SPMEはWaterloo大学(Ontario, Canada)のPawliszyn等により開発された固相抽出法の一種で、従来の溶媒抽出法や固相抽出法によるサンプル調整法に比べて手軽で安価、且つ精度の高い分析法である。開発当初は環境分析に応用されていたようで、水中の残留農薬や薬剤の定量に使われていたが、近年、食品分野や香料分析、あるいは体臭の分析など様々な分野に応用例が拡大している。本稿ではSPMEをヘッドスペースで用いる方法(以下HS-SPME)を中心に、その原理と近年の応用例について、主に動物の生体中揮発性成分の分析を中心に解説する。
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