日本神経回路学会誌
Online ISSN : 1883-0455
Print ISSN : 1340-766X
ISSN-L : 1340-766X
12 巻, 2 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
巻頭言
解説
  • —可解神経回路モデルと複雑なニューロンモデル—
    岡田 真人
    2005 年 12 巻 2 号 p. 87-93
    発行日: 2005/06/05
    公開日: 2011/03/28
    ジャーナル フリー
    プラットフォームシミュレータの意義を可解神経回路モデルとの関係で述べる.これまで,主に統計力学的手法を用いて二値ニューロン系やアナログニューロン系の解析が行われており,アトラクターの安定性や引き込み領域等が理論的に求められて来た.一方,近年Integrate-and-FireニューロンやHodgkin-Huxleyモデルに代表されるようなスパイキングニューロンモデルから構成される神経回路モデルが,主に数値解析的手法で研究されるようになってきた.本解説では,アナログニューロンや位相振動子から構成される解けるモデル(可解モデル)の知見が,より複雑なニューロンモデルから構成される系の性質の理解と設計に本質的な役割を果たす事を,我々のグループがおこなってきた研究を例にとり紹介し,現実的な観点からプラットフォームシミュレータが有用であることを示す.
  • 相原 威, 西山 誠, 浦久保 秀俊
    2005 年 12 巻 2 号 p. 94-99
    発行日: 2005/06/05
    公開日: 2011/03/28
    ジャーナル フリー
    近年,スパイクタイミング依存性可塑性(STDP:Spike Timing Dependent Plasticity)が注目され,シナプス後細胞を逆伝播する活動電位とシナプス前細胞からのシナプス入力のタイミングに依存して誘起されるLTP/LTDの報告がなされている.本解説はNEURONシミュレータを用いて,海馬CA1野ニューロンの生理実験データに即したモデルシミュレーションを行うことにより,STDP誘起時におけるデンドライト上の情報処理に関して(1)シナプス増強の場所依存性,(2)細胞近傍の入力による逆伝播活動電位のゲーティング作用,及び(3) STDPへの抑制性細胞による影響,について考察を行った結果を報告する.
  • 樹状突起の理解へ向けて
    青西 亨, 宮川 博義, 井上 雅司, 岡田 真人
    2005 年 12 巻 2 号 p. 100-106
    発行日: 2005/06/05
    公開日: 2011/03/28
    ジャーナル フリー
    脳研究においては,実験家と理論家の間でモデルや理論の共有が出来ていない.脳はあまりにも複雑すぎて,研究者間で統一した記述のモデルが存在しない.また,脳を解析するために利用できる理論が存在する.しかし,モデルが共有できていない状況において,モデルに強く異存した理論を共有するのは難しい.この状況を打破してくれるのが,NEURONシミュレータをはじめとするプラットフォームシミュレータである.本稿では,NUERONシミュレータを介してモデルと理論的な自由度低減法である摂動法を共有して,理論家と実験家の協力で行っている研究を詳解する.今まで知られていない活動電位発生メカニズムや樹状突起の逆伝搬活動電位のシナプス情報統合における役割を述べる.
  • 菊地 進一, 関山 和秀, 松原 嘉哉, 山岡 淳子, 竹居 光太郎, 岡 浩太郎, 冨田 勝
    2005 年 12 巻 2 号 p. 107-112
    発行日: 2005/06/05
    公開日: 2011/03/28
    ジャーナル フリー
    従来の神経細胞のモデリング研究は電気生理学的アプローチであった.我々は分子生物学的なシグナル伝達のシステムを解析している.本稿では,バイオインフォマティクスやシグナル伝達のモデリング研究の動向について概説する.また,近年発表した海馬の長期増強(Long term potentiation,LTP)のモデル論文を紹介し,モデルで提唱された仮説の実証実験に関する近況を報告する.
  • 宮川 博義, 渡部 重夫, 井上 雅司
    2005 年 12 巻 2 号 p. 113-119
    発行日: 2005/06/05
    公開日: 2011/03/28
    ジャーナル フリー
連載
報告
受賞概要
会報
編集後記
feedback
Top