ペット栄養学会誌
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26 巻, Suppl 号
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日本ペット栄養学会 第24回大会
シンポジウム ペットのサプリメント最前線
市民公開講座
一般演題
  • 小沼 守, 佐藤 逸郎, 久山 昌之, 加藤 郁, 村上 彬祥, 大島 誠之助
    2023 年 26 巻 Suppl 号 p. suppl_27-suppl_28
    発行日: 2023/06/30
    公開日: 2023/07/20
    ジャーナル フリー

    難治性で予後不良のレトロウイルス疾患として、ネコ免疫不全ウイルス(Feline immunodeficiency virus; FIV)感染症およびネコ白血病ウイルス(Feline leukemia virus; FeLV)感染症がある。一定の抗ウイルス能のあるEnterococcus faecalisに加熱殺菌処理後、高密度濃縮した乳酸菌素材「EC-12」を、FeLVおよびFIVの感染したネコ8頭に給与試験を実施したところ、FIVでは陽性率100% (3/3)と効果が認められなかったものの、FeLVに対しては約5か月後の陽性率が40% (2/5)となった。

  • 法橋 亜都子, 柿山 明香, 志波 優, 鈴木 英梨香, 加賀 千晶, 小林 稔秀, 野本 康二, 水澤 直美
    2023 年 26 巻 Suppl 号 p. suppl_29-suppl_30
    発行日: 2023/06/30
    公開日: 2023/07/20
    ジャーナル フリー

    腸内環境の良化は健康維持や疾患予防に重要である。本研究は、ガラクトオリゴ糖(GOS)の継続摂取が犬の腸内環境に与える影響およびそれに伴う保健効果を評価することを目的とした。一般家庭で飼養されている健康な犬26匹を対象にGOSを8週間摂取させた結果、糞便中のプロピオン酸産生菌および有機酸の増加、有害菌、腐敗産物、血清中尿毒素および便臭の低下が認められた。これらの結果からGOSの継続摂取は犬の健康維持に有用であると考えられた。

  • 山﨑 裕毅, 出口 辰弥, 田村 昌大, 酒井 俊和, 大田 寛, 鳥巣 至道
    2023 年 26 巻 Suppl 号 p. suppl_31-suppl_32
    発行日: 2023/06/30
    公開日: 2023/07/20
    ジャーナル フリー
  • 辻本 綾子, 辻本 義和
    2023 年 26 巻 Suppl 号 p. suppl_33-suppl_34
    発行日: 2023/06/30
    公開日: 2023/07/20
    ジャーナル フリー

    過去大会でドッグフードにおける原材料に表記のない小麦の混入について報告した。今回、原材料に小麦の表記がないドッグフードにどれだけの小麦が含有しているかを調査するため、定量試験[ELISA(=enzyme-linked immunesorbent assay)法]である食物アレルギー検査を、定量上限を上回ったものは試料を希釈することで、定量可能な数値まで検査を重ねた。その結果、食物アレルギー用療法食3製品において小麦タンパク質は不検出であったが、小麦グルテンフリーと記載のある総合栄養食から小麦790ppm(=parts per million、1mg/kg)、小麦グリアジン2900ppmが検出され、グレインフリーと記載のある総合栄養食から小麦 51.2ppm、小麦グリアジン57.7ppmが検出された。ヒトの食品ではアレルギー表示義務が生じる基準値である10ppmを大きく上回る濃度の小麦タンパク質が検出された。したがって、除去食試験の実施に際しては、原材料に表記のないアレルゲンの混入を考慮するだけではなく、飼い主に対する周知徹底も必要であると言えた。イヌのアレルギーにおける除去食試験の重要性が増すなかで、ドッグフードにもヒトの食品同様のアレルギー表示に関する基準が早期に設定されることが望まれる。

  • 山口 遥香, 関口 麻悠, 山本 未羽, 友永 省三
    2023 年 26 巻 Suppl 号 p. suppl_35-suppl_36
    発行日: 2023/06/30
    公開日: 2023/07/20
    ジャーナル フリー

    ペットフードにおけるイミダゾールジペプチド定量分析系の妥当性を検討した。次に、本分析系を用いて市販総合栄養食のドライ製品ネコ用13種およびイヌ用16種のイミダゾールジペプチド含量を測定した。イミダゾールジペプチド含量はフード間にばらつきが認められ、カルノシンはイヌ用に比べてネコ用に多く含まれていた。ネコにおいて抗肥満効果が報告されているカルノシン含量を上回るネコ用総合栄養食は認められなかった。

  • 生野 佐織, 左向 敏紀, 望月 眞理子
    2023 年 26 巻 Suppl 号 p. suppl_37-suppl_38
    発行日: 2023/06/30
    公開日: 2023/07/20
    ジャーナル フリー

    キャットフードには油脂が多く含まれているが、空気中の酸素や水分などと反応すると酸化され、嗜好性や栄養価の低下および下痢などを引き起こす。本研究では、市販のキャットフードを異なる保管方法で2ヶ月間保存し、キャットフードの脂質酸化を抑制する方法を検討したところ、キャットフードの保存袋は封をしなかった場合に限り加水分解による油脂の劣化が進行するが、袋内の空気を可能な限り抜き封をすることで酸化の進行を抑制できることが明らかとなった。

  • 宝道 紫織, 鈴木 亮平, 手嶋 隆洋, 松本 浩毅
    2023 年 26 巻 Suppl 号 p. suppl_39-suppl_40
    発行日: 2023/06/30
    公開日: 2023/07/20
    ジャーナル フリー

    高アルカリフォスファターゼ(ALP)血症のイヌに対して犬猫用栄養補助食品であるヘパテクトⓇプレミアム(HTP)の有用性を検討するために、ALPアイソザイムとHTPの関係について調査した。対象犬は血中のALP値が上昇している最中にHTPを給与した21頭を用いた。ALPのアイソザイム分類による分布は、コルチコステロイド誘発性ALP(C-ALP)群8頭と肝型ALP(L-ALP)群が13頭であった。L-ALP群はコルチコステロイド内服の有無により、内服(L-ALP1)群6頭と非内服(L-ALP2)群の7頭に細分した。HTP給与前の血中ALP値はC-ALP群が最も高値であり、L-ALP1群が最低値であった。HTP給与前後で可能であった同一群内の比較ではすべての群で有意な差を認めなかったが、それらの改善率の比較ではL-ALP2群とC-ALP群の間に有意な差を認めた(p=0.026)以上のことから、イヌの高ALP血症に対するHTPの有用性はコルチコステロイドに依存することが示唆された。

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