目的:COPD患者のストレス認知が精神的健康に及ぼす影響過程に対して,対処方略(“積極的対応”“自己コントロール”“病気の再解釈”)が調整要因として機能するのかどうかを検討することである.
方法:COPD患者95名を分析対象として,精神的健康を従属変数とする階層的重回帰分析を用い検討した.さらに結果が有意であったものについては,交互作用効果について下位検定を行った.
結果:“病気の再解釈”に精神的健康への調整効果(β=−.439, p<0.01)が認められた.下位検定では,“病気の再解釈”が低い場合には,ストレス認知が精神的な健康を悪化させるが,“病気の再解釈”が高い場合には,ストレス認知度の高低で精神的健康に及ぼす影響には違いが認められなかった.
結論:ストレス認知の程度が高くても対処方略として病気の再解釈を用いる頻度が高ければ精神的な健康が維持されることが示された.COPD患者の精神的な健康の維持を図るうえで,肯定的な意味づけができるように看護介入していくことの必要性が示唆された.
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