
    セッションID: 2P103
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    近年、環境問題やエネルギー需要の問題が深刻化している。光触媒は、それらの問題を改善する事に対して非常に有用な材料である。現在5価のBiを含む酸化物の光触媒についての報告がいくつかなされているが、依然として光触媒研究の主流はTiO2であり、5価のBiを含む酸化物についての研究はあまりなされていない。そこで本研究では、新たな5価のBiを含む酸化物の合成および光触媒特性の評価をおこなった。
  • 杉本 圭次郎, 久保 敬, 田尻 駿介, 小野木 伯薫, 山崎 友紀, 中平 敦
    セッションID: 2P104
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    酸化チタン(チタニア)を高濃度のアルカリ水溶液で水熱処理することにより合成されるチタニア誘導ナノチューブは環境・エネルギー分野での応用が期待されている。このような水熱合成ナノチューブは、シートがスクロールする機構により生成すると報告されているが、近年、結晶成長機構説も報告されており、その詳細は解明されるに至っていない。これは、水熱プロセスおいて、ナノチューブの前駆体とされるナノシート単一相の合成が困難であり、その評価が十分なされていないことが要因の1つに挙げられる。 本研究では、出発原料に金属チタンを用い、水熱プロセスにおける処理条件を制御することにより、チタニア誘導ナノチューブの前駆体であるナノシート単一相の合成とその評価について報告する。
  • 内堀 大輔, 濱上 寿一
    セッションID: 2P105
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    水素は燃焼後に二酸化炭素を排出しない次世代のクリーンなエネルギー源として期待され、燃料電池自動車、定地型燃料電池、水素ステーションなどの実用化に向けた研究・開発が精力的に遂行されている。一方、水素は可燃性と爆発性を有する危険なガスでもある。そのため、安全・安心な水素エネルギー社会を実現するためには、水素の漏洩を検知するための高性能な水素センサの開発が重要となる。われわれは、Pd金属が室温において水素と反応し水素化物を形成することを利用した室温作動型水素センサに関する研究を遂行している。水素検知における応答時間と回復時間を向上させるために、Pdの表面積の増加は有効であると考えられる。そこで、本研究では、サイズの異なる単分散高分子球状粒子を用いたテンプレート法により孔径の異なる多孔質Pd薄膜を作製し、水素センサ特性に与える孔径の影響について調査した結果を報告する。
  • 西尾 吉豊, 小澤 正邦
    セッションID: 2P106
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    本研究では、燃焼触媒用の担体として、アルミナ系の担体材料の高温変化を検討して新規セラミックスを作製した。
  • 前田 浩孝, 岡田 大邦, 石田 秀輝
    セッションID: 2P107
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    あるサイズのメソ細孔は、毛細管凝縮により水蒸気を吸着・放出する特性を有するために湿度制御に寄与する。マイクロ細孔を有するゼオライトにメソ細孔を付与することにより、ゼオライトのマイクロ細孔による臭気除去と、メソ細孔による調湿性能が期待できるために、室内における快適空間創出材料としての利用が考えられる。水熱反応において生成するケイ酸カルシウム水和物である針状結晶のトバモライトは、その絡み合い構造によりメソ細孔を形成することを報告した。本研究では、トバモライト/ゼオライト多孔質複合体を合成し、ガス吸着特性について評価を行った結果、作製した複合体は、ゼオライトやトバモライトよりも高いアンモニアガス吸着特性を示した。
  • 田中 美帆, 奥谷 猛
    セッションID: 2P108
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    米の生産で副生する籾殻には71-87wt%のセルロースなどの有機質と13-29wt%の無機質が含まれ、その無機質のうちの87-97wt%はSiO2である。籾殻中のSiO2は外皮と内皮のクラクチ層に2.4:1(重量比)の割合で存在しているが、シリカが存在する領域でもセルロースなどの有機質が共存している。SiO2は灌漑水中にわずかに溶けているケイ酸イオンを根を通して吸収され、導管を通って籾殻の表皮細胞から蒸散する際にSiO2としてクチクラ層に蓄積される。このような構造の籾殻の有機質を不活性ガス中で加熱して有機質を炭化し、この炭化物からSiO2を取り除くとSiO2をテンプレートとした活性炭が製造できる。籾殻を700℃窒素中で処理して得られた籾殻炭化物から3270m2/gの表面積を持つ活性炭が得られた。本研究では、籾殻を炭化して活性炭を製造し、その性状を調べた。
  • 山田 祐貴, 小澤 正邦
    セッションID: 2P109
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    空気浄化用の吸着剤は民生用や工業的プロセスにおいて広く使用され重要なセラミックス材料である。大気汚染の原因の一つである揮発性有機化合物(VOC)はシックハウス症候群等への影響が問題となっている。本研究は、各種セラックスの吸着脱離特性を調べた。
  • 松倉 佑介, 奥村 健, 大石 克嘉
    セッションID: 2P110
