人々は, 集住地を流通する農業用水路に, 各種の装置や, 場 (洗い場, 水車小屋など) を設け, 多面的利用「行為」を施し, 水による多くの恩恵に浴してきた。
本報は, この多面的水利用形態に着目し, 水利用「行為」の密度, 分布の相違要素を抽出し, 全国各地の水路の類型化を試みたものである。
調査の方法は, 水利用形態の「行為」項目を34に区分し, 全国各地から抽出した50水路を調査員が踏査し各項目の有・無を点検, 集計し, 分析した。
この分析結果から, 水路の類型化を条件づける「要件値」を抽出した。この「要件値」にもとづき50の水路を5種のクラスに分類したものである。
抄録全体を表示