土壌のガス組成は, 植物根や微生物の呼吸や物理・化学反応により, 分子状酸素が消費される一方で二酸化炭素, および条件により硫化水素, メタンなどのガス状物質が生成するため大気とは異なり, また場所により不均一である。そして, ガス成分の濃度勾配を小さくする向きに生じるガス拡散, および風や雨水の浸透, 気圧の変動などによって生じるガスの対流型移動 (マス・フロー) のために, 土壌ガスはたえず動き, その組成は変動している。この2つの型の移動が土壌間隙の幾何に依存する機作は異なり, マス・フローは間隙径分布に, 拡散は拡散に有効な連続間隙の総体積と屈曲度に強く依存する。土壌-大気間のガス交換への寄与は後者が大きいと考えられる。また, 液相中のガス移動や土壌におけるガスの測定法についても述べた。
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