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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     これまで,我々は,Li2CuO2の単一相の合成に成功し,そのCO2吸収率の温度依存性について報告した。その結果,Li2CuO2は40.2 mass%(Li2CuO2 1 gあたり0.402 gのCO2に相当)の最大CO2吸収率を示した。この値は,Li4SiO4の最大CO2吸収率36.7 mass%(Li4SiO4 1 gあたり0.367 gのCO2に相当)を上回る値である。  本研究では,このLi2CuO2のCO2吸収の見かけの反応速度定数kを算出し,反応速度論的な解析を行った。その結果,Li2CuO2のCO2吸収の見かけの反応速度定数kは,670~700℃でLi4SiO4のCO2吸収の見かけの反応速度定数kより約3倍高い値が得られた。また,660~680℃の間で見かけの反応速度定数kの急激な上昇が見られた。この傾向は,Li4SiO4のCO2吸収の見かけの反応速度定数kの傾向と一致している事が分かった。
  • 後藤 公佳, 奥村 健, 榎本 公典, 大石 克嘉
    セッションID: 2P111
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    CO2吸収材であるリチウムシリケート(Li4SiO4)に関する既報の文献からLi4SiO4のCO2吸収反応の速度はLi4SiO4粒子の表面状態の変化に依存するという事が示唆されている。そこで本研究では温度・雰囲気の制御が可能な高温レーザー顕微鏡を用いて,CO2吸収中のLi4SiO4粒子表面のその場観察を行い,反応機構の解明を試みた。この際,従来の固相法合成により得られるLi4SiO4では粒子が小さく観察が困難であるため,錯体重合法を用いて合成を行い,十分に粒子径の大きなLi4SiO4試料を得た。さらに,この試料を用いたCO2吸収反応の観察によって,620~700℃のCO2吸収速度が急上昇する温度領域においてLi4SiO4の粒子表面に明らかな変化が現れるということが確認された。
  • Bok-Hee Kim, Byeong-Hwa Moon, Min Chen, Byung-Guk Ahn
    セッションID: 2P112
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3-La2NiO4+δ(LSCF-LNO) system was designed as the cathode material for IT-SOFC. No chemical reaction between the two constituents was detected in the binary system sintered at 1400°C. Among the LSCF-LNO system, 50 vol% LSCF-50 vol% LNO shows the relative density above 96% from 1200°C sintering and sufficient electrical conductivity of 157.7 S/cm at 800°C. This composition has moderate thermal expansion coefficient of 14.5 x 10-6 K-1 between 20 and 800°C for IT-SOFC and shows the polarization resistance of 1.05 Ω·cm2 at 800°C.
  • 谷 淳一, 高橋 雅也, 木戸 博康
    セッションID: 2P113
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
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    マグネシウムシリサイド系熱電材料Mg2X (X=Si, Ge, Sn)は、原料が安価で高性能な熱電変換材料として注目を集めている。しかし、Mg2X の熱電性能は高温での酸化や揮発により劣化することから、大気中、中高温度域でMg2X系熱電材料を使用することはできない。Mg2X系熱電材料の実用化のためには、その酸化メカニズムの解明や酸化を抑制するための耐酸化膜などの検討が必要と考えられる。鉄ケイ化物は耐酸化性良好な熱電材料として知られており、酸化防止用の被覆膜としても有望であると考えられる。本研究では、マグネシウムシリサイド系熱電材料上への耐酸化膜の検討として、スパッタリング法による鉄ケイ化物膜の作製を行い、マグネシウムシリサイド系熱電材料の酸化抑制効果について詳細に検討を行った。鉄ケイ化物の膜厚が0.7ミクロンとなる400W、15分間のスパッタリング条件では膜の剥離が観測されなかった。鉄ケイ化物膜をスパッタしたMg2Si焼結体は、873 Kで3 h熱処理しても酸化が認めらないことが分かった。
  • 安川 雅啓, 河野 敏夫, 植田 和茂, 柳 博, 細野 秀雄
    セッションID: 2P114
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    クエン酸錯体重合法と放電プラズマ焼結法を用いて作製したペロブスカイト型LaドープBaSnO3セラミックスについて,高温での電気伝導率及びゼーベック係数の測定から,高温電気伝導特性のLa固溶量による変化及び熱電出力因子に関するLa最適組成を調べた.Ba1-xLaxSnO3における室温でのLa固溶限は,粉末X線回折から求めた格子定数のLa濃度依存性からx=0.03程度であった.これは,拡散反射スペクトルから求めた光吸収スペクトルにおいて,La固溶にともなう近赤外光の電子キャリアによる吸収増大挙動と一致した.x=0.05のセラミック試料は,電気伝導率とゼーベック係数の温度依存性からN型縮退半導体的挙動を示した.講演では,高温電気伝導特性のLa固溶量による変化や熱電出力因子の温度依存性及びLa濃度依存性について報告する.
