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秋山 蘭, 生野 佐織, 上田 香織, 丸山 夏輝, 小田 民美, 佐伯 香織, 森 昭博, 左向 敏紀
2013 年16 巻Suppl 号 p.
Suppl_27-Suppl_29
発行日: 2013/07/03
公開日: 2013/09/27
ジャーナル
フリー
健常ビーグル犬に対し、市販(ドライ)食の炭水化物源あるいは量を統一した食事を与え、食後の栄養代謝の影響を比較評価した。炭水化物源は小麦・トウモロコシ・米の3種類を選択した。炭水化物量が統一され、源が異なる食事間、さらに炭水化物源が統一され、量が異なる食事間ではGlu、Ins分泌に影響を与えることはなかったが、GLP-1あるいはGIP分泌に有意差が生じた。この2項目の有意差は炭水化物源や量の違いではなく、むしろ食事中の脂質および食物繊維の含有量に影響を受けていることが考えられた。これらのことから、健常犬において市販食での炭水化物源および量はGlu、Ins分泌量に影響は認められなかったが、食事中の脂質および食物繊維の含有量が消化管ホルモンであるGLP-1、GIP分泌量に関与していることが分かった。
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小田 民美, 秋山 蘭, 生野 佐織, 上田 香織, 丸山 夏輝, 佐伯 香織, 森 昭博, 左向 敏紀
2013 年16 巻Suppl 号 p.
Suppl_30-Suppl_31
発行日: 2013/07/03
公開日: 2013/09/27
ジャーナル
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朝7時から夜7時までと夜7時から朝7時までの12時間、各種ホルモンと糖代謝、脂質代謝に関連する項目の変動を検討した。朝試験は夜試験に比べて、食後1時間のインスリン濃度が有意に低値を示し、遊離脂肪酸 (NEFA) は食後12時間で有意に高値を示した。またGLP-1曲線化下面積 (GLP-1 AUC) は夜試験において有意に高値であった。夜試験の血糖値、インスリン濃度変動から、夜間は犬においてもインスリン抵抗性が若干上昇していて、インスリンによる血糖低下が昼間に比べると低いことが考えられた。
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瀬高 絢, 成田 紹人, 大澤 香織, 丸田 良子, 池田 周平, 祐森 誠司
2013 年16 巻Suppl 号 p.
Suppl_32-Suppl_33
発行日: 2013/07/03
公開日: 2013/09/27
ジャーナル
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CP14%、TDN60%のウサギ用基礎飼料とその窒素量の約1/3を尿素に置換した試験区飼料を調製した。5日間の予備飼育後、28日間飼育試験を行った。飼料摂取量は毎日、体重は1週間ごとに測定した。また、バリカンで被毛を刈り取ったウサギに同様の試験飼料を給与して90日後に再び被毛を刈り取り、育毛量の比較を行った。現在、基礎飼料給与後1時間ごとに採血を行い、血漿中L-カルニチン量の変化について検討している。結果として尿素配合により若干の飼料の嗜好性低下は認められたが、飼料効率に差は無く、育毛量にも差は無かった。よって、窒素源が異なることに起因する体内の窒素利用に差は無いと推定された。この確認を目的とした血漿中L-カルニチン量の変化については、食後の時間経過で変化が認められるので継続して検討する。
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花岡 茉利子, 原田 弘美, 大野 耕一, 玉本 隆司, 内田 和幸, 坪井 誠也, 庄司 亜香, 辻本 元
2013 年16 巻Suppl 号 p.
Suppl_34-Suppl_35
発行日: 2013/07/03
公開日: 2013/09/27
ジャーナル
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我々は、市販の総合栄養食を給餌されていたにもかかわらず、黄色脂肪症の発症を認めた2症例を経験した。総合栄養食として販売されている猫用のフードを用いた場合でも、若齢猫の食事管理においては黄色脂肪症の発生に関する注意が必要と考えられる。
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大塚 剛司, 岩本 綾香, 川瀬 貴博, 五田 亮世, 河井 美里, 古瀬 充宏, 安尾 しのぶ
2013 年16 巻Suppl 号 p.