  • 月ヶ瀬 弘樹, 鈴木 義和, 吉川 暹
    セッションID: 2P115
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    次世代型の太陽電池として注目されている色素増感型太陽電池(Grätzel cells)には,主に増感剤としてRu錯体をはじめとする有機色素が用いられるが,耐久性やコスト,資源的制約などの問題を抱えている.増感剤に無機半導体化合物を用い,ナノレベルで制御することで,量子サイズ効果などのバルクとは異なった光学特性が生じ,性能の向上が期待できる.今回,資源的な制約が少なく,毒性が低く,さらに吸光係数が高い硫化スズを増感剤に選択し,SILAR法でTiO2電極に吸着させることで,太陽電池への応用を試みた.
  • 速水 裕, 鈴木 義和, 佐川 尚, 吉川 暹
    セッションID: 2P116
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    基板から垂直に成長した無機酸化物の1D-ナノロッドアレイは、高比表面積化や、優れた電子パスとしての興味から広く研究されており、色素増感太陽電池の電極、光触媒、ガスセンサーなどへの応用が期待されている。当研究室では、これまで酸化亜鉛ナノロッドアレイを電極として用い、従来の微粒子焼結体と比較して高効率の色素増感太陽電池の研究を報告してきた。今回我々は、低コストかつ低環境負荷の液中プロセスにより四塩化チタンからのチタニアナノロッドアレイの合成に成功したので報告する。
  • 水杉 真也, 永井 正幸
    セッションID: 2P117
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    色素増感太陽電池の変換効率を向上するために、H2TiO3、H2O2、NH3を用いて水熱合成を行い、TiO2ナノロッドを作製した。作製したTiO2ナノロッドをX線回折(XRD)、走査型電子顕微鏡(SEM)で調査した。その結果、長径480 nm、短径65 nmのアナターゼ型TiO2が生成していることがわかった。
  • 米山 大介, 永井 正幸
    セッションID: 2P118
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    H3OTi2NbO7のように結晶構造が二次元的な化合物は、層間への助触媒の導入により層と層間物質との相互作用を利用することができ電荷再結合の抑制、助触媒の微粒子化による量子サイズ効果の発現など、光触媒活性の制御や特性向上が報告されている。まずはCsTi2NbO7を固相法で作製した。この試料をHCl溶液でイオン交換を行い、H3OTi2NbO7を作製した。その後この試料を尿素溶液と混合、50 ℃で乾燥させ、その後500 ℃で焼成し窒素ドープを行った。今回はH3OTi2NbO7と尿素との重量比がそれぞれ1:0.5、1:1、1:2 の3種類の試料を作製した。窒素ドープを行ったすべての試料において、吸収端波長が可視光側にシフトしたことが確認された。
  • 塩澤 優樹, 永井 正幸
    セッションID: 2P119
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    層状構造を有する光触媒KTiTaO5は、イオン交換、層間剥離など、様々な特性を持つと知られている。KTiTaO5を固相反応法と錯体重合法で作製した。酸化鉄ナノ粒子を作製試料の層間へインターカレートした。その結果、インターカレートした試料の吸収端波長は、500-600nmの範囲へシフトした。
  • 菅原 徹, 大瀧 倫卓, 相馬 岳
    セッションID: 2P120
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    ダブルペロブスカイト型酸化物 Sr2FeMoO6 の A サイトを Ba で置換し,結晶構造と熱電特性を検討した. Rietveld 法を用いて結晶構造の精密化を行なったところ,置換量が増加するにつれて,B'-O-B'' 結合角が 180 度に近づく傾向が観察され,置換量が増加するにつれて BO6 八面体の傾きが減少するように回転していることが明らかとなった.結果として最大の無次元性能指数は,Sr0.4Ba1.6FeMoO6 試料において 0.31 に達した.
  • 野口 裕祐, 永井 正幸
    セッションID: 2P121
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
     本研究はZnOをナノロッド状に制御した基板を作製し、MgO薄膜でコーティングしVoc、変換効率の向上を試みた。ZnOをコアとし酸化マグネシウム(MgO)で表面をコーティングしコアシェル構造にすることで酸化物半導体層表面の等電点がZnOのpH7からMgOのpH12に変わることでの電池性能の改善を試みた。作製したナノロッドは直径60nm長さ7μmであった。I-V測定によると、VocはZnOナノロッド基板では627mV、MgOコーティング後では660mVであり、また変換効率ではコーティング前では0.125%、MgOコーティング後では0.130%であった。
  • 木戸 博康, 高橋 雅也, 谷 淳一
    セッションID: 2P122
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    環境負荷が小さく、低コストで、軽量、高出力の熱電素子を作製するための基礎研究として、室温でのシリサイド薄膜熱電材料の作製法を検討している。現在、室温作製した鉄シリサイド薄膜は非晶質部を含み、熱電特性を低下させている。そこで、Nd:YAGレーザを短時間照射することにより、非晶質鉄シリサイドをβ-FeSi2化することを試みた。その結果、レーザ照射により、β化が可能であることが明らかとなった。
  • 井川 直樹, 田口 富嗣, 深澤 裕, 山内 宏樹, 内海 渉
    セッションID: 2P123
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    Liイオン二次電池の新しい正極材料の候補であるLiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2を合成し、高出力化や安定性に関与する重要な因子である結晶構造とLi拡散経路を中性子回折法により検討した。結晶構造は空間群がR-3mであり、3a、3b、6cの各サイトを各々Li、(Co, Ni, Mn)、酸素が占める。Liサイトの一部にNiが入り込んでおり、その置換率は約3.8%と見積られた。MEM解析の結果、c軸に平行な面上でLi密度分布が広がりを見せ、Liは3a-9e-3aサイトを経由して伝導していることが分かった。
  • 山谷 倫央, ペトリキン ヴァレリー, 垣花 眞人
    セッションID: 2P124
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    アモルファス金属錯体法を用いて、酸化物水分解光触媒Ca6Ti2Ta8O30, Sr6Ti2Ta8O30, Ba6Ti2Ta8O30, Sr3Ti4Ta4O21, Ba3Ti4Ta4O21, Ba3Ti5Ta3.2O21の合成を試み、その水分解光触媒特性を評価した。各試料に助触媒としてPtを担持し、紫外光照射下における水素生成活性を測定したところ、いずれの試料も1000 μmol / hを超える活性を示した。さらに、焼成条件とPt助触媒担持量の最適化を図ったところ、Ba3Ti4Ta4O21が焼成条件900℃-2 h、Pt助触媒担持量1 wt.%のときに、メタノール-水溶液から9673 μmol / hという非常に高い水素生成活性を示した。
  • 長嶺 健太, 本間 剛, 小松 高行
    セッションID: 2P125
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    近年,リチウムイオン二次電池の新規正極材料としてリン酸遷移金属リチウム結晶が注目を浴びている。本研究では,ガラス結晶化法のLiVOPO4結晶合成への適用を試みた。33.3Li2O-33.3V2O5-33.3P2O5前駆体ガラスを熔融急冷法にて作製した。前駆体ガラスを600°Cで熱処理することにより,β-LiVOPO4結晶の合成に成功した。この結晶の電気伝導率は室温でおおよそ10-7Scm-1であった。ガラス結晶化法によって合成されたβ-LiVOPO4結晶の充放電特性が明らかとなった。
  • 山崎 喬裕, 木練 透, 藤本 正克, 前 英雄, 安盛 敦雄, 西尾 圭史
    セッションID: 2P126
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    常温で稼動でき、かつ非常に安価に製造が可能なセンサとして、ガスクロミズムを応用した水素ガスセンサを開発し、評価を行った。また、更なる正確な濃度測定精度から活性表面積の増加を目的とし、多孔質化を試みるため、WCl6/EtOH溶液に界面活性剤として知られるCTABを添加した。無アルカリガラス基板上にWCl6-CTAB/EtOH溶液とPt-PVP/EtOH溶液を指定の回数スピンコートと乾燥を行い、400℃、10分で焼成を行うことで試料を得た。光学的評価および電気化学的評価を行い、特に光学的測定で反応速度が向上した。また、電気化学的評価および表面観察結果から、WO3薄膜の多孔質化に成功した可能性が高いことが判った。
  • 末弘 祐基, 福島 孝明, 鈴木 真也, 宮山 勝
    セッションID: 2P127
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    AサイトにLiイオンを導入した新規層状ペロブスカイトナノシートを合成した。