Suppl_36-Suppl_37
発行日: 2013/07/03
公開日: 2013/09/27
ジャーナル
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ペットの栄養管理において、季節の光条件が代謝や情動に及ぼす影響を考慮することは重要である。本研究では、光条件の変化がマウスにおける糖耐性やスクロース嗜好性、また脳内セロトニン神経系に及ぼす影響の解明を目的とした。まず、長日条件もしくは短日条件で飼育したマウスに腹腔内グルコース負荷試験を行ったところ、血漿グルコース、インスリン濃度ともに、短日条件で飼育したマウスのほうが長日条件に比べ高い反応性を示した。次に、長日条件もしくは短日条件で飼育したマウスにスクロースもしくはサッカリン嗜好性試験を行った結果、短日条件で飼育したマウスでは長日条件に比べ高いスクロース溶液の飲水量が見られたが、サッカリン嗜好性に影響は見られなかった。また短日条件のマウスではグルコース投与により一過的な脳内セロトニン含量の増加傾向が見られたことから、スクロース嗜好性と脳内セロトニン含量の関連が示唆された。以上より、日長と糖恒常性、炭水化物摂取、および脳セロトニン神経系の連動が解明され、季節による代謝や情動の変化を栄養学的に制御できる可能性が示された。
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宮川 優一, 市田 旭宏, 竹村 直行
2013 年16 巻Suppl 号 p.
Suppl_38-Suppl_39
発行日: 2013/07/03
公開日: 2013/09/27
ジャーナル
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本研究の目的は、慢性腎臓病(CKD)における尿毒素である血漿インドキシル硫酸(IS)濃度の抑制に対する腎臓病用療法の有効性を確認することだった。CKDと診断された犬28頭および猫12頭を対象とした。腎臓病用療法食を摂取している患者では、有意に血漿インドキシル硫酸濃度が低かった。したがって、腎臓病用療法食は血漿インドキシル硫酸を抑制し、このことがCKDの進行抑制につながる可能性を示唆している。
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上田 香織, 浅見 真帆, 山田 詩織, 丸山 夏輝, 生野 佐織, 秋山 蘭, 佐伯 香織, 小田 民美, 早川 典之, 森 昭博, 左向 ...
2013 年16 巻Suppl 号 p.
Suppl_40-Suppl_42
発行日: 2013/07/03
公開日: 2013/09/27
ジャーナル
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多くの動物では、炭水化物は体内でグルコースとなって特定の器官や組織において重要なエネルギー源となるが[1]、肉食動物である猫は代謝の違いから雑食動物に比べて多量の食事中炭水化物を効率的に利用する能力が劣っていると言われている[2]。炭水化物の含有量が異なる食事を用いた研究は多くあるが[3]、グルコースで構成され、構造の異なる炭水化物による研究報告は少ない。そこで、本研究では構造の異なる炭水化物5種類(グルコース、マルトース、トレハロース、デキストリン、コーンスターチ)を用いて食事負荷試験を行い、血糖値、インスリン、遊離脂肪酸(NEFA)濃度の変化にどのような影響を与えるのか検討した。コーンスターチ食において血糖値、インスリンが他の炭水化物食よりも上昇が小さい傾向が見られ、NEFA濃度は上昇傾向がみられるなど、構造の違いにより血糖変動に異なる影響を与えることが示唆された。コーンスターチは食後の上昇が小さいことから、糖尿病猫の食事管理として利用できると考えられた。
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生野 佐織, 佐伯 香織, 秋山 蘭, 小田 民美, 上田 香織, 丸山 夏輝, 森 昭博, 左向 敏紀
2013 年16 巻Suppl 号 p.
Suppl_43-Suppl_45
発行日: 2013/07/03
公開日: 2013/09/27
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経口糖給与(OGTT)30分および食事給与1、2時間後に30分間の運動を行った。OGTTおよび食後2時間での運動は、インスリンの分泌促進および血中や骨格筋における糖利用亢進による血糖値の有意な低下が認められた。また、食後1時間での運動は、摂取した食物の消化吸収遅延をもたらし、運動後長時間にわたりインスリン分泌を促進させた。これらのことから、インスリン分泌亢進時および食後1、2時間での運動は、低血糖リスクの増大および消化吸収遅延促進を引き起こし、運動を行う時間として避けるべきである可能性が示唆された。
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寺地 智弘, 岩田 法親, 菱山 信也, 舟場 正幸, 松井 徹
2013 年16 巻Suppl 号 p.