    Li2SrTa2O7(LST)のAサイトを置換した層状ペロブスカイトを固相法により合成し、粉末X線回折及びリートベルト法により結晶構造を解析した。その結果、LSTと同じI4/mmmの空間群を持つLi2(Sr0.1La0.5Li0.30.1)Ta2O7がほぼ単相で得られたことが分かった。これを水酸化テトラメチルアンモニウムを用いて層剥離させた。原子間力顕微鏡による観察から、幅100~400nm、厚さ4~10nm程のナノシートが得られたことが分かった。また、ICP発光分析からAサイトにリチウムが導入されていることも明らかになり、AサイトにLiイオンを導入した層状ペロブスカイトナノシートを初めて合成した。
  • 大幸 裕介, 矢澤 哲夫
    セッションID: 2P128
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    植物資源(バイオマス)を原料とする燃料用バイオアルコールは、石油代替エネルギーとして注目され、例えばエタノールの場合、年間世界生産量が2001年以前の2,000万kL程度から2006年には5,000万kL程度に達し、今後もさらに世界各国で生産量を増加させる計画が進められている。穀類や糖類に代わり、木質セルロースや廃材など様々な原料からエタノールやブタノールなどを製造する技術開発が盛んに進められている。酵母による発酵法では、濃度4~10 重量%のエタノールが得られるが、車載用燃料として利用する場合、エタノールを99.5重量%程度にまで濃縮する必要がある。現在のところ、バイオアルコールの濃縮には多量の熱エネルギーを必要とする蒸溜法が用いられており、少ないエネルギーで高効率に水とアルコールを分離する技術の確立が強く求められている[1]。エタノールは水と任意の割合で混合するものの、アルキル鎖のために疎水的な性質を有する。そこで本研究では、交互積層法を用いて単分散シリカ微粒子の表面を全フッ化スルホン酸高分子(Nafion)超薄膜で修飾することで粒子表面を疎水化し、粒子表面の親水および疎水性の違いを利用して水とアルコールの高速分離を試みた。
  • 宮崎 怜雄奈, 唐橋 大樹, 熊谷 直樹, 野田 泰斗, 安東 真理子, 高村 仁, 前川 英己, 松尾 元彰, 折茂 慎一
    セッションID: 2P129
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    LiBH4は約115℃で結晶構造が斜方晶(低温相)から六方晶(高温相)に変化することで10-3S/cmオーダーの高いリチウムイオン伝導性が発現することが確認された[1]。LiBH4の高いリチウムイオン伝導度を利用して軽量な固体電解質としての応用が考えられるが、転移温度以下での伝導度が低いことが問題となる。そこで我々はLiBH4にヨウ化リチウムをはじめとするハロゲン化リチウムを固溶させることで転移温度を低下させ、室温においてもLiBH4の高いリチウムイオン伝導度を保持することに成功した[2]。今回は作製した固溶体の電気化学的特性について調べ、電池を作製しその特性を評価することを目的とした。
  • 徳留 弘優, 大瀧 倫卓
    セッションID: 2P130
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    希土類金属をアルミニウムとともにZnOに共ドープしたn型酸化物材料を作製し、その熱電変換特性を調べた。 固相法サンプルにおいて、アルミニウムとともにZnOにドープする希土類金属の種類により、室温の導電率が大きく変化し、ある希土類金属(REM-A)をドープした場合に、特異的に高い導電率を発揮することが分かった。このREM-AとAlを共ドープしたZnOの熱電物性を測定した結果、Zn0.98Al0.02Oに比べ、熱伝導率が若干低下し、ゼーベック係数が向上することで、優れた熱電物性(ZT=0.41 at 973℃)を発揮した。また、共沈法を利用して作製したサンプルでは更にゼーベック係数が向上し、973°Cで出力因子は2.5*10-3 W/mK2 で、ZTは0.58を示した。
  • 早川 博, 船曳 富士, 木嶋 倫人, 秋本 順二
    セッションID: 2P131
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    Na3-xTi4O9型トンネル構造を有する新規化合物Na2.7MnTi3O9を固相反応法により900℃で合成した。その結晶データは単斜晶系、空間群C2/m、格子定数 a = 2.301 nm, b = 0.2918 nm, c = 1.068 nm,β= 102.9であった。さらに、LiNO3溶融塩を使ったLi/Naイオン交換処理によってNa化合物と同形のLiイオン交換体、Li2.7MnTi3O9の合成にも成功した。得られたLi交換体Li2.7MnTi3O9の電気化学的充放電測定を行った。
  • 及川 格, 安東 真理子, 野田 泰斗, 前川 英己, 雨澤 浩史, 清野 肇, 清水 禎, 丹所 正孝
    セッションID: 2P132
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    希土類元素を添加したBaZrO3はプロトン伝導性を示すため、固体酸化物型燃料電池(SOFC)の電解質材料として期待されている。本研究では、ドーパントとしてNMR感度の高いScを用いたBaZrO3の欠陥構造を45Sc NMRにより解析した。試料は、所定の量の原料を混合し、固相反応法を用いて作製した。45Sc MAS-NMR測定の結果より、異なる化学的環境にあるScの信号が観測された。これらの信号は、6配位および5配位のScとプロトンの影響を受けたScによるものであると推察された。
  • 熊谷 直樹, 宮崎 怜雄奈, 唐橋 大樹, 野田 泰斗, 安東 真理子, 高村 仁, 前川 英己, 松尾 元彰, 折茂 慎一
    セッションID: 2P133
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    LiBH4において約390K付近での相転移(斜方晶→六方晶)に伴う超イオン伝導相が見出された[1]。イオン伝導率は相転移により約1000倍増大し10-3 Scm-1オーダーの伝導度が発現する。しかし、室温における伝導度は低く転移温度の低温化とイオン伝導の活性化エネルギーの低下が望まれる。今回LiBH4へのハロゲン化リチウムの固溶により転移温度の低温化が達成された[2]。LiIを始めとするハロゲン化リチウムの固溶によるLiイオン伝導度に関する考察を行った。
  • 片野 晃裕, 大石 知司
    セッションID: 2P134
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    透明瓶上へのリサイクル瓶用着色膜の開発を行った。透明瓶上にラテント化顔料を含有させたシリカ変性エポキシ膜をゾルゲル法によって膜形成した。ついで熱処理を行うことで、リサイクル瓶用着色膜が形成可能である。この膜は高硬度で、耐アルカリ性が高い。さらにこの薄膜は高温処理により燃焼し無色透明となり溶融リサイクルが可能になる。
  • 谷口 貴章, 松下 伸広, 渡辺 友亮, 吉村 昌弘
    セッションID: 2P135
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    無機化合物ナノ粒子はナノテクノロジー分野において重要な材料の一つであり、その合成、物性、応用について盛んに研究されている。酸化物ナノ粒子に合成には熱分解法が広く用いられている。熱分解法では金属錯体を高沸点溶媒で反応させ酸化物を得る。しかし、この合成法では組成の制御による材料特性の制御が困難である。複合酸化物を得るために2種以上の金属錯体を熱分解させたとしても、異なった金属種が同時に熱分解されるとは限らない。金属アルコキシドとハロゲン化金属の交差重合を用いることにより熱分解法を固溶体ナノ粒子の合成に応用させることが可能であると提案されているが、HfO2-ZrO2といった化学特性が近い金属酸化物間の固溶体にしか適用されていないのが現状である。更に、有毒な有機溶媒、反応性の高い金属アルコキシドの使用が工業的な利点であるとは言い難い。本発表では、オレート錯体を用いた複合酸化物ナノ粒子の合理的な水熱合成法について報告する。
  • Venkatachalam Nallusamy, Yoshihito Okumura, Kohei Soga
    セッションID: 2P136
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    Yttrium hydroxyl carbonate (Y(OH)CO3) precursor nanoparticles were synthesized by the homogeneous precipitation method with the presence of polyacrylic acid (PAAc). Resultant precursor particle size is about 20-30 nm with narrow distribution whereas the particle size is smaller than those acquired by the absence of PAAc. The particle size of the precipitated precursor without the PAAc addition has 230 nm with wide distributions. It was demonstrated that calcination of precursor materials at 1100 0C eventually removes the organic residues and inorganic anions from the precursors and subsequently provided well crystalline Y2O3 nanoparticles which was evident from FT-IR, XRD, FE-SEM and TEM analysis. Likewise, Er3+ doped Y2O3 nanoparticles obtained by the above method gives bright green (550 nm) and red (660 nm) upconversion emission under 980 nm excitation which are useful as bio-imaging probe.
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