Suppl_46-Suppl_47
発行日: 2013/07/03
公開日: 2013/09/27
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ネコにおいて水銀過剰摂取が懸念される。本試験では、ネコの被毛中水銀濃度を測定し、疾病との関連について予備的に検討した。来院したネコの内、健常ネコ(n=24)の被毛中水銀濃度は0.2-5.8 mg/kgの範囲であり、95%信頼区間(95%CI)は1.2-2.4 mg/kgであった。疾病ネコ(n=25)の被毛中水銀濃度は0.1-17.5 mg/kgの範囲であり、その内7頭の被毛中水銀濃度は、健常ネコの95%CIを越えていた。ヒトでの水銀中毒の典型症状である神経障害を示すネコが2頭認められたが、いずれも健常ネコの95%CIの範囲内であった。一方、炎症症状を示したネコ4頭の内、3頭が健常ネコの95%CIを超えていた。今後、ヒトでの水銀中毒の典型症状である神経障害・循環器系疾患を示すネコについて測定数を増やすとともに、炎症症状を示すネコの被毛中水銀濃度を重点的に解析する必要がある。
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宮部 真裕, 小野澤 栄里, 百田 豊, 呰上 大吾, 左向 敏紀, 石岡 克己
2013 年16 巻Suppl 号 p.
Suppl_48-Suppl_49
発行日: 2013/07/03
公開日: 2013/09/27
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β3アドレナリン受容体(
ADRB3)はアドレナリン受容体のサブタイプの1種で、主に脂肪細胞に発現している。ヒトでは
ADRB3遺伝子の一塩基多型(SNP)によって64番目のアミノ酸がTrpからArgに置換すると安静時代謝量が200 kcal低下し、肥満のリスクが高まることが知られている。我々はこれまでの研究でイヌ
ADRB3遺伝子のExon領域に12個のSNPを発見したが、その中でC749Tは250番目のSerがPheに置換する非同義置換であり、BCS4/5以上の個体群において遺伝子頻度がより高いことを確認している。今回の研究では、このSNPの表現型への影響を調べることを目的とし、イヌ
ADRB3遺伝子のC749T保有個体群と野生型個体群を同一環境下で飼育して、1日あたりのエネルギー摂取量を固定した際に体重の変動に差が見られるかについて検討した。
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稲富 太樹夫, 橋本 充広
2013 年16 巻Suppl 号 p.
Suppl_50-Suppl_51
発行日: 2013/07/03
公開日: 2013/09/27
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犬用プロバイオティクス(乳酸菌・酪酸菌・糖化菌含有サプリメント)を健康な高齢犬に4週間給与し、血液一般生化学項目・血漿ビタミンE濃度・生体内酸化ストレスマーカー(d-ROM、BAP)を測定した。その結果、血清ビタミンE濃度・BAPは給与前に比べ給与後4週間で有意に上昇した。このことからプロバイオティクスを高齢犬に給与することにより、抗酸化物質であるビタミンEの腸管での吸収を促進し、生体内における抗酸化力を増加させたことが示唆された。
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大江 智子, 大畑 素子, 有原 圭三
2013 年16 巻Suppl 号 p.
Suppl_52-Suppl_53
発行日: 2013/07/03
公開日: 2013/09/27
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ネコは、マタタビに含まれるイリドミルメシンやアクチニジンなどの揮発性成分に対し、特徴的な反応を示す。本研究では、ネコが反応を示すマタタビ中の新たな成分の検出を目的とし、高真空香気蒸留法およびガスクロマトグラフ質量分析(GC-MS)装置を用いて検討した。マタタビの葉に含まれるモノテルペン化合物類に着目して同定したところ、7種類が検出された。このうち、ネコの反応との関係性が詳細には判明していないモノテルペン化合物で、標品として入手可能な4種類を用いて、ネコへの曝露実験を行ったところ、プレゴンで反応が確認された。
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片野田 祐介, 桃井 康行
2013 年16 巻Suppl 号 p.
Suppl_54-Suppl_55
発行日: 2013/07/03
公開日: 2013/09/27
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犬では歯周病は高頻度でみられ、ジンジバリス菌をはじめとする歯周病菌がその病因に深く関わっていると推測されている。今回、歯周病菌を半定量的に評価する医療用の簡易キットを犬に応用した。またジンジバリス菌の抑制が期待されるサプリメントをイヌに給与し、歯周病菌への影響や病変の改善効果を検討した。
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